水草の草原が広がる水槽の中。白ウサギが「遅刻、遅刻!」と穴に向かって走っています。木に隠れてウサギを見つめるアリス。ミスト式という方法でキューバパールグラスを育てました。
There was nothing so very remarkable in that; nor did Alice think it so very much out of the way to hear the Rabbit say to itself, “Oh dear! Oh dear! I shall be late!”
特別変わったことはありませんでしたし、ウサギが「なんてこった、なんてこった、遅刻しちゃう!」と独り言を言うのも、アリスも特別変わったことだとは思いませんでした。
『不思議の国のアリス』の冒頭シーン
『不思議の国のアリス』の冒頭のシーンを水槽の中に再現しました。懐中時計を片手に、服を着たウサギがアリスのそばを走り抜けます。穴に入ったウサギを追いかけて、アリスも穴に飛び降りました。この穴こそ不思議の国の入り口。アリスの大冒険が始まります。
アリスのティーパーティー3のフィギュア
このフィギュアは北陸製菓&海洋堂の『アリスのティーパーティー3』シリーズのものです。海洋堂が手がけるアリスのフィギュア最後のシリーズです。最初水に入れても大丈夫かどうか心配だったのですが一ヶ月近く経っても特になんともなさそうで安心しました。
別のシーンのフィギュアを使いました
実はこのフィギュアは、アリスの冒頭シーンのものではありません。本当は不思議の国で大きくなったアリスが再び白ウサギに出会うシーン。アリスが声をかけるとウサギはびっくりして白手袋と扇を落として逃げ去ってしまう場面のイラストが元になっています。原典に正しくはありませんが、これはこれで良いかなと。
タナカカツキ先生推奨のミスト式水槽
これは私が初めてミスト式に挑戦した水槽です。立ち上げから半年以上経ちましたが、CO2添加なし、フィルターなし、ヒーターなし、週1度3分の1換水のみというお手軽メンテナンスなのにずっと美しく保たれています。
ミスト式はレイアウトアクアリウムのトップランナー・タナカカツキ先生が提唱している方法です。水槽を作ったことがある方なら、水草の絨毯を作りに苦労されたことがあるのでは? でもミスト式は時間がかかるものの、誰でも簡単に水草水槽を立ち上げられるメソッドなんですよ。
【1】水槽を用意する
ではミスト式水槽を始めてみましょう。これは幅17×奥行き17×高さ18cmの蓋付きプラスチック製水槽。容量は4.7Lです。丈夫で安価、軽量なのでプラ水槽にしましたが、もちろんガラス製の水槽でも構いません。
【2】薬剤を入れる
底にミリオンAという薬剤を適量入れます。ミリオンAは根腐れ防止の珪酸塩白土です。水を腐りにくくさせる効果があります。またバクテリアを安定させるために水槽用の底床添加剤・バクター100を撒きました。
【3】ソイルを入れる
ソイルを入れます。水草一番サンドは粒が揃っていて美しく、水草の育成にとても向いているソイルです。左上方向の地面に、兎穴に見立てた塩ビパイプキャップを埋めました。
【4】水草を用意する
水草の絨毯に使うのはキューバパールグラスです。小さくて明るい黄緑の葉が密生する様は、見ていて清々しい気持ちになります。この量だと幅17×奥行き17×高さ18cmの水槽にはちょっと多いぐらいです。ちなみに前のミスト式水槽にはニューラージパールグラスを使いました。どちらでも問題ありません。
【5】水草を植栽する
地面を霧吹きで湿らせてから、細かくちぎったキューバパールグラスをピンセットで植え込んでいきます。田植えみたいな感じ。私は等間隔に植えましたが、適当で大丈夫です。
【6】霧吹きで十分に地面を湿らせる
植栽が終わったらたっぷり霧吹きします。地面が水でびちゃびちゃになるぐらいだけど、水たまりができるほどではないぐらいの量です。
【7】ラップで密閉する
あとは蓋をしめてラップで密閉したらおしまい。照明は1日8〜10時間ほど水槽用LEDライトをタイマーで作動させます。他には何もしません。これから2ヶ月間ほったらかしです。
ただし以下の写真を撮影するために10日おきにラップと蓋を取りました。普通は何もせずに2ヶ月放置して大丈夫です。
【8】1日目
キューバパールグラスを植え終わった直後です。
【9】10日目
10日後です。まだそんなに変わりません。
【10】20日目
ミスト式水草水槽、立ち上げから20日が経過。キューバパールグラスは順調に増えています。
【11】30日目
30日後。キューバパールグラスがかなり土の部分を覆ってきました。他の水草も実験的に植えてみました。ラップを取るとプーンと草の良い匂いがします。
【12】40日目
「冬だから時間かかるかな?」と思いきや、急にスイッチが入ったように地面を覆い始めたキューバパールグラス。10日前に植えた他の水草もほったらかし状態なのに生き生きしています。
【13】60日目
60日が経過して地面全体がキューバパールグラスで埋め尽くされました。相変わらず蓋をあけるときに、爽やかな緑の香りがして清々しいです。もうこれで水を注いでも大丈夫。2ヶ月間お待ちどうさまでした!
【14】もし地面が乾いていたら霧吹き
基本的に2ヶ月間は何もしないのですが、もし地面が乾いているようだったら霧吹きで水をあげてください。そして水蒸気が逃げないようにしっかりとラップしなおしてください。LEDライトの照射さえ毎日タイマーで作動させておけばこの通り美しい緑の絨毯ができますよ。
【15】背景用の水草を植える
背景の部分に森に見立てて前景、中景用の小さめの水草を植えました。
【16】注水する
注水しました。水草はしっかりと地面に根を張っているので浮き上がったりはしません。水を入れた直後はソイルで少し濁るかもしれません。その場合は水槽用の活性炭を入れておけば一晩で綺麗になります。私はブラックホールを使いました。
【17】完成!
水を入れた直後はこんなふうに水槽の壁に気泡がびっしりつくと思います。でもこれもしばらくすると消えるので大丈夫です。ミスト式水槽の国のアリス、完成です!
七色に光る! 不思議の国の入り口
この水槽、ちょっとおもしろい仕掛けがあるんですよ。防水のLEDライトを仕込んだので白ウサギが落ちる穴がいろんな色に光るんです。不思議の国の入り口っぽいでしょう?
ゴールデンアカヒレをお迎えしました
水を入れて一ヶ月弱が経過し、水質も安定しましたのでゴールデンアカヒレ2匹を我が家にお迎えしました。小さい水槽なので水量的には2匹が限度かなあと思います。
アカヒレは縄張り意識が強いとも言われていますが、ショップで仲良さそうな2匹を選んでくれましたし、水草の隠れ家もあるので追いかけ回すこともなく平和に暮らしているようです。
タナカカツキ先生ありがとうございます
ミスト式水草水槽は時間がかかることだけがネックですが、バクテリアも十分繁殖して水質も安定しやすいためメンテナンスもとても簡単です。CO2もヒーターもフィルターもいらないなんて画期的ですよね。タナカカツキ先生、本当にありがとうございます!
- フィギュア
- 水槽
- ミリオンA
- アクアバクター100
- 水草一番サンド
- 前景用水草(キューバパールグラスまたはニューラージパールグラス)
- 背景用水草
- 霧吹き
- ピンセット
- サランラップ
- 塩ビパイプキャップ
- 防水LEDライト
- タイマー
- 水槽用LEDライト
- ブラックホール
※情報修正2018年01月