昭和レトロワンピースを着てみませんか? 『ソレイユ』や『ジュニアそれいゆ』の著作で知られる中原淳一先生的なファッションです。レトロワンピースの特徴や注意点などについても。
ヤフオクなどでも入手できるレトロワンピース
私が昭和レトロ自転車シリーズの最終回で着ていたものは当時のアンティークワンピースです。お母様、お祖母様のお召しになっていたものが残っているという方はラッキーですが、残念ながら家にはないという方は、オークションサイトで(数百円~数千円程度)で手に入れることができます。

夏だけ昭和時代
レトロ自転車の改造に合わせて現代風な(それでも50年前~40年ほど前のものですが)昭和レトロワンピースをいくつか入手しました。どれも1000円前後でしたが状態も着心地も良く、夏の時期に愛用しています。ロングスカートなどヴィクトリアンスチームパンクファッションは夏にはちょっと辛いですものね。
昭和レトロワンピースって?
昭和レトロワンピースとはいったいどんなモノなんでしょう? いろんな色、生地、デザインがありますから定義も難しいのですが、ひとつの指針となるのが中原淳一(1913~1983)先生の描くファッションではないでしょうか。Googleの画像検索をご覧ください。あなたもどこかでご覧になったことがあるでしょう。
『それいゆ』創刊
中原淳一先生が終戦直後の荒廃した日本を嘆き、女性のライフスタイルの向上を目指して1946年に発行した雑誌『ソレイユ』(のちに『それいゆ』)。ぱっちりした目、ほっそりした手足の女の子が、華やかなファッションに身を包んで紙面を埋め尽くしています。『ソレイユ』は当時の少女たちの憧れの雑誌でした。
中学生の時出会った『ジュニアそれいゆ』
私が中学生の時通っていた図書館に、復刻版の『ジュニアそれいゆ』がありました。昭和30年代のスタアたちが中原淳一デザインのドレスを着ているグラビア、可憐なイラストによるヨーロッパの童話、美しく暮らすための生活指南──素晴らしい雑誌でした。
『ジュニアそれいゆ』にはブラウスやワンピースなどのパターン(型紙)が載っていました。「浅丘ルリ子ちゃんと同じお洋服が着たい!」という少女は生地屋さんで布を買って作ることもできたのです。実際私も美空ひばりちゃんのフレアスカートを作ったりしましたよ。
昭和レトロワンピースの特徴
独断と偏見で昭和レトロワンピースを語るならば、以下の3つの特徴が挙げられると思います。
(1)衿つき・前開き
(2)共布(ワンピース本体と同じ布)のベルト
(3)膝下~ふくらはぎ丈
ちなみに記事最初と上の写真で、私は大変恥ずかしいポーズをとっていますが、これは当時のファッショングラビアのポーズを真似ているのです。
昔の写真では一般人でもかなりカッコつけたモデル立ちして写っています(実家暮らしの方はご家族の昔のアルバムをご覧になってください)。それだけカメラが貴重品で写真撮影がイベントだった時代なんでしょうね。
柄が面白いレトロワンピース
昔のワンピースは面白い生地を使っていることが多いです。着物の文化がまだしっかり残っていたからでしょうか、大胆な色使いや模様に目を惹かれます。これはピラミッドやスフィンクスなどのエジプト模様です。
それに職人さんがきちんと丁寧に縫っているんですよね。ボタン一個一個も、機械でなく人の手で縫いつけられています。大量生産にはない良さを感じられますね。
注意点1:もろさ
昭和30年前後のレトロワンピースを着る上でいくつか注意点があります。第一はモロイことです。
50年も前の洋服ですから保存状態によって生地が弱っていることがあります。クリーニングに出すのが一番ですが、自宅で洗う場合は洗濯表示をよく見て、ドライ用の洗剤+洗濯機のドライモードをおすすめします。
金属ボタンのサビに注意
また昔の洋服は高価な美しいボタンが使ってあることも多いですが、金属ボタンはこの写真のようにサビが浮いてしまっているものもありますので、付け替える必要があるかもしれません。
注意点2:サイズ
第二の注意点はサイズです。
昔の人は小柄です。それに現代の人と、胸の大きさ、腰の位置、足の長さなど、スタイルがかなり違います。例えば普段7号のサイズを着ている方が、試着せずにアンティークの7号ワンピースを買うとパツパツになってしまうこともあります。私は平均的な体型ですが、やや大きめのサイズを選んでちょうどぴったりでした。
注意点3:スカート丈
第三の注意点はスカート丈です。
これは好き好きなので要注意ではありませんが、昭和30年代ワンピースはスカート丈が中途半端な位置にあります。膝下、ふくらはぎぐらいの長さが流行だったからでしょうか。昭和40年代に入るとツイッギー来日でミニスカ時代に突入しますから、丈の中途半端な長さが昭和レトロワンピースの大きな特徴の一つでもあります。しかしふくらはき丈というのは最も足が太く見える危険な長さです。
縫い直してみました
あくまでも昭和レトロな雰囲気にこだわるあなたはそのままの丈で。もうちょっと現代に即したファッションにしたいあなたは、ちょうど良い丈に縫い直してみてはいかがでしょう。私も長すぎるワンピースは自分で直してみました
余った布で小物作り
カットして余った布は捨てないでくださいね。中原淳一先生も「洋裁で余った布で小物を作りましょう」と『ジュニアそれいゆ』でおっしゃっていました。夏用の手袋と、カチューシャに布を縫いつけて、ワンピースとおそろいにしてみましたよ。
ベルト・スカーフ・手袋
昭和レトロファッションに欠かせない小物として、ベルト、スカーフ、手袋があります。特に共布で作られたベルトや手袋はかなり昭和レトロに見えますね。昔のお嬢さんは自分で洋服を縫うことが多かったからなんでしょう。余った布もきっちり使わねばもったいないですものね。
昭和的キメポーズで撮影
ぜひ昭和レトロファッションを楽しんで、街を闊歩してみてくださいね。記念撮影では恥ずかしさを吹き飛ばして、思いっきり昭和的キメポーズで写りましょう。次回は引き続き昭和レトロ写真について。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
