昔から字が下手なのがコンプレックス。そこでボールペン習字本を毎月1冊、1年間で12冊やってみました。すると我ながら結構上達したのです! 今回は字の練習法&手紙の薦めについて。
昔の人はどうして字が上手いのか?
昔の人ってどうしてあんなに字が上手なんでしょうね。明治〜昭和初期ごろの人々の自筆の手紙など見ると、みなさん字がとても上手なのに驚きます。博物館に展示されているような手紙は、当時のインテリゲンチャやエリートのものだから字が上手くても当然──そんなふうに考えていた時期が私にもありました。
小学生でも昔の子供は達筆!
でも戦争系の博物館に行った時、昔の小学生による「戦地の兵隊さんに送った作文集」を見て衝撃を受けたんですよ。みんなびっくりするほど字が上手いのです。小学生なのに大人の字を書いている! 自分の字がすごく恥ずかしいと思いました。

大人になっても自然に上手くはなりません
子どもの頃「大きくなったら自然に大人の人みたいに字が上手くなるんだろう」と思っていました。そんなわけない! 字の上手い人はそれなりに努力しています。
私はかなりのメモ魔なのですが、頭の中の考えを忘れないうちに書かなくちゃとあせって書くクセがあったので、書きなぐりの下手な字のまま大人になってしまいました。

言い訳、カッコ悪い
字が上手くないもので、悪筆ですみません……そんな風に言うのは「字が下手なのは私のせいじゃなくて生まれつきなんですよ」と言い訳してるみたいでカッコ悪いと反省しました。
手紙の末尾に書く「乱文乱筆お許しください」という言葉を、「弁解」でなく「礼儀」として書けるようになりたい。私も昔の人みたいにきれいな字を書きたいと強く思いました。
ボールペン習字を始めよう
そこでボールペン習字を独学で続けることにしました。2008年から毎月1冊、1年で12冊、市販されているボールペン習字の本を買って毎日字の練習をしました。1冊分のページ数を1ヶ月30日で割って、1日4〜6ページ。毎日5分〜10分ほどの字のトレーニングです。
数カ月で劇的に字が変わる
字のトレーニングは毎日、2年間続けました。達筆の人からは笑われてしまうレベルかもしれませんが、それでも数ヶ月で劇的に字が変わりました。今では初対面の方に「字がお上手ですね」と言われるようにも。おせじも入っているのは分かっていますが、少なくとも人前で字を書くことが恥ずかしくなくなりました。
今年もやりますボールペン習字
でもそれで満足してしまってしばらくボールペン習字をしなかったところ、少し元の文字の癖が出るようになってしまいました。やっぱり30年書き続けた癖字を数年で100%変えて維持するのは難しいのでしょう。
だから今年2011年01月からまた毎月1冊のボールペン習字を続けています。継続は力なり。来年は旧仮名遣いや筆文字にも挑戦したいと思います。
朝日記と一緒に10分トレーニング
1日10分でも毎日やるなんて無理──そんな声も聞こえてきそうです。でも字を書くことって意外に楽しいんですよ。毎日少しずつ上達していくのが分かるから続きます。
私は早朝に日記を書いた後に、万年筆で字の練習をしています。指を動かして書くと頭もすっきりして、仕事前の良いウォーミングアップになりますね。

おすすめは万年筆
「ボールペン習字」と言っていますが、ボールペンである必要はありません。鉛筆でもサインペンでもいいんです。個人的には万年筆がお勧めです。万年筆は力の入れ具合によってインクの濃淡が出るため、より文字が上手に見えるからです。大好きな筆記具で書くと心が弾みますね。

手紙を気軽に書けるように
最近は、仕事柄お礼状など手紙を書く機会が増えました。手紙を書くことにおいても字の練習は効果を発揮します。普段から書き慣れているので、手紙を出すのにそれほどプレッシャーがなくなったのです。今はメール全盛ですから手書きの手紙は珍しく、それだけ相手の印象に深く残り、気持ちが伝わりやすいと思います。
切手にもこだわりを
これは切手のファイル。色とりどり、様々なデザインの切手が入っています。せっかくの手紙ですから、ごく普通の切手では味気ないものです。季節によって、相手の趣味に合わせて切手を選んでいます。郵便局に行くついでに、素敵なデザインの記念切手を購入していますよ。
ハンドバッグには万年筆とはがき
ハンドバッグにはいつも万年筆と切手を貼ったはがきを入れています。和風のはがきには和風の切手、花のイラストのはがきには花や鳥の切手を貼ります。初対面の方とお会いして名刺交換をしたら、帰り道の電車でささっと書いて帰り道にポストに投函。すぐにはがきが届くので、ちょっとしたサプライズになります。
一筆箋でもちょこっと手紙
長々と書く必要はありません。相手のお名前、ご挨拶を書いた後「とても楽しかったです。またお会いできる日を楽しみにしています」ぐらいで十分。また手紙だけでなく、本を借りたときや旅行のおみやげを頂いたときなど、ちょこっと一筆箋にお礼を書いてお渡しすると、より感謝の気持ちが伝わると思います。
スチームパンキッシュに手紙を
メールでも良いけれど、お気に入りの筆記具で文字を書くことは心の癒しになります。羽根ペンとインクで手紙をしたため、シーリングワックスで封をする──ここまでやればあなたはかなりのスチームパンカー。まずは1日10分の字の練習から始めてみませんか?【蒸気夫人(マダムスチーム)】

追記:2014年03月14日
シーリングスタンプを手作りしてみました。真鍮エッチングのテクニックを使って、自分のオリジナルスタンプを作ることができますよ。手書きの手紙を書くのがますます楽しくなりました。
