カルトナージュ手芸で蘇る! スチームパンクな歯車ランプシェード

Steampunk lamp shade
スイッチを入れるとぼんやりと歯車が浮かび上がる、スチームパンクシェードランプを作りました。柔らかい光がビーズフリンジの間から漏れていて、夜に本を読むのにぴったりです。

白色のランプはモダンすぎる

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スチームパンクには白っぽい蛍光灯の天井照明よりも、黄色い白熱灯の間接照明の方がよく似合います。以前このランプは白いシェードでしたが、私の書斎には白色はモダンすぎて、似合わないような気がしました。

『陰翳礼讃(谷崎潤一郎)』スチームパンクにおける照明の重要性
スチームパンクにおいて意外に重要なのが照明です。古き良き時代にはほの暗い灯りが似合います。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』はスチームパンカーに通じる美意識を論じた珠玉の随筆です。

灯りをつけると歯車が浮かび上がる

Steampunk lamp shade
そこでこんなランプシェードに改造してみましたよ。こ手芸はカルトナージュという技法です。影絵のように映し出されるたくさんの歯車。ギアはスチームパンクオブジェには欠かせないモチーフです。動かない歯車ですがまるで機械じかけのように見えませんか?

クラシカルなメカのパーツが揺れる

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そしてフリンジにぶら下げられているのは、金色の真鍮でできたメタルパーツ。全て違った形をしています。ピストル、扇風機、カギ、ポット、カメラ、地球儀……ヴィクトリア朝や大正、昭和の初めにあったモノたちです。10ミリほどの小さなパーツですが精巧に作られています。

スチームパンキッシュ&エレガント

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電気を消したところです。パッと見は普通のクラシカルなライトに見えます。このシェードランプは寝室に置く予定なのですが、ベッドサイドにメカメカしいものがあるとあまり気が休まりません。そこで点灯した時のスチームパンクと、消灯時のエレガンス両方のテイストを併せ持ったデザインにしました。

ビフォー&アフター

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元々のランプとの比較です。シェードに一手間加えただけで、随分イメージが変わるでしょう?軸の部分は真鍮でできていて、間接で曲げ伸ばしができます。手元に灯りを引き寄せたり、邪魔なときは関節を畳んでおくことができて重宝しています。

【1】材料をそろえる

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ではそろそろ作り方に移りましょうか。材料を揃えます。全てネットで購入しました。ふさふさしたひも状の飾りはフリンジ、房がないものはブレードと言います。検索すると様々な色、形のものを探すことができますよ。

【2】型紙作り、布をはがす

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シェード部分を外します。いらない布で型紙を作ります。シェードは湾曲しているので、紙の型紙より布の型紙の方が正確に作れますよ。元々貼ってあった布をシェードからはがします。

【3】布を裁断する

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布を型紙に添って切ります。私が使ったのはコットンのプリント生地です。コットンプリントは濃い色あいでも程よく光を透過しますし、加工が簡単なのでシェードの材料にぴったりです。左の生地はゴブラン織りに見えますが実は綿プリント。右はバラ柄。この時代だとウィリアム・モリスの柄もいいかもしれませんね。

3つのキーワードだけで分かる! スチームパンク時代のデザイン史
19世紀末〜20世紀初頭のアート&デザイン史を学んでみませんか。とりあえず覚えるのはたったの3ワードだけ。アーツ・アンド・クラフツ運動、アール・ヌーヴォー、ジャポニズムです。

【4】歯車を切り抜く

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歯車の模様を作ります。フォトショップの歯車ブラシのプラグインを使って、様々な形の歯車の形を描き、レーザープリンターで黒い色画用紙に印刷します。黒いインクでも光にすかすとうっすら線が見えるのでデザインナイフで切り抜きます。……と軽く書いていますが、歯を一個一個切り抜くのが地道な作業で結構大変でした。

フォトショップで立体的な歯車を描く方法・出張Photoshop講座
スチームパンクと言えば頭に浮かぶモチーフは歯車でしょう。今回はフォトショップを使った歯車の描き方を解説します。歯車ブラシを使って様々な歯車を描き、立体的に見せる方法です。

【5】歯車を配置、接着

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マスキングテープで歯車の配置を決めます。マスキングテープは何度もはがせるので、納得いくまでベストな配置を考えます。位置が決まったら1つずつスプレーのりなどで歯車を接着していきます。スプレーのりは均一に接着剤を吹くことができて表面がボコボコしませんのでお勧めです。

【6】布を接着、縁の処理

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切り抜いたコットン生地をスプレーのりで接着していきます。側面を全て張り終えたら、シェードの上部と下部の縁に、幅15ミリに切った細長い布を貼り付けます。洋裁で使うバイアステープのようなものですね。

【7】布の継ぎ目にブレードを貼る

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布の継ぎ目にブレードを貼ります。

【8】複数のフリンジを縫い合わせる

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2本のフリンジ、ブレードを縫い合わせます。一つは金色のビーズフリンジ、もう一つは赤いシンプルなフリンジ。1本だけよりも2本使いの方が豪華に仕上がります。

10円のメタルパーツ

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メタルパーツを100個ほど買いました。数百種類あったので、アンティークな雰囲気のもの、メカニカルなものなどを選びました。一つ一つは10ミリほど。全て10円だったので100個買っても1000円。

【9】パーツをフリンジにつける

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メタルパーツをビーズフリンジの先につけます。ビーズフリンジの先には小さなビーズがついていたので、そこに極細の真鍮線を通して、メタルパーツをつけました。一個一個ネジネジ巻く。余った先をパチパチと切る。100回ほど繰り返します。これも大変根気のいる作業でした。

【10】フリンジを縫いつけ、接着する

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接着剤だけではフリンジの重さに耐えられないかもしれないので、シェードの布とブレードを縫い付けることにしました。しっかり縫ったので重みで外れてしまうことはないでしょう。

【11】スチームパンクランプシェード完成!

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スチームパンクランプシェードの完成です! ゴージャスなシェードに仕上がりましたよ。毎日1時間ずつ作ったので1週間かかりましたが、作業時間自体は7、8時間で作れると思います。土日を使えば週末に手軽にできる手芸ですね。

古いランプが蘇る

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オークションによくシェードのやぶれたランプが出品されていますし、ご自宅に古びたランプシェードがあるという方もいらっしゃるのでは? お好きな布やブレード、フリンジを使ってぜひオリジナルのランプを作ってみてくださいね。

追記:2016年01月22日

Steampunk lamp shade
新しい寝室の基調色を青色にしたので、ランプシェードを赤色から青色に作り直しました。落ち着いた雰囲気になりましたよ。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

【寝室改造記】カルトナージュ手芸でスチームパンクランプシェードを作りましょう
明かりをつけると歯車が浮かび上がるシェードランプ。カルトナージュ手芸の技法を使って、赤いランプシェードを青色にをリメイク。真鍮のメタルパーツとフリンジがキラキラしています。
材料・道具
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