恥ずかしながら腰壁(こしかべ)、巾木(はばき)、周り縁(まわりぶち)という言葉を知りませんでした。家を建てることで建築に使われる特殊な用語について学ぶことができました。
腰壁って何?
まず腰壁(こしかべ)。これは壁の下半分に板を張った壁のことです。高さが90センチ〜120センチほどでちょうど腰の辺りまでの板なので腰壁と呼びます。ジョージアンやヴィクトリアンなど英国クラシックスタイルの部屋には欠かせない壁飾りで、これがあるとないとでは部屋の印象がかなり違ってきます。
本来は傷や汚れから守るための建材
壁は床から腰の高さまでが一番汚れや傷がつきやすいので、本来は壁を守るために取り付けました。しかし土足で部屋に入る習慣がない日本では、単なる飾りやアクセントのために付けられることが多いようです。
腰壁のメリット・デメリット
腰壁のメリットとしては、高級感が出せる、重厚さが出る……など主に見た目の長所が挙げられます。デメリットとしては、部屋が狭く見える、コストがかかる、壁紙との段差にホコリがたまりやすい……などあります。
家具職人集団「アーティストリー」さんに依頼
我が家の腰壁は以前ご紹介した家具職人集団アーティストリーさんにお願いしました。この部屋の作り付けの本棚・収納棚・ドア枠・暖炉などと腰壁とを、全て同じ色・同じデザインで作っていただいたのです。
ヴィクトリアンには欠かせないけど……
グラナダのドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』を始め、ヴィクトリア朝を舞台にした映画やドラマの部屋には、腰壁は当たり前のように取り付けられています。でもネットで調べてみるととにかく評判が悪い。ダサいとか、古臭いとか、暑苦しいとか……。凹みましたが、現在のモダン建築では全く人気がないので仕方ないですね。
巾木、周り縁とは?
巾木(はばき)というのは床と壁の継ぎ目に取り付ける細長い板のことで、周り縁(まわりぶち)とは壁と天井の継ぎ目に取り付ける細長い板のことです。巾木が床近くのもので、周り縁が天井近くのものです。
巾木は現在の建築でも普通に使われますが、周り縁はない方がすっきりするので取り付けないお宅も多いようです。
現在の流行とは真逆の方向のデザイン
今日本で流行しているモダンな建築、「シンプル、すっきり、真っ白」とは真逆の方向、「ゴチャゴチャ、重苦しく、焦げ茶色」なヴィクトリアンを目指しているので、巾木も周り縁も両方取り付けてもらいました。その分費用がかさんでしまいましたが、ここは妥協するわけにはいきません。
1週間ほどで施工完了
腰壁、巾木、周り縁の施工は1週間ほどかかりました。収納棚と腰壁のデザインを同じにしてもらったので違和感なく壁に溶け込んでいます。本当にアーティストリーさんは腕の良い職人さんばかりです。変人の趣味をご理解いただいて感謝に堪えません。
部屋のベースが出来上がった
これで部屋全体のベースが出来上がりました。次回からは各部屋の部分別に、工事開始から完成までの行程を書きたいと思います。次回はリビングの書斎コーナにある本棚、収納棚の設置について。【蒸気夫人(マダムスチーム)】