筒状のガラス管の中に液体が入っていて、カラフルなガラス球が浮いています。これはガリレオ温度計。ユニークな形と科学を感じさせる外観は理科趣味のお部屋にとてもよく合います。
私のガリレオ温度計
私が所有しているのは
■大(左)高さ43cm X 5cm(ガラス管直径)・ガラス球10個)
■小(右)高さ28cm X 3.2cm(ガラス管直径・ガラス球07個)
の2点です。
結構大きいので見栄えがしますが探せば数千円ぐらいで入手できます。ガラス球の色の違いで遠目にもだいたいの気温が分かりますよ。
中に入っている液体は何?
ガリレオ温度計とはいったい何でしょう? 中に入っている液体は説明書に「軽質パラフィンオイル」であると書かれていました。詳細は
デカン7.5%
ウンデカン30.9%
ヘキシル31.7%
トリデカン25.6%
トラデカン0.9%
とあり、正直化学のシロウトである私にはよく分かりません。デカンは石油、灯油などに含まれる可燃性・揮発性のある無色透明の液体らしいのですが……。
取り扱いにはご注意を
ネットで調べてみると、ガラス管を割って液体を浴びることでしばしばトラブルが起きているようです。国民生活センターのサイトでは「ガリレオ温度計が割れて化学やけど」というページがありました。取り扱いにはどうぞご注意ください。
ガリレオ温度計の仕組み
おどすようなことを書いてしまいましたが、普通に飾っておくだけでしたらそんなに危ないグッズではありません。
ガリレオ温度計のしくみは、液体の体積が温度によって変わることを利用しています。ガラス管に少しの温度でも体積が大きく変化するパラフィンオイルなどを満たし、比重と体積の違うガラスの「浮き」を複数入れ、気温によって上下する浮きを見て温度を測るものです。
気温の変化で液体の体積が変わる
気温が変化すると当然ガラス管の液体の温度も変化します。しかし浮きの中の体積はほどんど変わりません。温度が変化するとガラス管の液体の体積が大きくなったり(温度が高い)小さくなったり(温度が低い)することで、比重の変わらない浮きが沈んだり浮いたりするのです。温度が高いと浮きは沈みます。温度が低いと浮きは上に浮かびます。
アバウトな気温が分かります
これがどのくらい正確なのかというと、あくまで気温は「目安」程度にしか表示されないと考えてください。別の温度計の気温を見てみますと、現在19度。浮きは20度と書かれた浮きが上がっていて、18度と書かれた浮きは沈んでいる状態です。ま、合ってるかなってぐらい。
ガリレオの発明ではない?
ガリレオ温度計は、実際にガリレオ(Galileo Galilei 1564~1642)が発明したのかどうかも疑わしく、もしそうだとしてもスチームパンクの時代から数百年も離れています。19世紀後半には物体の表面温度を測定するパイロメータが発明されているほどですし、現代の温度計に近い形のものは一般に出回っていたでしょうね。
理科趣味の部屋のインテリアとして
しかしながらレトロサイエンスの香りがするガリレオ温度計は心ときめかせる魅力的なグッズです。理科趣味のお部屋のインテリアにはぴったりですよ。ぜひお一ついかがですか?【蒸気夫人(マダムスチーム)】