ティーポットの中の気ちがいお茶会テラリウム【不思議の国のアリスシリーズ7】

ティーポットの国のアリス
ティーポットの中で『不思議の国のアリス』のアリス、マッドハッター、三月兎、ネムリネズミがお茶会をしています。「ティーポットの中のお茶会」という入れ子のようなテラリウムです。

There was a table set out under a tree in front of the house, and the March Hare and the Hatter were having tea at it.

家の前の樹の下にはテーブルセットがしつらえてありました。三月兎と帽子屋はお茶を飲んでいました。

Alice’s Adventures in Wonderland 『不思議の国のアリス』

有名な気違いお茶会のシーン

たぶん『不思議の国のアリス』で最も有名なシーンではないでしょうか。当時使われていた「帽子屋のように頭がおかしい(as mad as a hatter)」という言い回しから作られた気違い帽子屋、同じく「三月兎ののように狂っている(as mad as a March hare)」からの三月兎。何から何までおかしい気違いお茶会に、アリスも面食らっていますよ。

頭の麦わらは「頭がおかしい人」の意味

ティーポットの国のアリス
ジョン・テニエルの挿絵では、三月兎は頭に何かつけていますね。これは麦わらで、当時は頭に麦わらをつけているのは頭がおかしい人を表していました。シェイクスピアの『ハムレット』でも、発狂したオフィーリアを演じた女優は麦わらを頭に飾っていたそうです。

ティーポットに詰め込まれるネムリネズミ

ティーポットの国のアリス
眠たげなネムリネズミ (dormouse) はヤマネのことだとも言われています。この後ネムリネズミは帽子屋と三月兎にティーポットに詰め込まれてしまいます。かわいそうに!

でもヴィクトリア朝ではヤマネをティーポットに入れて飼ったり、ティーポットに入れたヤマネを人にプレゼントしていたんですって。

【1】背丈の高いガラスティーポットを用意

ティーポットの国のアリス
テラリウムの容器にはこのガラスティーポットを使いました。苔だけのテラリウムの場合は浅い容器でも大丈夫ですが、観葉植物を入れるテラリウムは石、水苔、土などいくつもの層を作るのでなるべく背の高い容器が向いています。その方が根もしっかり張れますしね。

【2】ミリオンAを入れる

ティーポットの国のアリス
根腐れ防止剤(ミリオンA)を底に適量入れます。これがあると水が腐りにくくなるので、テラリウムの植物を長期間生育しやすくなります。100グラム入りでテラリウムを数十個は作れます。切り花の水や普通の鉢植えの底に入れたりできますので一袋あると便利です。ミリオンAの代わりに活性炭を入れても構いません。

【3】小石を入れる

ティーポットの国のアリス
水の濾過のために小石を入れます。まず直径1〜1.5cmほどの石、次に1cm以下の小石を入れます。石の層は2〜3cmほどにします。石の色をそろえると見た目も良いですね。

【4】水苔と培養土を入れる

ティーポットの国のアリス
熱湯で戻した水苔をしっかり絞って小石の層の上に1cmほど敷きます。これは土が石の間に入り込まないためです。熱湯を使うと、水苔に混入している虫の卵や雑菌を消毒できますよ。くれぐれもやけどにご注意を。

水苔の層の上には培養土を入れます。普通の観葉植物用の土でも構いませんが、ガラス容器の場合側面から土の層が見えるため、真っ黒で粒上になっている水草育成用土(水草一番サンド)が美しくてお勧めです。植物の育成に必要な養分や薬剤も入っていますので手間がかかりません。層の厚さは2〜3cmです。

【5】苔のレイアウトを決める

ティーポットの国のアリス
苔をざっとレイアウトしてみました。今回使用した苔は

アラハシラガゴケ
スナゴケ
ハイゴケ

の三種類です。

【7】ポットの国のアリス完成!

ティーポットの国のアリス
また水槽レイアウト用の石など入れるとアクセントになりますよ。私は縞模様が美しい紫光石を選びました。さあ「ティーポットの国のアリス」のテラリウムが完成!

気違い帽子屋についてのトリビア

ティーポットの国のアリス
映画版ではジョニー・デップが演じていた気違い帽子屋。ヴィクトリア朝の英国では、帽子作りに水銀を使用していました。そのため水銀の蒸気を吸って水銀中毒になる帽子屋が続出。水銀中毒になると幻覚症状が出たり、錯乱状態になることもあります。だから本当に頭がおかしくなってしまった帽子屋さんがたくさんいたんですね。なんともブラックなお話です。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

またオックスフォード大学の用務員をしていたシオフィラス・カーターが帽子屋のモデルであるとも言われる。彼はどんな時にもシルクハットを着用していたためマッドハッターとして有名であった。だが事実ではないという説もある。

参考文献

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