メイド服はメイドにとっての戦闘服です。家事をやる気も湧いてくる、実用的なUSAKOの洋裁工房・うさこさんの手作りエプロンをご紹介します。誰でも簡単にエプロンが縫えますよ。
以下の記事を読む前にはぜひこれらの記事をまずご覧になると、より実践的なメイドエプロンについて分かりやすいかもしれません。


USAKOの洋裁工房さんのエプロン
理想のエプロンは人それぞれです。市販のものからまさにピッタリのエプロンを探すのは難しいですよね。でも自分で作るのなら大きさも、布の材質も、色も思いのまま。金額的にもリーズナブルです。ただ型紙を自分で書くのはちょっと難しい──という方に便利な素敵なサイトをご紹介しましょう。
USAKOの洋裁工房さんのエプロン
手作り服の作り方と型紙USAKOの洋裁工房さんは普通の婦人服、子供服だけでなく、コスプレ用衣装、ドール服などの型紙まで掲載されているサイト。以前ナイトキャップを作った記事を書きましたが、これもUSAKOの洋裁工房さんの無料の型紙をダウンロードして作りました。

【1】型紙作り
USAKOの洋裁工房さんのエプロンドレスの型紙は、私が理想としていたエプロンそのものでした。フリルの大きさ、前掛けの長さ、背中側のデザインなど自由にカスタマイズできます。早速有料の型紙をダウンロードして型紙を印刷しました。切り抜いた型紙を並べて必要な布の長さを測ります。
【2】布など材料を購入する
布はTCブロードを購入しました。テトロン(ポリエステルのこと)のTとコットンのCでTCです。光沢があって手触りが良いのと、手入れが楽な生地です。TCブロードは綿100%に比べると、乾きやすく、乾いたあともシワになりにくい性質があります。エプロンはすぐに汚れるものなので、洗濯が楽でアイロンいらずのTCブロードがぴったり。縮むことを考えて布は一度洗って乾かしておきます。
【3】布のカッティング
型紙のどのパーツが何枚いるのか確認し、布の向きや裏表をチェックします。型紙を布に置いて切り抜きます。布のカッティングはハサミよりもロータリーカッターが向いています。布を浮かせないので型紙どおり正確に切り抜くことができますし、直線も定規を使えば一気にカットできますよ。
【4】接着芯をつける
型紙で指定された位置に接着芯を貼ります。接着芯はアイロンをかけると縮むことがあるので、大きめに切り抜いてアイロンをあてた後に余分な部分を切り離します。
【5】ほつれ止め、ダーツ、肩を縫う
裁断したパーツの端にほつれ止めをかけます。私はロックミシンを持っていないからジグザグ縫いで代用。胸の部分にはダーツを入れます。縫い終わった後にダーツをアイロンで倒します。前身頃は脇の方へ、後身頃は真ん中に向けて倒します。前身頃と後身頃は方の部分を縫ってつなげます。
【6】フリルを縫う(フリルの裏ワザ1)
次にフリルのギャザーを作ります。ギャザーは手縫いで運針をして糸をひっぱるというやり方が一般的ですが、長いフリルを作るときには手縫いはかなり面倒。そこで私がやっているフリル作りの裏技をご紹介します。
まず5ミリほど布の端を縫って返し縫いします(糸が抜けないようにするため)。針の目を一番大きくなるようダイヤルを回し、糸調子ダイヤルを0にして上糸を弱くします。ダイヤルはミシンによって表記方法が変わりますが、とにかく下糸の方が強く、上糸の方が弱い状態にしてください。
フリルの裏ワザ2
あとはピンと張っている下糸をぐーっと引いていくと、簡単にギャザーを寄せることができます。手縫いよりもはるかに簡単。ギャザーも美しく、時間の短縮になります。
なお長いフリルを縫うときには、30センチ〜50センチ間隔で一度糸を切り、そこからまた同じ手順で別に縫うようにします。長い糸を引っ張っていると途中で切れてしまうことがあるので、短めの間隔にするとギャザーを寄せやすいですよ。
【7】袖ぐりにフリルをつける
そうやって作ったフリルを見頃の袖ぐりにミシンで縫い付けます。裏側の生地を重ねて、フリルを縫ってしまわないように赤い線の部分を縫います。縫った部分の縫い代には1センチ間隔ぐらいで切り込みを入れます。切れ込みがないと表に返した時にひきつれができてしまいますよ。
【8】表に返し、縫い代を割る、脇を縫う
表に返しました。縫ったところと裾の縫い代にアイロンをかけて縫い代を割ります。脇の部分を中表に重ねて縫います。
【9】ベルトを見頃につける
ベルトを見頃に縫い付けます。これで上半身ができました。
【10】前掛けにフリルをつける
次は下半身の前掛け部分。裾にぐるりとギャザーを寄せたフリルを縫いつけます。フリルが長くて大変に思えますが、裏ワザのミシンギャザーで作れば簡単、簡単。縫った縫い代はほつれ止めのためのジグザグ縫いをします。
【11】ポケットを縫う
ポケットを作ります。厚紙を出来上がりの大きさに切ります。それをガイドにしてポケットのパーツの布に重ねてアイロンで縫い代を倒します。ポケットを前掛けパーツに縫います。その際、ポケット口を写真のように三角形に縫っておくと糸がほどけにくくて丈夫になります。
【12】前掛けと見頃を縫い合わせる
前掛けと、上半身をつなぎあわせて縫います。その際に──ここは私独自のカスタマイズですが──活動量計(万歩計)や、視覚支援カード、鍵、ストップウォッチをつるすためのループをつけます。ループのパーツの裏には硬めの接着芯をつけておいて摩擦に耐えるようにしておきます。返し縫いで何度か縫っておけば多少重いものをつるしても、ループが取れてしまうことがありません。
【13】押さえミシンをかける、ボタンつけ
端や縫い目の部分に押さえミシン(ステッチ)をかけておきます。押さえミシンがあると布がシャンとしてメリハリがつくんですよ。最期にボタンホールを縫って、ボタンをつけたら完成。制作時間は7時間ぐらい。今回はちょっと手間取ってしまったので、慣れている方ならもっと短時間で作れると思います。
ついでに三角巾
布が少し余ったので共布で三角巾を作りました。頭頂部に2ヶ所ギャザーを寄せ、脇にも2ヶ所ダーツを入れた立体的な形にしてあるので、頭の形に沿ってきれいにかぶることができます。紐の部分には滑り止めのマットを縫いつけてあるからずり落ちにくい構造になっています。端にはフリルをつけてメイドさんっぽさを出しました。
黒バージョンも作る
とても使いやすいエプロンなので、洗い替え用に黒いバージョンも作りました。黒もシンプルでいいですね。白いエプロンも作りたくなってしまったなあ。
理想のメイドエプロンを作ってみよう!
思い通りのエプロンができたのも、USAKOの洋裁工房さんのおかげです。メイド服で家事をしたいという奥様、お嬢様またコスプレイヤーの皆様にも、それぞれ理想のメイドエプロンがあると思いますので、自分にとって最適なエプロンを手作りしてみてはいかがでしょうか。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
追記:2015年07月07日
本のアイデアをグラフィック社の編集さんにお話したことで実現した、『うさこのスチームパンク&クラシカルドレス』が2015年07月07日に発売されました。書籍制作にあたって、ぜひともとうさこさんをご推薦したところ、ありがたくもうさこさんが引き受けてくださいました。当書籍にはもちろんこのエプロンドレスも掲載されています。ぜひお手に取ってくださいね。

関連商品・参考文献
- TCブロード
- 接着芯
- ボタン
- マジックテープ
- 裁縫道具一式