蒸気社の新製品スチームパンクマウス-金鼠(ゴンゾ)GONZO-。金色のビスが光る外殻とアール・ヌーヴォー調の金箔装飾が融合した逸品。木と金属、革の素材はクラシカルな雰囲気。
蒸気社とは?
蒸気社とはスチームパンクガジェットを発売しているという設定で考えた、架空の会社です。だから実際には発売されていません。こういう製品があったらいいなあと思うものをいろいろ自作しています。当マウスの名前は「金鼠(GONZO)」にしました。GONZOは英語で「奇妙な、風変わりな、気の狂った」という意味があります。
木と金属のように見えるけど……
木と金属でできているように見えますが、実際はプラスチック。塗装と金属パーツの接着でそれらしく見せているのです。市販されているマウスを改造する形で作ったので、機能的に何も問題はありません。側面には革を貼り滑りにくくなって、むしろ使いやすくなりました。
ビフォー&アフター
土台のマウスとの比較です。もともと金と黒でスタイリッシュなデザインなのですが、私のスチームパンクなデスクには合わないので改造しようと思い立ちました。こういうデザインが好きな層は一定以上いると思うので、最初からクラシカルテイストで製品化する会社が1社ぐらいあっても良いと思うのですが……。まあ売っていなければ作れば良いのです。
【1】土台となるマウス選び
早速改造方法をご紹介しましょう。まず手に入れるべき材料は元になるマウスです。MiniInTheBoxという海外サイトで購入しました。1200円で送料無料。10 x 5.8 x 3.3の小さめサイズ。
【2】マウスを分解する
精密ドライバで分解します。マウスのネジはシールなどで隠されていることが多いのですが、裏側をよく調べてみるとすぐに見つかるはずです。分解はそれほど難しくありません。はずしたネジを無くさないように保管しておきます。
【3】カシメを接着
もともとのプラスチックが金色をしているので、塗装をせずに利用することにしました。ルーターのドリルで穴をあけて、カシメをはめて接着します。後ろにカシメの足が飛び出てしまう場合は切断しておきます。
【4】パーツを黄色で塗装
木目塗装を開始します。木目塗装については以下の記事に詳しく書いてありますので参考にしてください。表面をサンドペーパーで荒らした後に、洗浄、サーフェイサーを吹いて、黄色のラッカースプレーを吹きます。

【5】 木目の画像を加工
今回はちょっと変わった方法で木目を描きます。素材集などから、木目の画像を探してフォトショップでモノクロに変換します。レベル補正で木目の線がくっきり出るように調整します。
【6】転写シールに木目を印刷
転写シールを作るためのシートを用意します。いわゆる、タトゥーシールなどを作ることができるシートですね。インクジェットプリンターはエーワン(A-one) から転写シールという商品、レーザープリンターはミラクルシートという商品が出ています。これに先ほどの木目の画像を印刷します。
【7】パーツに木目シールを転写
シートの説明書どおりに、黄色に塗っておいたパーツに木目を転写します。水で濡らして表面に押し当てる、タトゥーシールと同じ要領です。きれいに木目になりましたね。
【8】マホガニー色のウレタンニス塗装
次にマホガニー色のウレタンニスを吹きます。1回吹くごとに乾燥させます。だいたい3回ぐらい重ねると、美しい木の色になりますよ。あまり重ねすぎると木目が消えてしまうのでほどほどに。
【9】ウレタンニスを重ねる
写真がぼけてしまって見にくいですが、こんな感じの木の色になればOK。必ず薄く塗って、乾かして、また薄く塗る──というように根気強く吹いてください。いっぺんに厚塗りしないこと。
【10】スタンピングリーフで箔模様
次に金色の模様を描きます。スタンピングリーフという商品を使うと簡単に箔模様をつけられます。このブログでは頻繁に登場するスグレモノグッズ。以下の記事に使い方を書きました。

【11】透明のウレタンニス塗装
スタンピングリーフをしたシールを切り抜いて貼る方法だとどうしてもふちが目立ちますが、上からニスなどを塗るとふちが分からないようになります。今回は透明色のウレタンニスを吹いてみました。ツヤツヤで美しい照りが出ました。
【12】指の部分にボタンを接着
人差し指と中指が触れる部分に、金のボタンをつけることにしました。王冠の箔模様が入ったゴージャスなボタンです。ボタンの足がちょうど通るぐらいの穴をドリルであけて、接着剤でボタンを固定します。足が長すぎる場合は切断します。接着剤が乾いたら元通りパーツを組み立てなおします。
【13】側面に革を接着
側面の部分にはブラウンの薄い豚皮を貼りました。滑り止めになるし見た目もクラシカルになりますよ。これで完成。出来上がってから1ヶ月ほど使っていますが、今のところ特に問題ありません。末永く大切に使って行きたいです。
追記:2016年04月07日
この記事を書いてから3年後の2016年04月にに別のマウスを作りました。スチームパンクマウス・金鼠2(ゴンゾ2)GONZO-2です。マウスは消耗品なので、だいたい3年ごとに作り変えています。次は2019年ごろに作ろうかな。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

関連商品・参考文献
- 土台となるマウス
- カシメ
- ラッカースプレー
- ウレタンスプレー(マホガニー色と透明色)
- 接着剤
- ミラクルシート
- 透明シールシート
- スタンピングリーフ
- 金色のボタン2個
- 本皮