蛇の抜け殻の額装方法について解説します。レトロなヴンダーカンマーには必須の標本ですね。いただいた長さ180cmのシマヘビをDIYで額装してみました。蛇嫌いの方は閲覧注意。
死骸いりませんか?
ことの始まりは、豚足骨格標本の記事。なかなか標本用の動物の死骸が入手できずに困っていると書いたところ、複数の方々から「子猫の死骸を見つけたんで送りましょうか?」「うちの近所でよくタヌキが死んでます」などの情報を頂きました。
私自身は大喜びだったんですが、旦那様は「死骸なんて受け取れないよ。断って!」と苦い顔。そんな中、読者ののりやさん(「鈴鹿の山 水谷のりや Photo Library<」(※リンク切れ)管理人さん)が「ヘビの抜け殻いりませんか?」とご連絡してくださいました。ヘビの抜け殻なら死骸じゃないよねと勝手に解釈して、ご厚意に甘えたのでした。
180cmのシマヘビの抜け殻
さすが山の専門家です。送って頂いたのは180cmのシマヘビの抜け殻。2006年の8月に採取したものだそうですが、状態も良く破れているところもほとんどありません
ヘビの同定方法
「ヘビの抜け殻を拾ったが何ヘビかわからない」という御仁のために、のりやさんから頂いた情報を元にヘビの同定方法をご紹介。ヘビはウロコの数で同定できるそうです(「いきもの通信186[今日の観察]ヘビの完全な抜け殻」)。
ヘビの真ん中ぐらいで、背中側のウロコ(体鱗)がいくつ並んでいるか数を斜めにぐるりと数えます。尾長側の横に長いウロコは数えません。頂いた抜け殻は19枚あったので「シマヘビElaphe quadrivirgata」だと分かりました。
「ヘビの抜け殻は金運アップ!」
嬉しさのあまり首に巻いたりして愛でていたんですが、旦那様は「そんな気味の悪いものを部屋に飾るのは反対! 僕が部屋に入れない」と言うのです。しかしネットをあちこち探し回り「ヘビの抜け殻を飾ると金運に恵まれる」みたいな記事をいくつか見せてなんとか承諾してもらったのでした。
【1】額を購入
いよいよ本題の額装。専門の業者にやってもらうという手(「記憶の空間:2mの蛇の抜け殻」)もありますが、ここはDo It Yourselfの精神でやってみます。額は長細いものが良いのですが、特殊な形だからかなかなか良いものが見つかりません。そこで手拭いの額を購入。お値段4305円。350×900mmもあって大きいけど、軽いから壁に掛けても大丈夫。
【2】マット台紙を購入
ヘビの抜け殻1体だけを入れるにはやや大きい額なので、マット台紙を入れることにしました。ガラス→マット台紙→絵→台紙という順番で入れるものです。マット台紙はそのまま加工しなかったんですが、ちょっと古びた感じに塗装してもレトロでいいですね。
マット紙とは?
マット台紙は中央がくりぬいてある2mmぐらいの厚紙です。切り口がV字型にカットされています。世界堂で購入。好きな紙を選び、カット代込みで1300円でした。
【3】台紙に布を貼る
中の台紙には黒い布を敷くことにしました。黒だと観察しやすいし、美しく引き立つんですよね。布は普通のコットン生地にしましたが、もっと豪華にしたい人はベルベットやフェルトもお薦めです。
【4】レイアウトを考える
抜け殻を台紙に置いてレイアウトを考えます。マット台紙のくり抜いた中身は170mm×720mm。途中で折り返せば上手く収まりそうです。ヘビの抜け殻はビニールっぽい手触りで破れやすいです。特にウロコがはげないように丁寧に扱ってください。
【5】抜け殻をプレスする
ここで問題が。抜け殻はもともと円柱状の立体。最初はふんわりとした感じで展示しようと思ったのですが、弾力でもとに戻ろうとするので上手く平面に縫いとめられないんです。
そこであて紙(クッキングシート)をしてアイロンでプレスすることにしました。ただし低い温度で慎重に。風合いを出したい人はこの過程はとばしてください。
【6】縫い留める
黒い糸で赤い部分をポツポツとまつり縫いしていきます(左写真)。皮に穴をあけたくない人は、透明なテグスで皮を横断するように留めても良いかも(右写真)。多分こんなの縫うのは最初で最後だろうなあ。
【7】標本ラベルを作る
古めかしい標本ラベルを制作。制作方法は以下の記事を参考まで。標本ラベルがあると標本が引き立ちますよね。インテリアとして美しく飾りたいのでここは手を抜かずに仕上げたいところ。
【8】蛇の抜け殻の額装、完成
あとは額にセットするだけ。ヘビの抜け殻の額装完成です! これで金運もアップ間違い無し!
壁一面に標本額を!
壁の一画に飾ってみました。なかなか良い出来です。壁一面、標本箱、標本額コレクションで埋めるぞー。ヘビの抜け殻など贈って下さったのりやさんに再び感謝いたします。ありがとうございました【蒸気夫人(マダムスチーム)】
- 手拭い額
- マット台紙
- 黒いコットン布
- 裁縫道具一式
- アイロン
- クッキングシート
- コピー用紙
- コーヒー
- ノリ