2017年04月01日と02日の二日間、東京渋谷のラフォーレ原宿にて、スチームガーデン11が開催されました。今回のテーマは和装が織り成すディーゼルパンクの世界です。
20世紀初頭のディーゼルパンク時代へ!
日本最大のスチームパンクイベント・スチームガーデンももう5周年。いつもは19世紀末のスチームパンクをテーマにしていますが、今回の舞台は20世紀初頭のディーゼルパンク世界です。
20年の歳月をかけ蒸気戦争はようやく終結を迎えました。我々時間旅行者も親交条約会議前夜の祭典に足を運んだのですが──何やらまた事件のようですよ?
開場を待ちわびるたくさんの時間旅行者
会場となったのはスチームガーデン8「明治デモクラシー」が開催された、東京渋谷区のラフォーレ原宿・ラフォーレミュージアムです。
階段には開場を待ちわびる皆様がずらり! おや、関西を中心にスチームパンク初心者の館などで活躍されているカーバンクル御一行様もいらっしゃいましたよ!
両日とも作家さんの作品ブースがずらり
今回もたくさんの作家の皆様が出展・出店されました。1日目、2日目合わせて70ブース以上が会場の並びました。両日ブースを出されている作家さんもいらっしゃいますが、すごい数ですよね。どのブースもディスプレイが個性的で、綺羅びやかな作品に目を惹かれます。
寿喜堂さん&赤猫家さんのブース
全店舗をご紹介できないのが恐縮ですが、お話をさせていただいた作家さんをご紹介します。
こちらは手まりかんざし・和小物の寿喜堂さんと、つまみ細工アクセサリーの赤猫家さんの共同ブース。色合いの妙、精巧な作り──ため息が出るほどうっとりする作品です。和装スチームパンクにもぴったりですよ。
凛花〜りんか〜さんのブース
フリーハンドで作られたというこれらのイヤーフックは、まるでファンタジー映画に登場するエルフがつけているようなアクセサリーですね。こちらは凜花〜りんか〜さんのブース。最近はブライダルで花嫁さんもお使いになっているとか。ウェディングドレスに負けないインパクトのある造形です。
Kinetickaさんのブース
Kinetickaさんはその名(kinetic:動的な)から連想されるように動く歯車のマシンを作られています。プラモデル造形の腕を生かして、購入者が自由に塗装できるキットも販売されています。意外な仕掛けのある鍵のアクセサリーには思わず声をあげてしまいました。ワンダーに溢れた作品です。
ベルリン市長・エスタ・フォン・デルベルク
いつもスチームガーデンでは、観客参加型の謎解きゲームが開催されます。こちらはベルリン市長エスタ・フォン・デルベルク。あれ? どこかで見たことがあるような……。しかも1日目と2日目ではまるで別人! いったい彼に何が起ったのでしょう?
オープニングで謎解きの説明
2日間開催だけあってたくさんの登場人物が舞台に現れます。タイムマシンが故障? ニコラ・テスラの陰謀? エスタ市長の妹Aliceさんにグレイ博士、ケニー船長、哲学者ルーク──混乱しそうな状況を四菱&スミス財団のユト・クヲウさんが見事に説明します。
謎解きに挑戦する時間旅行者
会場の片隅に作られたブースにはドイツ語で書かれた新聞、クラシカルな小物も置かれています。謎解き用の書類をここで手に入れ、時間旅行者は会場を回りながら聞き込みをして謎に挑戦します。テスラ博士とグレイ博士はあちこちで何やら秘密の相談をしている様子ですよ。
ケニー船長の蒸気DJブース
ケニー船長によるDJブースは蒸気を吹き上げる度に歓声があがります。まさにスチームパンク! DJ Yoshidaさん、Ray Trakさん、Nemo船長、ケニー船長が代わる代わるこのスチームパンクブースに立って、DJの妙技を披露されます。さあ、ダンスタイムです!
恒例のダンスタイム!
音楽が会場に鳴り響くと舞台前に人が集まってきて踊り始めました。「ダンスは苦手で……」と遠巻きにしていた方たちも、仲間に手を取られると次第に一緒に身体を揺らし始めます。上手か下手かなんてどうでも良いではありませんか! 床に装備品が落ちる度にみんなで拾って持ち主を探す、毎度お約束の光景も見られました。
Aya Mermaidさん
用意した名刺100枚が2日間でほとんどなくなってしまうほど、たくさんの方とお話させていただきました。中でも素敵なファッションをされていた方をご紹介しましょう。
こちらはAya Mermaidさん。白と黒のドレスに真紅のアクセントが効いてますね。現役のバーレスクダンサーさんで、私が以前参加していたサンバチームでも踊っていらっしゃったことを知り、意外なご縁にびっくりしました。
ヴァルトさん
いつもパイレーツ姿が印象的なヴァルトさんは、1日目はこんなミリタリースタイルをされていました。何と言っても帽子にご注目。七色に光るランプが灯っているではありませんか。このランプつきの帽子はヴァルトさんの手作りなんですよ。このアイデアにまさに脱帽です。
Natsukoさん
ディーゼルパンクということで黒っぽい服装の方々が多い中、ひときわ注目を集めていた白い天女! 和装スチームパンクファッションで知られるNatsukoさんです。この羽衣のアイデアは当日売り子をされていたブースのkemuri装飾店・あきさんからとか。またNatsukoさんは会場を飾るトルソーのコーディネートも担当されました。
ついでに五十嵐麻理
この流れで写真を載せるのは恐縮ですが、私五十嵐麻理の服装です。1日目は紳士の午前中の礼装・モーニング、2日目は夕方から夜にかけての礼装・イブニングです。イブニングは黒留袖を解体して縫いました。
おかしいなあ。蒸気戦争の親交条約会議の調印式に出席するはずだったのだけど、会場を間違えたかしら?
ヒヨコさんと若鳩さんの大道芸
舞台上でそして会場のあちこちで大道芸を披露してくださった、ヒヨコさんと若鳩(じゃっく)さんです。ヒヨコさんにはジャグリングしている間にいつの間にか全面がそろっているルービックキューブ芸を間近で見せて頂きましたが、ただただ驚嘆するばかり。
超ロングな脚長さんの若鳩さんはたくさんの方にハイタッチされて会場の人気者でしたね。なんとこの脚でダンスも一緒になって踊られてましたよ。すごいバランス感覚!
篠笛・書道・ダンスのパフォーマンス
会場の外も舞台に早変わり。紅桜ゆとさんの篠笛はまるでハーメルンの笛吹き。たくさんの人を引き連れたその先では偉伝或~IDEAL~の馬場梨恵子さんのダンスと書道家・美帆さんのパフォーマンスが注目を集めていました。その美しさに拍手喝采。
楽器に早変わりするhandmanoさんのブース
一方出展ブースでは作家でありミュージシャンでもあるhandmanoさんの周りに人だかりができていました。作品が飾られたこのブース、実は手作りの楽器でもあるのです。プロパーカッショニストhandmanoさんの演奏がこんなところでも聴けるなんて贅沢すぎますね。
HARUKArma[ハルカ]さんと佐藤真也さんのステージ
しっとりしたハスキーボイスの美女・HARUKArma[ハルカ]さんと佐藤真也さんのピアノによるステージです。大人のジャズに会場からため息が漏れました。プロフィールを拝見すると佐藤さんは「狂犬ピアニスト」の異名をとるなんて書かれてましたよ。でもバークリー音楽院卒の素晴らしい腕前です。
東京カンカンリズムの演奏
そして大トリの東京カンカンリズムのみなさん。戦前歌謡曲や戦前スウィングなど和洋折衷なテイストで、旧き良き時代の音楽を陽気に演奏されました。衣装も戦前そのままのイカすレトロファッションです。杉山慶太さんによる「アレ」連発のユニークなMCに会場も爆笑。
大いに盛り上がる大トリのステージ
アレンジされたジャズの名曲からオリジナル楽曲まで実にユーモラスです。彼らの音楽を聞いてじっとしているなんて難しいでしょう。皆さん肩を揺らしたり手拍子したりで大いに盛り上がりました。もともと戦前の歌手・川畑文子が大好きなので、すっかり彼らのファンになってしまいました。
謎解きの解答編と閉会式
楽しかった2日間の宴もそろそろお開き。舞台の上では謎解きゲームの解決編が始まりました。名探偵の皆様の活躍で、ニコラ・テスラ博士の陰謀は打ち砕かれ、タイムマシンも無事修理されて大団円となりました。最後はみんなで拳を振り上げてテーマソングを高らかに歌います。
お会い出来てとても嬉しかったです
2日間の長丁場、両日参加された方も、どちらか1日だけ参加の方も大いに満足されたのではないでしょうか。出口で見送った皆様のお顔は晴れやかに輝いていましたよ。
ぼっち参加だった私に勇気を出して声をかけて下さったあなたに感謝します。お話できてとても楽しかったです。遠慮されていたあなたは、次回こそはおしゃべりしましょうね。
東京発明者協会の二人に盛大な拍手を
こんな素敵なイベントを開催された、東京発明者協会・ケニークリエイション船長と哲学者ルーク・ケイオスに盛大な拍手を。次はいったいどんな冒険が待ち受けているのでしょうか。時間旅行者の皆様、次のスチームガーデンにもぜひ足を運んでくださいね。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
- 名称:スチームガーデン11・戦場に舞う花 / 未来への産声
- 日時:2017年04月01日(土)14時~19時
- :2017年04月02日(日)13時~18時
- 場所:ラフォーレ原宿・ラフォーレミュージアム
- 150-0021 東京都渋谷区神宮前1丁目11-6
- 入場料:前売り3600円(当日3800円)両日6500円(前売りのみ)