スタンピングリーフの仕組みと使い方・金色の薔薇模様を入れてみた

箔押し(金文字)方法
キラキラした箔押しを入れたい時に活躍するのがスタンピングリーフです。スタンピングリーフを使ってバインダーに金色の模様をを入れました。仕組みと使い方のハウツーを解説します。

スタンピングリーフとは何か?

箔押し(金文字)方法
スタンピングリーフという商品をご紹介します。スタンピングリーフは吉田金糸店から出ている転写シートで、レーザープリンターなどでトナー印刷した図案の上に置いてアイロンをかけると、金箔が転写されるのです。金・銀の他、赤、青、ホログラムなど様々な色が発売されています。東急ハンズ他、ネットでも購入できます。

スタンピングリーフの仕組み

箔押し(金文字)方法
スタンピングリーフの仕組みです。コピー機やレーザープリンターで出力した紙には、トナーで文字や図案が書かれます。その上にスタンピングリーフのキラキラした面を上にして熱したアイロンをかけると、トナーとスタンピングリーフの裏に塗られた接着剤が溶けて、金箔が紙に張り付きます。たとえ下地が紙でなくてもトナーで図案が描かれていれば良いと言えます。

真鍮エッチングの方法が使える!

箔押し(金文字)方法
これで思いついたのが自転車のヘッドバッヂです。エッチングのために真鍮板にトナーをアイロン転写したんですが、印刷した図案が美しく再現できました。この方法を使えば、様々な素材にスタンピングリーフの金文字加工ができます。

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必要な3つの条件

箔押し(金文字)方法
ただし条件が3つあります。スタンピングリーフを使う素材は

(1)耐水性があること
(2)熱に強いこと
(3)伸縮性がないこと

です。今回はプラスチック製のバインダーと合皮を材料に作ってみます。

紙は「ぶどう」以外は不可

箔押し(金文字)方法
使用する紙はFUJIFILMの画彩(かっさい)マット仕上げです。鉄道模型や電子工作をフルスクラッチする方ならご存知の、通称「ぶどう」です。100枚で350円でした。

紙ならどれでも良いわけでなく、この「ぶどう」以外の紙は使えません。

【1】バインダーに合皮を貼り付ける

箔押し(金文字)方法
バインダーよりも3センチのノリシロを作って大きめに合皮を切ります。接着剤を塗ってバインダーに貼付け、はさみでノリシロを切って内側に曲げて接着。ここまでは以前作った革装丁のブックカバーと同じです。

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【2】図案を考える

箔押し(金文字)方法
イラストレータ、フォトショップなどで図案を考えます。クラシカルなバラ模様にしてみました。この絵は転写の際に反転されますので、文字や左右が決まっている図面は鏡面になるようにしてください。これを先程のFUJIFILM画彩(かっさい)マット仕上げで出力。プリンターはレーザープリンターを使います。

この方法はインクジェット方式のプリンターではできません。なお当記事でご紹介したアイロン転写法は、フルスクラッチの真鍮エッチングパーツ作りによく使われる方法ではありますが、インクジェット用紙をレーザープリンターで印刷するという荒業を用います。プリンター故障の原因となることもありますので、あくまで自己責任でお願いいたします。

【3】アイロン転写する

箔押し(金文字)方法
出力した紙を水でしっかり濡らし、バインダーの上に紙の裏側を上にして置き、位置合わせをします(濡れていて文字がうっすら透けるので位置が分かります)。

アイロンの熱を「中」に合わせて、上から体重をかけて押します。スチームは使わず、アイロンは滑らせないようにします。水が蒸発して「ジューッ!」と音をたてるのでコゲない程度で離して、別の場所もアイロンがけします。濡れた紙がこのように乾いて白くなるまで、全体を均一に熱します。

【4】もう一度アイロンがけする

箔押し(金文字)方法
そして同じことをもう一度繰り返します。また全体を水でビタビタに濡らし、全体をアイロンがけします。

【5】紙を剥がす

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全体が白く乾いたら再び紙を水で濡らします。紙を写真のようにめくると、印刷した図案が合皮の下地に転写されています。

【6】紙の繊維を完全に除去

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残った紙の繊維を指でこすりおとします。トナーはしっかりついていますので、指でこすったぐらいでははがれませんが、爪でゴシゴシやるのはダメです。写真は水洗いした後の合皮表面。印刷したそのままの図案がプリントされています。

【7】スタンピングリーフ転写

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スタンピングリーフを図案の上に乗せて、アイロンを「中」の熱に設定してで押し付けます。このとき、図案のトナーにアイロンの底がつかないよう注意します。この写真では一枚だけ置いていますが、全体にスタンピングリーフを敷いてアイロンがけするのが安全です。時々めくって様子をみながら全体に金色を転写します。

【8】余分な金箔を落とす

箔押し(金文字)方法
余分な所にスタンピングリーフを転写してしまった場合はメラミンスポンジでこすり落とします。これはアイロンを均一の力で押さなかったことと、紙を剥がした際に繊維が残っていたことが原因です。

【9】ニス仕上げ

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上からニスを塗って金箔面を保護します。油性のニスはトナー部分を溶かしてしまうので水性ニスを使ってください。ニスを2度ほど塗り重ねます。

【10】内側に布を貼って完成

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内側に布を貼ります。クラシカルなコットンのリバティプリントを貼ってみました。完成です。

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合皮の場合の問題点

箔押し(金文字)方法
アップで見ると分かりますが、どうしても線の甘いところ、ハミ出しはできてしまいます。これは金属と違って合皮は柔らかく、均一に熱を加えるのが難しいからです。このあたりはご容赦ください。アンティークな味わいになるので、これはこれでOKかな?

いろんな応用ができるスタンピングリーフ

箔押し(金文字)方法
100円ショップのバインダーが生まれ変わりましたよ。スタンピングリーフはいろんな応用がきく便利素材ですね。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

追記:2019年05月23日

メタルキット昆虫と金属プレート実験
富士フィルムの画彩(かっさい)マット仕上げ」、通称「ぶどう」は既に廃盤になってしまっています。他に使える紙はないかどうか実験して調べてみました。

メタルキット昆虫と金属プレート転写実験(富士フィルムの画彩以外に使える紙は?)
以前作ったメタルキットの昆虫4匹に加えて、さらに4匹のメタル昆虫を作りました。真鍮板を切り出した標本プレートも作り、「金属板に転写するためのベストな紙」の実験をしてみました。
材料・道具
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