「骨格標本・手羽先編」キッチンで作る標本1

スチームパンクな部屋、理科趣味に欠かせない動物の骨格標本。今回は簡単な骨格標本の作り方をご紹介。美味しい手羽先を食べたらレッツ骨格標本。夏休みの工作の宿題にも最適です。
手羽先の骨格標本

骨格標本の作り方【1】食べる

手羽先の骨格標本
冒頭の写真は実はスーパーで売られているお総菜の手羽先で作った骨格標本。「なーんだ、ただの手羽先か、とがっかりしないで。できあがった骨格標本はなかなかカッコイイものですよ。まず骨をバラバラにしないようにキレイに食べましょう。今回は4本いっぺんに作ることにしましたが、2本手羽先があれば十分です。

【2】骨を煮て肉を取る

手羽先の骨格標本
食べ終わったら1つだけ手羽先を残しておいて(見本として使うから)他の手羽先と水を鍋に入れてぐつぐつ煮ます。1時間も煮ると残っていた身がほぐれてきますから、お湯をざるにあけて骨を取り出します。歯ブラシ、ピンセット、つまようじ、割り箸、竹ひごなどお好きな道具で骨から肉をはがします。骨を折らないように注意。

【3】ポリデントでさらに肉を取る

手羽先の骨格標本
取りきれなかった肉があっても大丈夫。ここで活躍するのが、入れ歯洗浄剤「ポリデント」。新しい水と骨を鍋に入れて、ポリデントを放り込みます(ここでは4本煮ているのでポリデント2つにしましたが、いくつでもいいです)。

このまま1日放置するとポリデントのタンパク質分解酵素によって肉がきれいにとれますが、私はスピードアップのために2時間ほど煮込みました。

また「パイプユニッシュ・パイプスルー」などのパイプ洗浄剤でも肉が取れます。業界では「ポリデント法」「パイプスルー法」などと呼ばれているそうです。でも薬剤があまり強いと骨がもろくなるので、濃度や時間など様子を見ながら漬け込んでください。パイプスルー法でやる時は、手が荒れないよう必ずゴム手袋をつけて作業すること。

ポリデントに漬けると、骨と骨をつないでいた軟骨が透明のプルプルしたゼリー状になります。これを歯ブラシや竹ひごなどでこそぎおとし、よく水洗いします。複数の骨を一度に作るときには、それぞれの骨が混ざらないように台所用の生ゴミネットに入れて結んでおくと良いですよ。

【4】軟骨を取り除いて脱脂

手羽先の骨格標本
骨に染みこんでいる脂を抜きます。ベンジンを使うこともありますが、今回は「マニキュアの除光液」で脱脂。ネット入りの骨をジャムの空き瓶に入れて除光液をひたひたまで注ぎます。除光液は成分が「アセトン」のものを選んでください。100円ショップで売っている安いもので十分です。

蒸発しないように蓋をしっかりしめます。骨によって違うのですが、だいたい1日~3日ほど放置すると骨の脂がアセトンにしみ出してきます。

【5】飾り台を塗装

手羽先の骨格標本
脱脂している間に台を作ります。ホームセンターや東急ハンズで売られている「飾り台」を用意します。木製で面取りがしてあります。手羽先の台だと5センチ×5センチぐらいでOK。

そのままでも良いですがせっかくなので色を塗ってみましょう。サンドペーパーで全体をこすって下地作り。水性の木調着色剤(ステイン)を塗ります。表面が乾いたら再び塗るという作業を5回ほどくり返します。最後に表面にクリアラッカー(ツヤあり)をふいておくと光沢が出てキレイになりますよ。

【6】乾燥

手羽先の骨格標本
3日ほどして脂が抜けて骨が白っぽくなったら、除光液から出して水洗いします。日光に当てて乾かすとさらに白くなります。お庭で乾かす人は、ネコやカラスに持ってかれないようにざるなどかぶせておいた方が良いですよ。これでOKとなれば次のステップは省略してかまいませんが、もう少し白くしたい人は漂白の作業をします。

【7】漂白

手羽先の骨格標本
骨を白くするのには「オキシドール」を使います。オキシドールは薬局で消毒液として売っていますが、なければ洗濯用・キッチン用の漂白剤「ハイター」でもかまいません。水で薄めた溶液をジャムの瓶に入れ、骨を漬けます。30分もすると白くなってきます。私は1日漬けましたが、骨がボロボロにもろくなることがありますから、濃度や時間など様子を見ながら漬けてください。

脱脂や漂白で薬剤に漬け込む時間を「何分」「何日」とはっきり書くことができないのは、標本にする骨の年齢によるからです。若鶏だとまだしっかり骨ができあがっていないのでもろく、強い薬剤に漬けると折れやすくなります。失敗しないよう観察しながら漬けてくださいね。

【8】骨の組み立て

手羽先の骨格標本
骨が白くなったら十分乾かします。触るとサラサラしていて、叩くと貝殻のようにカラコロ音がするぐらいになったら十分です。いよいよ組み立て。見本として残しておいた手羽先を見ながら、骨をパズルのように組み立てていきます。ここからが楽しいですよ!

【9】骨の名称を覚える

手羽先の骨格標本
ついでに骨の名称を覚えてみましょう。指骨と手根骨のパーツをなくしやすいので要注意。できれば全部のパーツがそろっていた方が良いけど、なければ別の手羽先の骨から拝借して寄せ集めで作ってもいいんじゃないでしょうか。

【10】骨の接着・軟骨作り

手羽先の骨格標本
骨の接着は、透明ボンド(ゼリー状アロンαなど)ホットボンド(グルーガン)を使います。まず透明ボンドを関節部分に塗って、ホットボンドを周りに盛る感じ。ホットボンドは数秒で固まるので、透明ボンドが固まるまでの固定に使うのと、軟骨を再現するのに使います。ホットボンドは熱いので火傷をしないように気をつけてくださいね。

【11】接着剤の固定

手羽先の骨格標本
4本とも組み立ててみました。骨ブラザーズ。4本そろうと壮観です。関節の間や手根骨のあたりにホットボンドがぼってり乗っていますよね。中の透明ボンドが完全に固まるまで1日置きます。

【12】軟骨を削り出す

手羽先の骨格標本
より軟骨をリアルにするために、ホットボンドがぼってりしているところを、骨のギリギリまでナイフで削っていきます。削りすぎると骨がとれてしまいますし、ぼってりボンドが乗っているままだと作り物っぽくなってしまいます。様子を見ながら少しずつ削っていきましょう。

【13】下部に真鍮の芯を作る

手羽先の骨格標本
きれいに削り出せたら、下のとう骨の部分にピンバイス(手動のミニドリル)で穴をあけます。太さ0.9ミリ(20番)の真鍮線を5センチほどで切って、半分に折り曲げたものを差し込み、透明ボンドで固定します。

【14】品名差しと真鍮管の取り付け

手羽先の骨格標本
色を塗った飾り台に、品名差しの金具を取り付けます。両側を釘で打つだけです。品名差しはなくてもいんだけど、標本らしくなるかなあと思って。直径3ミリの真鍮管をペンチで3センチほどで切断します。適当な位置にピンバイスやルーターで穴をあけて、真鍮管を差し込みボンドで固定します。真鍮管にとう骨の真鍮線を差し込んで、ボンドで固定します。

【15】ラベルを作る

手羽先の骨格標本
アンティーク写真の作り方2でご紹介した、古びた紙を作る方法を使って、ラベルを作ります。かっこつけてラテン語バージョンと日本語バージョンを作ってみました。ラテン語は辞書で調べて文法書をざっと読んだだけだから間違ってるかもしれない。詳しい方いらっしゃったら、間違いをご指摘くださいませ。

アンティーク写真の作り方(2)・コーヒーウェザリングで古写真を
家庭用のプリンタ、コーヒー、オーブンを使って手軽に作る昔風写真の方法をご紹介しましょう。およその制作時間は1時間もあれば十分です。時間もお金もそれほどかかりません。

完成!

手羽先の骨格標本
完成! どうです。スーパーのお総菜がこんなかっちょいい骨格標本になりました。しかも1標本あたりの原価がたった数百円。キッチンや洗面所にある薬品で作れるし、お料理の延長線上のような作業だから、男性より女性の方が向いてるかも。小中学生のお子さんのいるお母様は夏休みの自由研究に親子でやってみてはいかがでしょう。

標本作りは骨学の勉強になる

手羽先の骨格標本
高校生時代は生物部部員だったのですが、組織培養班だったので骨格標本作りは初めての体験でした。とても勉強になりましたね。人間の指は5本だけど、鳥の指が3本であること、鳥にも人間の二の腕と同じ尺骨があること、鳥の骨はかなり軽く作られていることなど、骨学の勉強として標本作りは最適。骨ってよく出来ていて面白いなあ!

さて、手羽先で味を占めた管理人はさらに大きな動物の骨格標本を作ってみたのでした。その方法については次回の記事をご覧くださいチャオ。

「骨格標本・豚足編」キッチンで作る標本2
手羽先の骨格標本に続きまして、今回は哺乳類の骨格標本作りに挑戦。この可愛らしい纏足(てんそく)ような足の持ち主は誰でしょう? 正解はブタ。豚足で骨格標本を作ってみました。

関連URL
材料・道具
蒸気夫人
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