可愛らしいキャンディポットを見つけました。法廷で高らかにラッパを吹き鳴らし告訴状を読む『不思議の国のアリス』の白ウサギを、苔とミニ観葉植物のテラリウムに仕立てました。
タルトを盗んだ罪で告発されるハートのジャック
グリフォンに連れられて裁判の場へ来たアリス。ハートのジャックが女王様のタルトを盗んだかどで訴えられています。白ウサギはラッパを3回吹いて告訴状を読み上げました。トランプのハートをあしらった立派な洋服を着た白ウサギ。上から目線で偉そうなすまし顔をしていますよ。
人形の国のアリスシリーズよりラッパを吹くウサギ
今回もフィギュアはフルタと海洋堂の『人形の国のアリス』シリーズから選びました。いつも思うのですが、たった1枚しかない2次元のイラストを、こんな風に立体化する技術が素晴らしいです。天才造形師・村田明玄氏の技です。
【1】ガラス容器を用意する
この変わった形のガラス容器は、おそらくキャンディポットではないかと思います。ZARA HOMEの店頭で見つけました。日本ではなかなか見つからない形ですね。テラリウムはこのように縦長の形の容器の方がうまく育てられますよ。
【2】ミリオンAを入れる
根腐れ防止剤(ミリオンA)を底に適量入れます。これがあると水が腐りにくくなるので、テラリウムの植物を長期間生育しやすくなります。100グラム入りでテラリウムを数十個は作れます。切り花の水や普通の鉢植えの底に入れたりできますので一袋あると便利です。
ミリオンAの代わりに活性炭を入れても構いません。
【3】小石を入れる
水の濾過のために小石を入れます。まず直径1〜1.5cmほどの石、次に1cm以下の小石を入れます。石の層は2〜3cmほどにします。石の色をそろえると見た目も良いですね。
【4】水苔を入れる
熱湯で戻した水苔をしっかり絞って小石の層の上に1cmほど敷きます。これは土が石の間に入り込まないためです。熱湯を使うと、水苔に混入している虫の卵や雑菌を消毒できますよ。くれぐれもやけどにご注意を。
【5】培養土を入れる
次に培養土を入れます。普通の観葉植物用の土でも構いませんが、ガラス容器の場合側面から土の層が見えるため、真っ黒で粒上になっている水草育成用土(水草一番サンド)が美しくてお勧めです。植物の育成に必要な養分や薬剤も入っていますので手間がかかりません。層の厚さは2〜3cmです。
【6】フィギュアに釘を接着する
白ウサギのフィギュアの脚部分に、錆びにくいステンレス釘をホットボンドで接着します。こうしておくと土にしっかり刺さるので、容器を動かしてもフィギュアが倒れにくくなります。
【7】ラベルを作る
こんなラベルを作っても良いですね。クラシカルな囲み枠に、『不思議の国のアリス』のタイトルや、このシーンが書かれている一文を入れて茶色の印刷用紙にプリントアウト。コーヒーなどで汚しを入れても良いでしょう。
【8】植物、苔を植え込む
ミニ観葉植物や苔を、箸やピンセットなどで植え込みます。観葉植物(特にハイドロカルチャー)として販売されているものはらたいていのものがテラリウムで育てることができますが、葉が細かいものの方がおすすめです。ガラスの中の小さな世界では大木のようにみえるからです。
ミニ観葉植物も苔も最近はネットで購入できますのでお好きなものをどうぞ。
【9】苔テラリウムの育て方
最後に霧吹きで水をやって完成!
毎朝蓋をとって霧吹きで軽く水をかけます。日光に当てる場合は蓋をとったままで。そして夜にまた蓋をしめます。置き場所はカーテン越しの日光が柔らかくさす場所がベスト。底に1cmほど水を貯めれば、1週間ほどの旅行で家をあけても大丈夫です。
白ウサギのモデルは……?
他のキャラクターが一度出てきたらあまり再登場しないのに対し、白ウサギは最初から最後まで何度も物語に現れます。マーチン・ガードナーの注釈によれば白ウサギはアリスの鏡像的なキャラクタだそうです。
若くて元気一杯、好奇心旺盛なアリスに対して、臆病で弱々しく分別くさい老人のようなウサギ。ウサギのモデルとなったのはアリス・リデルの家のかかりつけのお医者さんだそうですが、そんな風に描かれてしまってちょっとかわいそうかも。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
参考文献
- フィギュア
- ガラス瓶(なるべく高さのあるもの)
- ミリオンA(または活性炭)
- 小石
- 乾燥水苔
- ミニ観葉植物各種
- 観葉植物用の土または水草用の土(水草一番サンド)
- コケ各種
- 箸かピンセット
- ステンレス釘
- ホットボンド
- 印刷用紙
- 透明ニス
- 霧吹き
- 剪定用のハサミ(水槽用の長いハサミ)