あなたのワンちゃんを天才犬に!誰でも簡単にできる、画期的な犬の訓練法をご紹介します。1日10分。犬も喜んで学ぶクリッカートレーニングです。ネコのしつけにも使われていますよ。
シュガーが理解できる言葉
以下はシュガーが理解できる言葉の一覧です。「頭が悪い」「言う事をきかない」などとサイトハウンドはさんざんな言われようですが、効果的な訓練を根気強く行えばしつけもちゃんとできます。
- No(ダメ、直ちにその行為をやめろ)
- Good(いいぞ、その調子)
- Come(こっちへ来い)
- Wait(そこで待て、動くな)
- Sit(おすわり)
- Greetings(握手して、手にキスしろ)
- Down(伏せろ)
- Heel(私のそばについて歩け)
- Jump(ジャンプしろ)
- Up(上に乗れ)
- Off(降りろ、そこをどけ)
- Speak(一声「ワン」と吠えろ)
- House(小屋に入れ)
- Sofa(ソファにのぼれ)
- Bed(自分の寝床に入れ)
- Touch(鼻で私の手にタッチしろ)
- Ready Go(行け)
- Get it(取りに行け、持ってこい)
- Give me(それを私に渡せ)
- Wanna walk?(お散歩行こうか?)
- Wanna eat?(お腹空いた?)
- Slalom(ポールをぬってジグザグに歩け)
- High Touch(片手で私とハイタッチしろ)
※「ハイタッチ」は和製英語。英語ではHigh Fiveと言う。
- Bang!Bang!(銃に撃たれて死んだマネをしろ)
- Light(ライトを手で押してつけろ)
- Dismiss(訓練終わり、解散)
※以下は昔は訓練したけど、今は自主的にやるので必要なくなったり、物理的にできなくなったこと。または勝手に覚えたこと。
- Pee(おしっこしろ)
- Poop(うんちしろ)
- Table(テーブルの中に入れ)
- Scale(体重計に乗れ)
- HAMIGAKI(歯磨きするよ)
- OSANPO(お散歩に行こう)
シュガーのコマンドトレーニング
私は犬の専門家はなく単なる犬好きの一般人です。今回ご紹介するクリッカートレーニングも犬に関する本を200冊以上読んで独学し、試行錯誤しながらやってみました。この記事は「私のような犬のドシロウトでも、簡単なトレーニングでここまでできますよ」という一例になれば幸いです。興味を持たれた方は文末の書籍を参考にしてくださいね。
シュガーのコマンドトレーニング
一応論より証拠。シュガーが命令に従っている様子を動画でどうぞ。「Light(ライトを手で押してつけろ)」だけは教えたばかりででちょっと上手くいかなかったのですが、なかなかの理解力です。命令にいやいや従っている感じではなく、ワクワクしている様子が伝わっているといいのですが。
画期的なトレーニング法「クリッカー」
これはトレーニングに使うクリッカーです。クリッカートレーニングは現在の犬の飼育方法ではスタンダードになりつつあります。イルカの訓練をはじめ、ネコや魚のトレーニングにも応用されています。
音が鳴ればなんでもOK
クリッカーはいろんなデザインのものをペットショップで購入できます。値段は数百円〜千円ぐらいです。中央にボタンがついていて、押すと「カチッ」と音が出ます。クリッカーでなくても、カチカチ芯を出せるボールペンでも、笛でも、カスタネットでも、音が出せればなんでも構いません。
犬が大好きなおやつを
次に必要なものはおやつです。私が使っているのは「おすわりくん」と「ごん太の角切りチーズ」です。どちらも数百円で、ドラッグストアやスーパー、ペットショップなどで売っています。犬の大好物があればそれで結構です。
つまりクリッカートレーニングに用意するものはクリッカーとおやつだけです。
1日10分以内に
一回のトレーニングで用意するおやつは写真ぐらいの量です。1日5分〜10分しかやらないのでこれで十分です。逆にトレーニングを長くやり過ぎてはいけません。犬も飽きてしまうし、飼い主も辛いくなります。ちなみにちゃんとおやつ分のカロリー計算をして、いつもの餌を少なくしてくださいね。
おやつは一飲みにできる大きさに
おすわりくんも角切りチーズもウィペットには大きすぎるので細かく切ります。小型犬ならもっと小さく切ってください。目安は犬が丸飲みにできるぐらいの大きさ。モグモグ噛んでいるぐらいだと大きすぎます。一瞬にして飲み込んでしまうぐらいがベスト。
「LIGHT(ライトのスイッチ)」を教え込む
この記事のために新たにひとつコマンドを増やして、シュガーが学習していく様子を見ていただきましょう。命令は「Light(ライトのスイッチをつけろ)」です。写真は100円ショップに売っていたタッチライトで、上の部分を押すとライトがつき、もう一度押すとライトが消えます。
【第一段階】犬がライトに興味を持つ
第一段階の目標は「ライトに興味を持たせる」です。ライトに近づいたり、匂いを嗅いだり、手で押したり──とにかく犬がライトに興味を持ったら即、クリッカーをカチッと鳴らしてごほうびのおやつを投げます。
「ライトに近づくとカチッと音がして、何だか良いことが起こるぞ」と気づかせるのです。ごほうびは遠くに投げてかまいません。そうすることによって「わざわざライトに近づかねばならない」ことを犬が学びます。
「カチッ!」=「はい、正解!」
どんなコマンドを教える時でも、辛抱強く犬がその動作をするのを待ち、それをしたらすぐに「カチッ」。そしておやつを投げます。この場合クリッカーの「カチッ」は、クイズ番組の「はい、正解!」という司会者の声と同じです。そして正解の声がかかると賞金がもらえる感じ。ただし行動したら即座に「カチッ」と押す必要があります。
【第二段階】犬が手でライトのスイッチを押す
犬がライトをさかんに押したり叩いたり噛んだりするようになったら、次はちゃんと手で押した時のみ「カチッ&ごほうび」。最初犬は「ライトに触ってるのになんでごほうびくれないの?」という顔をしますが、そのうち「手でライトを叩くとごぼうびがもらえるんだ!」と気づきます。
たとえライトが付かなくてもスイッチを手で押したら「カチッ&ごほうび」。しばらくしたら「ライトがついたときのみ」に「カチッ&ごほうび」に切り替えます。
【第三段階】「Light」と「スイッチを押す」行動を結びつける
確実に手でスイッチを叩くようになったら次は「Light(ライト)」というコマンドを入れます。日本語でも英語でも何語でも良いです。犬がスイッチを手で叩いた時、同時に「Light!」と言いつつ「カチッ」。そしてごほうびを投げます。これをひたすら繰り返します。
【第四段階】「Light」と言ったときだけ行動させる
しばらくしたら「Light!」を言ったり言わなかったりします。言わないのにスイッチを押しても「カチッ&ごほうび」はしません。そのうちに「Lightと言ったときに叩けばいいのか」と犬が学びます。
他にもコマンドを覚えている場合には「Light」をそれらのコマンドの中に混ぜ込みます。上手くできたら「カチッ&ごほうび」。そうすることによって「Light=手でスイッチを押すこと」の理解が強化されます。
【第五段階】どんな場所でもできるようにする
Lightを覚えたらいろんな場所で「カチッ&ごほうび」をやってみます。特に家の中のある場所、ある時間でしかできないと困る命令(「Sit(おすわり)」とか)は、トレーニング時間に限らず、思い出したときにちょこちょこやってみると良いですよ。
【第六段階】いろんな人間の命令をきくようにする
自分の命令だけでなく他の人の人にも従ってほしい時は、家族の方やお友達にも協力してもらいましょう。この段階から徐々に「カチッ&ごほうび」はやめて、「いいぞ!」「Good!」と声をかけてやったり、なでてやったりに切り替えます。
そのうち命令を出されると条件反射的に、犬の体が自然に動くようになってくるので、おやつも褒めたりも必要なくなります。
クリッカートレーニング終了!
これでひとつのコマンドの訓練終了です。前回の記事の「犬の偏差値」上位の犬種なら1日〜数日、下位の犬種でも1週間もあれば覚えますよ。ただ、一度覚えても時間が空くと忘れてしまいますので、散歩の時や、ご飯の時など時々コマンドを出してやってください。
【コマンドのコツ1】声のトーンとハンドサイン
命令は犬が分かりやすいように声のトーンを変えるといいです。例えば「Sit(おすわり)」は短くスルドイ声で、「Down(伏せ)」はゆっくりのばして低い声で。
またサイトハウンドのように視覚が発達した犬は手話のようにハンドサインと一緒に命令を与えると理解しやすいです。こうしておくことで、将来犬が年を取って耳が遠くなったときにも命令に従わせることができます。
【コマンドのコツ2】困った行動をする時
吠えたり、噛み付いたり困った行動をする時、怒鳴ったり叩いたりしてはいけません。犬にとって一番こたえるのが、無視されることです。腕を組んでそっぽを向きます。犬が落ち着くまでひたすら無視します。数十秒もすれば「なんかマズイことした?」と気づきますが、全然やめない場合はトレーニングを中止して時間を置きましょう。
あなたの愛犬をお利口さんに
いかがでしたでしょうか? 犬にとってのクリッカートレーニングは、正解すると賞金が出るクイズ番組みたいなものです。5分ぐらいでやめて物足りなさを感じさせるのもポイントです。ぜひあなたの愛犬をお利口さんにしてあげてくださいね。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
おまけ:生後3ヶ月のシュガー
ちなみに、これは生後3ヶ月のシュガーのトレーニングの様子です。子犬でも結構いろんなことできるんですよ。年を取った犬だと覚えが悪いかもしれませんが、のんびり時間をかけて教えればなんとかなるのではないでしょうか。老犬のトレーニングに詳しい方がいらっしゃったらどうぞお教えくださいませ。
追記:2015年01月10日
我が家に二頭目のウィペットがやってきました。ソルト(オス)です。さらに賑やかになりましたよ。