映画『シャーロック・ホームズ』

19世紀末ロンドンのヒーローと言ったらホームズに決まってます。映画『シャーロック・ホームズ』ワイルドなロバート・ダウニー・Jrホームズと美男子ジュード・ロウワトソンです。
シャーロック・ホームズ

マッチョでタフなシャーロック・ホームズ

原作を読んだことがなく、世間一般のホームズ像しか知らない方にとって、ロバート・ダウニー・Jrのホームズは違和感があるようです。なんせ大男もノックアウト、拳銃を撃ちまくり、走りまくるマッチョホームズですからね。

おそらく一般の方が思うホームズとは、NHKで放映していた英国グラナダTV製作のテレビドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』の影響が大きいかもしれません。主演のジェレミー・ブレッドはインテリ紳士・ホームズのイメージにぴったりでした。

実は原作ホームズはアクション派


でも実は、原作のホームズはフェンシング、ボクシング(そしてバリツ・武術)の腕前もプロ級、暖炉の火かき棒をぐっと曲げてしまう(※)ような怪力。痩せ型とは言え、身長は180センチを越す大男です。ホームズは頭脳だけがたよりのひ弱な男ではなく、文武両道のオールマイティ型。だからロバート・ダウニー・Jrのアクションシーンは意外に合っているのかも。

正確には『まだらの紐』事件で、ロイロット博士が曲げた火かき棒を、まっすぐに曲げ直したエピソード。曲げるよりもまっすぐにする方が力がいる。

イケメンすぎ? 美青年ワトソン

そして相方のワトソン役、ジュード・ロウ。これこそ私が待ち望んでいたワトソンですよ。一般に流布しているホームズの引き立て役としての「頭の悪いメタボ中年ワトソン」なんてイメージは間違っていると言いたい! 仮にも医者ですしね、結局人間は自分と同程度の人としか付き合うことはできないのです。天才ホームズと対等に渡り合える相棒なら、同じく頭脳明晰で身のこなし敏捷な英国紳士に決まってます。

アイリーン・アドラー嬢も登場


もちろんシャーロキアンならニヤリとしてしまう、おなじみの登場人物も。その内の一人はアイリーン・アドラー。『ボヘミアの醜聞』で、女嫌いのホームズを翻弄した「The woman」です。映画でも峰不二子的悪女っぷりを炸裂させていますよ。そして変人の間借り人に困った顔のハドソン夫人、そして、忘れちゃいけない、あの人物も──。

世界最高のホームズ・ジェレミー・ブレッド

個人的には名優ジェレミー・ブレッドのホームズは私も世界最高のホームズだと思っています。彼はドラマシリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』の第六シーズン撮影終了後に心臓麻痺でなくなっています。重病をおして命をかけてホームズ役を演じきったジェレミー・ブレッド。惚れ惚れするようなホームズです。

どっちもコカイン中毒

でもロバート・ダウニー・Jrだって負けてませんよ。彼は8歳からマリファナ中毒で、何度も薬物所持で逮捕されていますからね。もちろんコカインもやってました。何かと言うとコカインを打っているシャーロック・ホームズにぴったりではないですか! ……っと、これはブラック・ジョークが過ぎましたね。まあ、19世紀末にはコカインやモルヒネは合法だったんですけんどね。

小道具・インテリア・ファッション


スチームパンカーが小躍りするような、カッコいいメカも出てきますし、シャーロック・ホームズとワトソンの暮らすロンドンベーカー街221Bのアパートのインテリアも素晴らしい。ホコリっぽく、ごちゃごちゃ、ごてごてしたあのホームズの部屋が見事に再現されています。壁に弾丸を打ち込んでヴィクトリア女王のイニシャルを書くというファンにはおなじみのシーンも。アイリーン・アドラー嬢のスチームパンキーなファッションも大いに参考になりました。

ホームズ・ワトソンの愛の物語

そしてなにより、この映画ではホームズとワトソンの愛が感じられるんですよ。婚約者を連れてきたワトソンにツンデレっぷりを発揮するホームズ、自分の身をかえりみずホームズを助けるワトソン。アクションも息がぴったり。見つめ合う二人の図の美しいこと、美しいこと! 眼福とはこのことですな。

蒸気夫人
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