英国国旗ユニオンジャックの基調色・赤・青・白の布でテディベアを作りました。パッチワークとキルティングの方法・便利な道具についても解説します。余り布で作ってもカワイイですよ。
Jane Yatesさんにいただいた生地
テディベアの生地は、イギリスオックスフォードにお住まいのスチームパンク作家・Jane Yates(@JYparadoxchild)さんのプレゼントです。英国ならではのカラーが素敵です。いかにも英国びいき(Anglophile)なテディベアではありませんか?

英国人スチームパンク作家・ Jane Yatesさん
Janeさんとは2015年の02月にツイッターで知り合いました。以来意気投合して、お互いに季節のカードを交換したり交流させていただいています。『秘密の花園』を元にした『Garden』に続いて、最新作の『Octopus Pirates』は2016年01月22日に発売されたばかりです。
極めて英国びいき(Anglophile)なテディベア
このテディベアは、手足をボタン留めしてあるので、様々なポーズを取らせることができます。首にはロンドンの時計塔ビッグベン、そしてボタンは英国旗。ビッグベンのモチーフもJaneさんにいただいたものです。全身イギリスで統一しました。Jane慈円(@JYparadoxchild)さん、ありがとう!
【1】材料の生地
Janeさんにいただいた、コットン生地。国旗や王冠、文字が、赤・青・白の英国旗カラーでデザインされています。コットンで縫いやすい生地なのでパッチワークにすることにしました。
【2】生地を正方形にカットする
パッチワークの第一歩は布を裁断することから。2.5cm角、5cm角、10cm角の3種類を切り出します(大きさはお好みで)。厚紙を切って、ガイドにすると良いでしょう。また裁断ははさみでなく、ローラーカッターを使うとまっすぐに布を切れます。
【3】しるし付けをする
またはクローバーから出ているパッチワーク用のテンプレートを使っても良いでしょう。縫い代分にスリットが入っているので、簡単にしるし付けができます。パッチワーク専用のアイロン台はサンドペーパーが貼ってあるのでしるし付けの際に布が動きません。これも便利です。
【4】ピースを縫う
印をつけた四角形の角をまち針でとめて、ミシンで縫います。縫い代をアイロンで割って、同じく作っておいたピースの縫い代を合わせて縫います。ミシンで縫い代を割ると、正方形のパッチワークが出来上がります。
【5】ピースをつなげる
正方形のパッチワークに別の布を縫います。それをまた別の布と縫い合わせて……。こうやってどんどん布をつなげていくことをパッチワークと言います。配色、柄の配置、つなげる布の形、大きさによって、同じ布でも作る人の個性が出ます。これがパッチワークの面白さです。
【6】ミシンで一気に縫うのもあり
以上は解説用に1つずつ工程を撮影したもので、実際にはこんなふうに同じパターンのピースを一気につなげて縫います。時間と糸の節約になりますからね。今回はミシン縫いの方法をとりましたが、手縫いでパッチワークを楽しんでいる方も大勢いらっしゃいますよ。
【7】一枚の布にする
細切れの布をつなげていって、一枚の布に戻していきます。今回は新しい布をわざわざ切りましたが、本来は余った布を無駄にしないようにつなげて縫い直したのがパッチワークの始まりです。小さな布でも捨てずにとっておくと良いでしょう。
【8】表布、キルト芯、裏布を合わせる
パッチワークの布ができあがったら、次はキルティング作りです。キルティングの布は手芸店でも売っていますが自分で作ることができます。裏側に使う布、キルティング芯(キルト芯:綿を引き伸ばしたようなもの)、パッチワーク生地をサンドイッチにして縫うのです。
【9】ミシンで押さえる
キルティングの縫い方もいろいろあるのですが、今回は四角形のピースを斜めに横断するように縫うことにしました。記事の模様の対角線を結ぶように線を引いて、まち針でとめてから縫います。
コツは布の中央部から放射線状に縫っていくことです。端から縫うと布がずれやすいからです。
【10】糸の色を変えると面白いかも
こまかいこだわり。キルティングの糸を赤と青にしてみました。よく見ると使っている糸が違うでしょう?
【11】型紙のしるし付け
キルティングができたら、いよいよテディベア作り。トレーシングペーパーに写した型紙をまち針でとめて、印をつけます。この時、パイロットから出ているフリクションボール(擦ると熱でインクが消える)が便利です。縫い終わったらアイロンをかけると線がきれいに消えるからです。
今回は型紙に『福村弘美のテディベア』を使わせていただきました。いろんな種類があるし実物大型紙で作りやすかったです。
【12】パーツを切り出す
パーツを切りました。足の裏、手の裏、そして耳の裏はワイン色のベルベット生地を使いました。テディベアはこの部分を別の布で作るとメリハリがでて可愛らしくなります。
【13】パーツを縫う
全てのパーツを縫いました。綿を入れるためのあきを縫わないでおいて、ひっくり返します。
【14】綿をつめて閉じる
ぬいぐるみ用の綿をつめます。綿の入れ具合はお好みで。入れ終わったら糸で閉じます。
【15】顔の表情を作る
頭の部分は綿の入れ具合でかなり表情が変わってきますので、箸など使って調整します。耳をまつって、口の部分は刺繍糸を使います。ニコッと笑っているような表情にしました。鼻は布のくるみボタンを使いましたが、テディベア用の鼻ボタンも市販されています。
【16】目を入れる
全てのパーツに綿を詰めました。目はくるみボタンです。普通のボタン(2つ穴、4つ穴)を使ったり、人形・ぬいぐるみ用の目を使っても良いでしょう。
【17】手足をボタンでつける
テディベアの手足は専用のジョイントも売っていますが、こんな英国旗ボタンを見つけたので使うことにしました。ぬいぐるみ・人形用の針を使って縫い止めます。専用の長い針でないと胴体を刺し通せないので、ふとん針など長いものを使って下さい。
【18】リボンとチャームをつける
最後に首にリボンを結わえて、チャームを縫い付けます。はい、できあがり! とても可愛らしいテディベアが出来上がりました。
余った布でテディベア作り
寝室作りで余った布で、大きめのテディベアも作ってみました。縫い物をする方は余り布を保存していらっしゃると思います。余り布が出たらテディベアを作ってみるのも良いのではないでしょうか。小さなベアを作ってプレゼントにするのも良いですね。

工作よりも手芸の方が気が抜けない
余談。私はスチームパンク工作も、手芸も両方やるのですが、手芸の方が「見る人が見れば分かる」度が高いので、気が抜けないです。工作の方は全くモノづくりをしていない人にも「なんかすごい」と思っていただけるのですが、手芸は配色やカッティング、縫製などの、実際に縫い物をする人だけが気づくポイントがあるからです。
分かる人に分かってもらえると嬉しい
パッチワークもキルティングも、実は大変手間と時間がかかる作業です。コツコツと小さな事を長時間繰り返しやり続ける根気が必要です。でもそれだけに分かる人が分かってくださると嬉しさも一入(ひとしお)ですね。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- 生地
- ローラーカッター
- 厚紙
- パッチワーク用のテンプレート
- パッチワーク専用のアイロン台
- キルト芯
- トレーシングペーパー
- フリクションボール
- ぬいぐるみ用の綿
- くるみボタン(目・鼻用)
- テデイベア用ジョイントまたはボタン
- 人形用針
- リボン
- チャーム