【インタビュー】和装スチームパンクの先駆け!(Natsukoさん)

Natsukoさんインタビュー
和装スチームパンカー・Natsukoさん。和の小物や着物を使った日本独自のファッションを推奨されています。着こなしのコツやスチームパンクに関するお考えをお聞きました。

有名スチームパンカー・Natsukoさん

日本のスチームパンク界でNatsukoさんのことを知らない方はいらっしゃらないでしょう。国内だけでなく海外のニュースサイトでもお写真が掲載される有名スチームパンカーです。着物や和装小物をふんだんに使った装いは、ジャパニーズスチームパンクファッションの先駆け。京都スチームパンク初心者の館の主催・京都幻想蒸気社中のメンバーのお一人でもあります。

Natsukoさんインタビュー

この記事に掲載させていただいたお写真の撮影者はこちらです。(順不同)
りおるさん(@tokigakera
雷さん(@raihanamaru923
とげなしさん(@TgNothingTgTg
神威さん(@gamadaruma
ぐんちょさん(@lanca_venere
縹渺さん(@hyoubyou

読者の皆さんに簡単な自己紹介をお願い致します。

Natsukoさんインタビュー

着物や日本の文化的要素とスチームパンクファッションが融合できないかと模索の日々。最近は、マダムスチームがブログで書かれた『19世紀末に起った芸術ムーブメント・ジャポニズムが21世紀にもまた新たな「ネオ・ジャポニズム」となって流行したらすごくワクワクしませんか?』という言葉を繰り返し妄想する日々を送っています。

3つのキーワードだけで分かる! スチームパンク時代のデザイン史
19世紀末〜20世紀初頭のアート&デザイン史を学んでみませんか。とりあえず覚えるのはたったの3ワードだけ。アーツ・アンド・クラフツ運動、アール・ヌーヴォー、ジャポニズムです。

2012年 自分が好きだった世界観にスチームパンクというジャンル名があることを知り、好きが急加速! インターネットを中心にスチームパンクについて調べ・眺める日々をすごす。
2013年 スチームパンクファッションを本格的に開始する。友人の「ブログを書くべきです・写真を撮るべきです」との言葉に後押しされ、文章・写真での表現を開始する。この言葉のおかげでたくさんのご縁を頂きました。本当にどれほど感謝してもしきれません。
2015年 スチームパンク・ファンタジー好きのエスタと出会い
京都発体感・交流型スチームパンクイベント スチームパンク初心者の館」を企画・運営する。

関西スチームパンカーの底力・スチームパンク初心者の館 Level2に参加しました!
京都で2015年11月1日に開催されたスチームパンク初心者の館Level2は、大盛況のうちに幕を下ろしました。レポートと若きスチームパンカーにお伝えしたいことを書きました。
ポルカで踊ろう・スチームパンク初心者の館3 in 京都に参加しました!
2016年02月27日に京都で開催されたスチームパンク初心者の館3は東京からのゲストも加わり大盛況となりました。旅を奏でる楽団カーバンクルのポルカで盛り上がりましたよ。

2016年 エスタと「京都幻想蒸気社中」というユニットを組み、関西を中心にさらなるスチームパンクイベントの企画・運営を画策中。

どんな関係のお仕事をなさっているんでしょうか?

Natsukoさんインタビュー

医療従事者として働いています。

スチームパンクの他にご趣味、現在はまっているものはありますか?

Natsukoさんインタビュー

社会人になってから今もなお着物に傾倒しています。

ご家族やご友人のスチームパンク趣味に対する反応はいかがでしょうか?

Natsukoさんインタビュー

理解してくれる友人、理解が得られない友人はいますが概ね友好的に受け入れてもらっているように感じます。主人はスチームパンクに全く興味がなく、イベントや活動を共にしてくれることはありませんが、私の思いや行動を止めることなく見守ってくれている状況です。

和装スチームパンクファッションを目指したい方にぜひアドバイスを。まずは何から揃えたらよいでしょうか?

Natsukoさんインタビュー

写真はNatsukoさんにコーディネートしていただいたもの。若いお嬢さんを意識したかわいい感じのイメージです。

羽織とスカートをあわせたスタイルがコーディネートしやすくおススメです。幅広のゴムベルトやコルセットを使用すると、和洋折衷スタイルも簡単に挑戦できます。
もしご親族に着物がお好きな方がいらっしゃったら、もう着なくなった羽織や着物がないか聞かれるのもいいかと思います。思わぬご縁があるかもしれません。しかしベルトやコルセットを使用する着付けは、紐や帯を使った時よりも、羽織や着物を傷めやすいので十分ご留意ください。
また着物も腰紐等を使用することで、ミニ・ロングと長さ調節ができ、色々なコーディネートができますのでぜひ挑戦されてみてください。

Natsukoさんのスチームパンクの装いのインスピレーションの源は何でしょう?

Natsukoさんインタビュー

映画や漫画・アニメに絵画など様々な事柄から影響を受けていると思いますが、私の中ではずっと好きだった着物で培った感覚が根底にあるように思います。季節やおもむく場所、訪れる・参加する意義、迎え入れてくださるホストの趣向などが装いを決める際のインスピレーションや重要な部分を占めています。

ファッション、メイクで最も力を入れている部分はどこですか?

Natsukoさんインタビュー

メイクも重要なポイントとして力を入れていますが、同じぐらいヘアーアレンジも大切にしています。ですが大雑把な性格なので、ヘアーアレンジはその時の思い付きや感覚で作っていく部分が大きく再現性がありません。
上手にできた以前のヘアーアレンジをもう一度したいのにできず、四苦八苦する事が多々あります。特に後頭部などは合わせ鏡などあまり使用せず、手の感覚だけでアレンジすることが多いので、もしおかしい時はこっそりと教えて頂けると、とてもうれしいです。

写真撮影の際に心がけていること、上手な被写体となるために努力されている部分はありますか?

Natsukoさんインタビュー

その瞬間を切り撮る為に情熱を傾けて下さる、フォトグラファーさんへの感謝の思いと尊敬がなにより大切だと思っています。撮影中はもちろんですが、その後の写真整理やデーターの受け渡し、またその撮影技術や感性・才能を磨くために使った時間など、撮影にはフォトグラファーさんの多くの時間を頂きます。
パソコンやスマートフォンが生活に欠かせない現代では、首が前に出た前傾姿勢や前寄り重心で体を支えることが多いそうですが、被写体となる場合は、肩甲骨を意識してしっかり胸を開き、重心を骨盤・足底の中央~踵寄りになるよう意識しています。雑誌やインターネットでモデルさんの素敵なポーズなどを見て勉強しています。
そしてなにより写真を撮ることが決まったら、前夜の睡眠を十分とり、撮影前はできるだけストレッチをするように心がけています。

一番のお気に入りのアクセサリー、グッズをご紹介ください。

Natsukoさんインタビュー

写真はNatsukoさん撮影の自作のネックレスとピアスです。歯車をふんだんに使いながらシックな雰囲気で素敵ですね。

自分で作ったネックレスとピアスがお気に入りです。最近はネックレスに友人がプレゼントしてくれたパーツを合わせて使用することが多いです。

現在制作中、構想中のものはありますか?

Natsukoさんインタビュー

Twitterやブログ・インターネット上に写真を用いた表現をすることが多いので、どうしても写真映えを意識した装いを表出することが多いのですが、これから可能であればカジュアルなスチームパンクスタイルも少しずつ表出できればと考えています。

スチームパンクをお好きになったのはいつごろですか? またそのきっかけは?

Natsukoさんインタビュー

小学生の頃にはアンティークな映画や作品が好きだったので、きっとこの頃にはスチームパンクを愛する種がもう蒔かれていたのだと思います。
アンティークSFではなく、アンティークファンタジーかもしれませんが『ラビリンス 魔王の迷宮』や『ふしぎの海のナディア』、『風の谷のナウシカ 漫画版』などが私のスチームパンクを好きになるきっかけだと思います。

Natsukoさんのスチームパンクの定義(イメージ、方向性など)は何でしょうか?

Natsukoさんインタビュー

サイエンス・フィクション(Science Ficino、SF)の1ジャンル、アンティークSFとも表現さるスチームパンク。
アンティーク・スチームの根幹となるのは、19世紀の産業革命時代の文化様式だといわれていますが、それは欧米諸国だけでなく同時期の中東やアジアなど様々な世界観・文化を含むものであり、SFであるからには過去・現在・未来と様々な時間軸を有するものだと考えています。
「もしかしたら起こりえたかもしれない未来」、世界観や表現は多種多様、愛好家の数だけあるのかもしれません。私としては日本的な文化や様式と融合した世界観に惹かれます。
また自分がしたい表現(私の場合はファッションである事が多いのですが)に必要な物がない場合、その状態を打破する反骨精神、パンクなDIY精神も大切な部分であり、私はこの自分の表現を切り開くことを後押ししてくれる「パンク」の部分を大変好ましいと思っています。

日本におけるスチームパンクのムーブメントについて思うことはありますか?

Natsukoさんインタビュー

流行ではなく、文化として定着して欲しいと強く思います。私はスチームパンクを装う事として楽しむ事が多いのですが、装う、つくる、かく、きく、みるなど楽しみ方は多種多様。また「もしかしたら起こりえたかもしれない未来」その世界観や表現も千差万別。
カテゴライズや定義づけはとても困難だと思いますので、自分では考えられなかった表現や世界観に出会えたら、「そんな世界観も起こりえたかもしれない」とおおらかに楽しめたら、さらに世界は広がり、日本独自のスチームパンクスタイルに発展できるのではないかと妄想しています。

今後どのような活動、プロジェクトを予定されていますか?

Natsukoさんインタビュー

2016年11月6日には幻想蒸気社中が企画する「スチームパンク初心者の館その5」が開館となります。これもひとえに来館者様、ご協力くださる皆様のおかげです、本当にありがとうございます。来館予約頂いた皆様やご協力頂くアーティスト・作家人、パワーアップしたあのケルチックバンドなど今回も楽しい時間となること間違いなしです!!
今後は体感・交流だけでなく、即売会にも焦点を当てたイベントや京都・日本らしさとコラボレーションした企画などを実現できたらと思っています。

最後に読者のみなさんへメッセージがありましたらぜひ☆

Natsukoさんインタビュー

日本ではつい最近知名度を得たスチームパンクですが、1987年にアメリカのSF作家K・W・ジーターが「スチームパンク」という造語を生み出してからの歴史と歩みがあります。
スチームパンクに興味を持たれた方は、ネット検索、カタカナだけでなくぜひ「Steampunk」とアルファベットでも検索したり、関連の書籍も読まれてみてください、とっても刺激的な世界が広がっています。
最後に私事であり恐縮なのですが、私はお名前とお顔を一致させるのに、とても時間を必要とする残念な人間ですので、優しく何度も自己紹介して頂けるとうれしいです。
文字で気持ちを表現することがとても苦手な私のつたない文章にお付き合い頂き本当にありがとうございました。

メールインタビューを終えて

Natsukoさんインタビュー

写真は2015年02月07日に東京ラフォーレ原宿で行われた、スチームガーデン9『明治デモクラシー』にてNatsukoさんと。

Natsukoさんの美しいお写真とともにお送りしましたメールインタビュー。眼福の一時でした。日本のスチームパンクファッションにおいて、Natsukoさんが与えた影響はとても大きいと思います。きっと「自分も和装スチームパンクをやってみたい!」と思っている方も多いことでしょう。Natsukoさんはイベントでもたくさんの人に話しかけ、気配りされ、さりげなくゴミを拾うなど、優しく奥ゆかしい大和撫子ですよ。

今回のインタビューはファッションのコツ、写真撮影における心構えなど初心者の方にとっても大きな助けになったのではと思います。アドバイス、おすすめ作品、そしてスチームパンクに関する深い考察などお答え下さり心より感謝いたします。Natsukoさんありがとうございました!【蒸気夫人(マダムスチーム)】

スチームガーデン8 「明治デモクラシー」in 原宿に参加しました!
2015年02月07日東京ラフォーレ原宿にて日本最大のスチームパンクイベント・スチームガーデン8「明治デモクラシー」が開催されました。たくさんの写真とともにレポートします。

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