「昭和レトロ自転車(6)」ベルベット風フレームカバー

フレームに巻き付いてある布は昭和レトロ自転車のフレームカバー。これもエンブレムや風切りとともに、現代の自転車からは姿を消してしまいました。このフレームカバーをレッツDIY。
自転車フレームカバー

フレーム保護の役割と装飾目的

このパーツの第一の目的は名前そのまんまの「フレームを保護するため」でしょう。しかし自転車が高級自動車並のお値段だった頃は、革やベルベットなどが使われ、装飾的な意味合いが大きかったと思います。

そのフレームカバーも時代が下るに従って、布が紙になり、シールになり──現代ではバッヂや風切りと同じく姿を消してしまいました。低コストで自転車を作るためには仕方ないですが、削減一辺倒なのもなんとなく寂しいですね。

トヨタ博物館のレトロ自転車にも

自転車フレームカバー
愛知県の「トヨタ博物館」の昭和レトロ自転車。矢印の部分に、制作会社の名前と自転車の名称が入ったフレームカバーがついています。残念ながらこれは布製でなく、印刷された紙(シール?)をビニールコーティングしているものでした。

ベルベット風のハイミロン

自転車フレームカバー
今回せっかく手づくりするのだし、カラー印刷したシールよりも、重厚感のあるどっしりした布で豪華なフレームカバーにしたくなりました。そこで「ハイミロン」という生地に目をつけました。

ハイミロンは吹付け加工でベルベット(※)風に作られたナイロン生地です。ベルベット特有の優雅な光沢が再現されていて、手触りもベルベットそっくりです。厚みとハリがあって丈夫。ふちを切りっぱなしでもほつれません。ちょっと縫いにくい癖のある布なのでその点だけマイナスですが、見た目は申し分ありません。

別珍・ベッチン・ベロア・ビロードとも言われる。正確に言うとベッチン、ベルベット、ベロアは製法が異なるが、見分けがつきにくいので一般に混同されて呼ばれている。

【1】材料をそろえる

自転車フレームカバー
まず材料を集めます。先程のハイミロン、裏地に使う合皮、アイロン接着できる刺繍ワッペンパーツ、ゴールドのメタリックトーションレース、ハトメ、本革紐──です。裏地用の合皮は、前にレトロブックカバー作った時の余り。

「洋書革装丁風ブックカバー」の作り方
現代の書籍の装丁はどうも派手すぎてインテリアに合いません。原色や派手な色の表紙が多いからです。そこで、アンティークな革装丁のブックカバーを作ってみました。

【2】布地の切断

自転車フレームカバー
自転車のフレームをぐるりと巻ける大きさに、ハイミロンと合皮を切ります。バイアステープも同じハイミロンを使うことにしましたので、これも縦、横の長さ分×2センチで切ります。布を切る時には裁ちばさみよりも、ロータリーカッターがお勧め。

【3】レース・ワッペンを縫いつける

自転車フレームカバー
ハイミロンの表にトーションレースや刺繍ワッペンを縫いつけます。刺繍ワッペンは、車輪をイメージした輪っか状のもの2つと、「相互自転車」の「S」「O」「G」「O」の4文字。どれもラメの入ったゴールドでキラキラ。

アルファベットワッペンは手芸店でいろんなデザインのものを売ってますよ。ワッペンはアイロンで接着できますが、取れにくいように念のため縫いつけた方が良いと思います。

【4】裏地つけ、ふちの処理

自転車フレームカバー
ハイミロンだけでも結構厚みがありますが、革製のフレームカバーのような丈夫さが欲しかったので、裏地として合皮の布を縫いつけました。ふちの処理は、写真のようにバイアステープの要領で、ひも状に切り抜いたハイミロンを巻きつけて縫います。ハイミロンは固くて手縫いのまつりがけが大変。

【5】ハトメ打ち

自転車フレームカバー
フレームに留める方法はハトメと革紐にしました。フレームカバーの端から、2センチおきぐらいにハトメを打ちます。ハトメ打ちは難しそうに見えますが、道具さえあれば簡単。

ハトメ打ち終了

自転車フレームカバー
ハトメ打ち終了。「O」が逆さまの「Q」みたいに見えたので一瞬「ま、間違えて買っちゃった!?」とあせりましたが、パッケージを何度も確認したので大丈夫──な、はず。筆記体のハネが反対のような気もするんだけど……。

【6】革紐で車体に固定

自転車フレームカバー
丸革紐をコルセットみたいな感じで通して、カバーを自転車フレームに留めます。革紐は目立たない黒色にしましたが、逆にブラウンでアクセントにしても良かったかもしれないです。

【7】完成

自転車フレームカバー
完成! つやつやした光沢感ある布地に、ラメ入りのゴールドレースや刺繍が映えます。フレームカバーはなくても良いものだけれど、ついていると車体が引き締まるんですよね。いくつか色・デザインの違うものを作っておいて気分によって着せ替えするのも楽しいかもしれません。

オーバーエンジニアリングでもいいじゃない

自転車フレームカバー
「昭和自転車 Vintage Japanese Bicycles」様の「フレーム カバー」の記事で「昭和20年代後半~30年代前半の日本製自転車が好きなのは、必要以上に作られているからです。つまり、オーバーエンジニアリングされています」と書かれています。

全く同感です。オーバーエンジニアリングとは「無駄な付加価値がついているもの」と否定的なニュアンスで使われることが多いですね。現代はApple社製品のように無駄を徹底的に削ぎ落したシンプルでスタイリッシュなデザインが流行しているからでしょう。

私はMac信者なのでそういったデザインも美しいと感じますが、その一方で、無駄であるが故に、愛らしい、楽しい、美しい、面白いとも思うのです。

蒸気夫人
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