今回は趣向を変えてワークショップ形式です。旦那様に生徒さんになってもらって、不思議の国のアリスのテラリウムを作ってみようという企画です。ちょうど1時間で完成しましたよ。
魚の召使と蛙の召使のやりとり
森の中から魚の召使がやってきて、家のドアをノックします。すると蛙の召使が出てきました。女王陛下のクロケー試合への招待状を渡すと魚の召使は帰っていきますが、蛙の召使は戸口でぼんやり空を眺めたままです。森の中で隠れて召使たちのやり取りを見ていたアリスは、家に入らせてもらおうと蛙の召使に話しかけるのですが……。
地味だけど愛らしいキャラクター
ディズニーアニメの『ふしぎの国のアリス』にはこの二人は登場しません。「こんなシーンあったかな?」と首をかしげるかたもいらっしゃるかもしれませんね。でも私はこのマイナーな二人というか二匹がとても好きです。
立派な洋服を身につけて、うやうやしく挨拶しあっている様子はなんともユーモラス。彼らがお辞儀をすると髪の毛のカールがからまってしまうところなど、なんて愛らしいんだろうと頬が緩みます。
今回はワークショップ形式でやってみました
今回はいつもと違って、私自身が作るのではなく私の旦那様に参加していただくことにしました。彼は器用な方ですが、日常的に工作や園芸をやる人ではありません。そういった方が参加されるワークショップにかかる時間や、作業の注意点などを知りたかったからです。
【1】ミリオンAを入れる
根腐れ防止剤(ミリオンA)を底に適量入れます。これがあると水が腐りにくくなるので、テラリウムの植物を長期間生育しやすくなります。パラパラとひとつまみぐらいで大丈夫。
【2】くん炭を入れる
底にくん炭を入れます。保水性があるだけでなく、表面に細かい穴があいているので通気性や水はけをよくする効果があります。また土壌を中性からアルカリ性にする働きもありますので、植物の育成に良いんですよ。
【3】小石を入れる
水の濾過部分を作るために小石を入れます。直径1〜1.5cmほどのものが向いています。水に濡れると黒っぽくなる石を使いました。
【4】水苔を入れる
上の土が下の石部分に落ちないように水苔の層を作ります。熱湯で戻した水苔をしっかり絞って小石の層の上に1cmほど敷きます。これは土が石の間に入り込まないためです。熱湯を使うと、水苔に混入している虫の卵や雑菌を消毒できますよ。くれぐれもやけどにご注意を。
【5】土を入れる
水苔の層の上には培養土を入れます。普通の観葉植物用の土でも構いませんが、ガラス容器の場合側面から土の層が見えるため、真っ黒で粒上になっている水草育成用土(水草一番サンド)が美しくてお勧めです。植物の育成に必要な養分や薬剤も入っていますので手間がかかりません。層の厚さは1〜2cmです。
【6】観葉植物と苔を植える
観葉植物と苔を入れます。今回使用した苔は
アラハシラガゴケ
スナゴケ
ハイゴケ
の三種類です。
【7】ステンレス釘を底に接着する
フィギュアの底にステンレス製の釘をホットボンドでつけます。こうしておくと苔にしっかり刺さって安定性があるからです。今回のフィギュアはフルタと海洋堂による『人形の国のアリス』シリーズより使用しました。ちゃんと招待状もついているんですよ。
【8】小石やフィギュアをレイアウト
レイアウトを考えながら、小石やフィギュアの位置を決めます。この位置決めでかなり迷ったみたいですね。何度もやり直しをしていましたよ。
【9】水やり
霧吹きで全体的に水をスプレーします。苔や観葉植物は水に濡れると生き生きしますね。底から1cmほど水を入れてテラリウム部分は終了。
テラリウムの育て方、管理の仕方については以下の記事に詳細を書きましたのでご参考まで。
【10】ラベル作り
ラベルがあるとさらに作品としての味がでますよ。素材集の中から好きなフレームのイラストを選んで、茶色の印刷用紙にプリントアウト。接着剤でドーム部分に貼り付けて、上から透明ウレタンニスで保護します。これで完成!
完成までちょうど1時間。旦那様ご参加ありがとうございました。ワークショップには丁度よい時間ですね。
このシーンの後魚の召使はすぐに退場してしまうのですが、蛙の召使とアリスは延々とおかしなやりとりを続けます。蛙の召使はなんだかんだとうだうだ言い続けて、アリスはなかなか家の中に入ることができません。家の中からはドッタンバッタンと大騒ぎしている音が聞こえてきます。さて、一体この家で何が起こっているのでしょうか?【蒸気夫人(マダムスチーム)】
参考文献
- フィギュア
- ガラス瓶(なるべく高さのあるもの)
- ミリオンA(または活性炭)
- 小石
- 乾燥水苔
- ミニ観葉植物
- 水草一番サンド
- アクアリウム用の石
- コケ各種
- 箸かピンセット
- ステンレス釘
- ホットボンド
- 印刷用紙
- 透明ニス
- 霧吹き
- 剪定用のハサミ(水槽用の長いハサミ)