「マーブリングの技法2」小口マーブリング

小口とは本の部分の名称で、本の糊や糸などで閉じられていない3方の辺のことです。ここをマーブリングで染めたものが小口マーブリングです。今回はマーブリングの技法のハウツーです。
小口マーブリング

Iさーん、見てますかー?

前回の記事を書いた後に、読者のIさんからメールをいただきました。「電気暖炉を買ってみたり、今村暁氏の著作を読んで三年日記を付け始めたり、最近ではこんまり先生の著作を読み部屋の片付けをしています」とのこと。記事を書いたかいがありました。とても嬉しかったですよ☆Iさんは豆本作りをしていらっしゃるそうで、マーブリングにも挑戦したいとありました。この小口マーブルの記事、ドンピシャでIさんのお役に立てるといいなあ。

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【1】サンドペーパーがけ

小口マーブリング
まずは本の小口3辺にサンドペーパーがけをします。紙のでこぼこをなくすためなので、サンドペーパー(400番ぐらい)をざっとかけておきます。ミョウバン水を作って、本の小口にスポンジでつけます。

以下の記事は、「マーブリングの技法・櫛目模様の紙を作る」という記事をまず読んでから行ってくださいね。手順の同じ部分は、この記事では端折ってしまいますので。

「マーブリング(墨流し)の技法」櫛目模様の紙を作ってみよう
マーブリングとは、大理石(Marble)に似た美しい模様。革装丁の書籍だけでなく、日本の墨流し、イスラム文化圏の精密画など、世界各国にこの技法を応用した美術があります。

【2】マーブリング溶液を作る

小口マーブリング
洗濯糊を水で薄めてマーブリング溶液を作ります。かき混ぜると泡が立ちますが、新聞紙でゴミ取りしているうちになくなります。泡ができたままだと上手く模様が作れません。

櫛について(1)

小口マーブリング
ここで前回さらっと流してしまった、マーブリング用の櫛(くし)について書いておきます。この櫛は、マーブリングをする時に必須の道具なのですが、売ってないので自分で作るしかありません。いや、売ってるのかもしれないけど普通のお店では見つからないし、あってもプロ仕様なのでかなり高いと思われます。でも自分で作れば200円ぐらいでできるから、ぜひ自作してみましょう。

櫛について(2)

小口マーブリング
大きさはバットの縦横の長さに合わせたものを2本。私の使っているバット(100円ショップで購入)は内寸が23×33センチです。バットは大きいほどテクニックが必要になるので、このくらいの大きさが手頃かと思います。1センチ角ぐらいの角材にドリルで穴をあけ、爪楊枝を差し込んでボンドで接着。穴の間隔は1〜3センチぐらいが良いです。

【3】模様を作る1

小口マーブリング
じゃあ、楽しいマーブリング作業へと移りましょう。お好きな色数色を選んで、ポタポタポタ……と水面に落としていきます。この画像では、白、青、赤を適当に落としています。

【4】模様を作る2

小口マーブリング
先ほどの櫛で、縦→横→縦→横……と水面をなでます。小口に櫛目模様をつけたい場合、本の厚みよりも細い模様になった方が美しいので、できるだけ細かく櫛を通します。水面を揺らさないよう(揺れると模様が歪んでしまう)、そ〜〜っと動かすのがコツ。

【5】小口を浸す

小口マーブリング
できた模様のうち、なるべく直線的になっている部分を選び、本の小口を浸します。ページがばらけないように、しっかりと握っておきます。本はすぐに引き上げて構いません。あまり長時間浸すと毛細管現象によって、ページの上の方まで絵の具が入り込んでしまいます。これをあと2回、つまり小口3辺を染めます。

【6】余分な絵の具・溶液をぬぐう

小口マーブリング
これは先ほどとは別の色・模様なのですが、こんな感じに小口が一瞬にして染まります。余分な絵の具、マーブリング溶液をティッシュやボロ布でぬぐい取ります。

【7】プレス・乾燥させる

小口マーブリング
溶液と絵の具がついた部分は濡れているので、ページがたわまないようにベニヤ板に挟み、上から重しを乗せて乾燥させます。

【8】ページを剥がす

小口マーブリング
水を吸い取りやすい性質の紙は、絵の具がページの数ミリ内側に吸い上げられて染まってしまうこともあります。そのまま乾燥させると、ページどうしがくっついてしまうため、乾燥後にそっと引き剥がしておきます。小口のみに色がのるのが理想なんですけどね。紙の質を見極め、浸す時間を直感で加減するには、もうちょっと経験が必要みたい。

【9】ラナパーを塗る

小口マーブリング
マーブル模様を汚れから保護するために、後処理を行います。本当は、蜜蝋(ビーズワックスとも言う)を小口に塗り込むのですが、私は「ラナパー」という商品を使っています。これはドイツ製のレザーケアワックスです。靴やカバン、ソファなどの革製品に塗ると、汚れを落とし、撥水効果を高め、艶を出し、カビから守るという優れもの。蜜蝋とホホバオイルなど天然成分100%で出来ているので代用できます。一つ持っておくと便利ですよ。

ツヤっツヤになって楽しい

小口マーブリング
これをスポンジにちょびっとつけて、しっかりと握った本の小口に塗りこみます。ラナパーはほんのちょっとでいいんですよ。スポンジでしっかり磨くとツヤっツヤになって、マーブリング模様が輝きます。写真だとよく分かんないかな。この作業は非常に楽しいです。

本にも色のオシャレを

小口マーブリング
本の内容やイメージに合わせたマーブリングを施したり、また本の分類別に同じ模様や色で統一したりするのも面白いかも。ハードカバーの本はできないのですが、ソフトカバー、文庫、新書、コミックなど表紙が薄く本文と同じ大きさの本なら大丈夫。紙のマーブリングよりは面積が小さい分簡単ですよ。

次回は、本コレクター、ビブリオマニア必携のアイテムについて書きたいと思います。もう、カンの良い方は私が何を目指して一連の工作をしているのか分かってしまったかもですね?
本書にも小口マーブリングの技法が解説されている。他に専門書はほとんどないので、こちらの本がお勧め。

材料・道具
蒸気夫人

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