お風呂を最高の癒やし空間にしてみませんか? たくさんの観葉植物を飾ってジャングルのような浴室にしてみましょう。どんな植物が育てやすいか、気をつけるポイントなどを解説します。
浴室はある種の植物にとっては最適な環境
夜に電気を消してろうそくの灯りで植物を眺めていると気持ちが落ち着きます。観葉植物と言えば、ベランダやリビングで育てている方が多いと思いますが、実は浴室はある種の観葉植物にとってはとても育てやすい環境です。それは高温多湿な環境で育つ熱帯の植物です。
お風呂場なら水やりも簡単
植物の水やりはお風呂場なら簡単。葉のホコリを取ったり、ハダニなどの害虫防止のためにはジャブジャブと水をかけてやるのが一番ですが、リビングではそれも難しいですね。でもお風呂場ならシャワーのついでにさっと水をかけるだけ。楽ちんですね。
植物を育てるのに向いていない浴室は?
ただしいくつか条件があります。ホテルの浴室のように全く日光が入らない(窓がない)バスルームでは植物を育てることはできません。耐陰性(比較的日光が弱いところでも育つ性質)のある植物だとしても全く日に当たらないと徐々に弱って枯れてしまいます。
風は植物にとって重要な要素
また窓があったとしても小さい窓だったり、はめ殺しの窓で風が入らないとやはり上手く育てられません。風は日光や水と並んで植物の成長にとってとても大切な要素です。もし浴室の条件が合わない場合は、週に何度か日や風に当てて日光浴をさせる必要があります。
浴室に向きの植物1:シェフレラ
では浴室で上手く育つ植物とはどういったものでしょうか? まず第一に「耐陰性」があることです。浴室は家の北側にあることが多く、また窓があってもそれほど大きくないと思われます。そのため多少日当たりが悪くとも育つことが重要。このシェフレラは耐陰性、耐寒性があり丈夫で育てやすいですね。
浴室に向きの植物1:カラテア
カラテアも耐陰性が強く、強い日差しに当たると葉が縮れてしまう性質があります。原産地は熱帯アメリカ。くっきりとした矢羽模様はジャングルの雰囲気にぴったりです。ただし耐寒性があまりありません。寒いお風呂場には向いていませんので冬は暖かい場所に移動した方がいいかも。
浴室に向きの植物3&4:モンステラ・アルピニア
耐陰性、耐寒性ともにあるモンステラやアルピニアもエキゾチックで南国の雰囲気たっぷりです。モンステラは繁殖力が旺盛でビギナーにも育てやすい品種。アルピニアはゲットウとも呼ばれて沖縄や九州では地植えもされていて丈夫です。このように葉が大きい観葉植物は葉が落ちにくいためお風呂場に最適です。
浴室向きの植物5:ポトス
つややかな緑が魅力のポトスは水にさしておくだけで根を出すほど生命力が強く、土を使わないハイドロカルチャー(水栽培)がおすすめです。耐陰性、耐寒性はまあまあ。でも明るい場所で育てると葉色が美しくなりますよ。ハイドロカルチャーについては以下の記事もご覧ください。
浴室向きではない植物:葉が細かいもの
逆にお風呂場で育ててみて「これは向かないなあ」と思った植物は、葉が細かい(小さい)観葉植物です。ワイヤープランツは耐陰性、耐寒性もあり丈夫で育てやすいのですが、パラパラと枯れた葉が落ちる性質があります。同じ理由でアスパラガスも葉が落ちやすいのでお勧めできません。
浴室向きではない植物:葉が細かいシダ類
シダ系の植物は生息地も湿度の高い場所だからお風呂場に良さそうですが、これも葉が落ちやすいのでダメでした。ツデータマシダ(ネフロレピス)があるとジャングルっぽくなるかと思ったんだけどなあ。お風呂向けとしてはなるべく肉厚の大きな葉をもつ植物が良いのではないかしら。
浴室向きではない植物:サボテン・多肉植物
「絶対にお風呂場は無理」という観葉植物はサボテンや多肉植物です。一口に観葉植物と言っても、熱帯雨林から温帯、乾燥地帯までと生育地は様々。多肉植物は乾燥していて直射日光が当たる場所が好きです。バスルームには環境が合っておらず徐々に弱ってしまうでしょう。
浴室向きではない植物:食虫植物
一般に思い違いされていますが、食虫植物は実は熱帯雨林のものではなく温帯の植物です。日光が当たり、風に吹かれる戸外の管理が最も上手く育ちます。ハエトリソウやモウセンゴケなどは常に腰水(鉢の下から水を給水させて湿った状態にする)で育てるので浴室が良さそうに思えますが、日光と風が足りない場合は向きません。
浴室向きではない植物:エアープランツ
最近流行りのエアープランツをバスルームに吊るしたらオシャレそう!──と思いがちですが砂漠の岩や木にくっついて成長する植物なので高温多湿で空気の流れが少ない浴室だと根腐れを起こしてしまうかもしれません。これも浴室には向いていない植物です。
土対策1:マルチング
浴室で植物を育てる時にご心配なのが「土」ではないでしょうか。水やりをする時に泥跳ねを防ぐためにはマルチングという方法があります。小石や化粧砂を土の上に置くと泥跳ねしません。小石や化粧砂はホームセンターでてに入ります。いろいろな色の石や砂でコーディネートも楽しいですね。
土対策2:植え替え直後は避ける
また植え替えたばかりだと、鉢の下から土が流れ落ちることがあります。そんな場合はしばらくベランダやリビングなどで数週間育てると、根が伸びるので徐々に土が流れ出なくなります。
戸外で育てる場合には直置きせずに、このようなプランターラックで地面から離します。地面に直接置くと虫が入り込んでしまうことがあるからです。
土対策3:清潔な市販の土を使う
バスルームに土のものを置くのは不潔な気がする──。そんな場合は市販の観葉植物用の清潔な土を使って植え替えてください。庭などの地面の土は虫の卵が混入していたりして衛生的ではありません。土をよくふるって日光や熱湯消毒をしたり自分でブレンドするのも手ですが、結構大変なので土を購入するのがお手軽です。
お風呂が植物で癒やしの空間に
浴室に向いている植物はほんの一例です。自分で実験しつついろんな植物を育ててみるのも楽しいものです。あなたにぴったりの観葉植物が見つかるといいですね。お風呂にのんびり浸かりながらぜひ植物を愛でてみてくださいな。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
追記:2021年6月28日
この記事をかいてから3年後の2021年に植物たちが現在どうなっているのかという追記の記事があります。以下の↓記事もぜひご覧になってみてくださいね。