燕尾服に欠かせない帽子・トップハット。スチームパンカーなら一つ、二つお持ちではないですか? 着せ替えできるトップハットカバーの作り方です。水引のコサージュもアレンジしました。
古き良き時代。全ての時代は古くなると良くなるもの
正礼装に合わせる帽子は?
正礼装に合わせる帽子はトップハットです。 燕尾服と言っても午前の礼装のモーニングにはウールの黒または淡いグレーのトップハット、夕刻からのイブニングコートには、毛皮やシルク素材のトップハット(つまりシルクハット)を合わせる決まりがあります。つまり夕方から夜にかけては光沢のある素材でないといけないんですね。
夜の正装・燕尾服には光沢のあるトップハットを
でも私が持っているのは黒フェルトのトップハット、午前の礼装用のグレートップハット、自作のはりこトップハットの3つで、夜用の光り物のトップハットを持っていません。でもトップハットはかさばるし置き場所はいっぱい……。そこでトップハットカバーを作ることにしました。


フェルトトップハットの成形の仕方
フェルトトップハットのつばのソリが甘くなってきたので最初に直しておきます。
【1】蒸気を当てる
【2】アイロン用糊付けキーピングをスプレー
【3】好きな形に整えて養生テープやマスキングテープで固定 一晩おく
この方法は以前記事に書きましたので参考にしてみてください。

【1】型紙作り1
型紙を作ります。立体物の型紙を作る時はまずラップで覆い、ガムテープを巻きつけて油性マジックでカットする場所に印をつけます。そしてハサミで切り開けば平面の型紙が得られます。
【2】型紙作り2
切り開いたガムテープの型紙を元にハトロン紙などに清書して正確な型紙を作ります。合わせる場所をアルファベットなどで書き込んでおくと分かりやすいですね。
【3】生地をカットする
ジャパニーズスチームパンクスタイルにするために、燕尾服に使う黒留袖の余った部分を使うことにします。絵柄が上手く合うように型紙を置きながら配置を考えます。表布、裏地、接着芯(補強用)を型紙通りにカットします。
【4】縫い合わせ・ハトメ打ち
型紙の合わせ図を見ながらミシンで縫い合わせます。後ろを編み上げスタイルにすることにしたので、程よい位置にハトメ穴をあけて、ハトメ打ちをします。今回はシルバーのハトメを使いました。
【5】リボンの編み上げ
コルセットベストと同じグレーのリボンを通しました。帽子に合わせてしっかりと編み上げていきます。
【6】 クラウン部分を縫う
帽子の天の部分の柄合わせに気をつけながら、クラウン部分を縫い付けます。これでトップハットカバーができました。リボンを解けば簡単にトップハットの着せ替えができますね。つやつやとした夜用のトップハットに早変わり!
フェルトのブリムが気になる……
でもブリム(つば)部分が気になります。ここもできればツヤツヤとした光沢感がほしいのですが、フェルトでできているのでどうもイメージにありません。
【7】ベロアをカットする
そこでベロア生地を縫い付けることにしました。スベリ(帽子の内側の革や布でできたベルト)を取り外します。そしてブリム部分にベロアをかぶせて、ぐるりとまち針を打ちます。
【8】ベロアをブリムに縫い付ける
そして下地のフェルトをすくうようにしてベロア生地を縫い止めていきます。
【9】スベリやラベルを縫い付ける
元通りにスベリやラベルを縫い付けます。これでつやつやのブリムになりましたよ。
【10】ご祝儀袋の水引をブローチ台に接着
和風らしさを出すために、文具店で美しい水引(みずひき)のついたご祝儀袋を集めてみました。布が鶴の柄なので、紅白と金で作られた鶴の水引がぴったりです。これらの水引を組み合わせてホットボンドでブローチ台に接着します。
【11】完成!
リボンに水引の鶴をとまらせてみました。完成です! 水引は自分で作ることもできます。様々なハウツー本がありますので、ぜひ書店の手芸コーナーで探してみてくださいね。
着せ替えパーツでトップハットをオシャレに
トップハットは大きくてかさばるので収納に困っている人もいらっしゃるかもしれませんね。でもこのような着せ替えパーツや取り外しのできるコサージュがあれば、一つのトップハットでもかなり印象がかわります。お好きな布でハットパーツを作ってみませんか?【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- ラップ
- ガムテープ
- 油性マジック
- 表用生地(ここでは黒留袖)
- 裏地
- 接着芯
- 水引
- ホットボンド(グルーガン)
- ブローチ台
- 裁縫道具一式