蒸気社の新製品・植物育成ポットは、水やりも肥料も全て全自動。植物を簡単に育てることができる園芸家の夢の機械です。新聞紙と木工用ボンドで張り子の技法を使って作ってみました。
スチームパンク生物部の部室
私が住む蒸気邸の一画に、植物や動物関係のコレクションを集めた「スチームパンク生物部の部室」を作り始めました。私は高校生の時に生物部に所属していたので個人的にノスタルジックな空間を作りたかったからです。生物部備品の一つがこのスチームパンクな植物育成ポット。部員は私一人。
ダークブラウンの部屋では悪目立ちしてしまう
2メートル50センチ近くある観葉植物の鉢植えです。以前は別の部屋に置いていたものなのですが、書斎に移動してみると妙に浮いた感じになっています。白を基調色にした部屋では良かったのですが、茶色を基調色にした部屋では白い鉢は悪目立ちしてしまっています。
フィカス・ウンベラータの人工観葉植物
この観葉植物は実は本物ではありません。ゴムノキの仲間のフィカス・ウンベラータそっくりに作られている人工観葉植物です。前はキッチンの脇においていたので土を使った鉢植えを置くのがためらわれたから人工樹木にしました。でも非常に精巧にできていて近づかなければ人工であると気が付かないほどです。
モチーフは『スチームボーイ』のスチームボール
水も土も必要のない人工樹木だからこそできる工作にしたいとあれこれ考えていて、スチームパンクアニメ映画『スチームボーイ』のことを思い出しました。作中で重要なアイテムとして使われているスチームボールをモチーフに、球体型の育成ポット(鉢植えカバー)を作ったら面白いんじゃないかしら。
張り子の芯にはヨガボールを使用
直径45センチのヨガボール(バランスボール)を芯に使います。ビーチボールに比べて大きいサイズがあることと、皮の厚みがあるので変形しにくく割れにくいのがポイントです。
【1】新聞紙を水溶き木工用ボンドで貼り重ねる
ラップでヨガボールをくるんでから、ちぎった新聞紙を水溶き木工用ボンドで貼り付けていきます。ハケを使うと手を汚さずに簡単に貼り付けることができます。これを約20層貼り重ねます。
【2】紙を変えて20層貼る
一層貼ったら乾燥させてから次の層を貼ります。湿ったまま貼り重ねると下のほうが乾かずにカビるので気をつけて下さい。それぞれの層を漫画雑誌や新聞紙など別の紙で貼ると次の層を貼る時に境目がわかりやすいです。
高校生の時にはりこのお面作りに熱中していた時には『少年ジャンプ』を使っていました。いろんな色の紙に印刷されていて安いからです。和紙が一番良いのですが高いですからね。
【3】ボールとラップを取り出す
2週間以上かけてようやく20層。普通の張り子は20層も貼り重ねる必要はないのですが、これはかなり大きなサイズなので自重でつぶれないように厚めにしました。貼り終わったらヨガボールの空気を抜いて取り出し、内部のラップもはがします。
【4】ハサミ、カッターでカットする
上部と下部は丸く切り取って、ハサミやカッターで半分にカットしました。
【5】スタイロフォームでパーツを作る
建築資材に使われるスタイロフォームでパーツを作ります。それぞれの半球に接着して上からさらに新聞紙の張り子で強化します。がっちり固まって簡単には外れません。
【6】木のネンドと石粉粘土、水を混ぜる
木のネンド(粉状のもの。練った半生の粘土もOK)と石粉粘土を適量の水とミキサーで混ぜます。普段は紙粘土を使うのですがたまたま余っていたので。石粉粘土でも紙粘土でもどちらでも構いません。
【7】水溶き粘土を塗り重ねる
水溶き粘土を一層塗っては乾燥させ、また塗り重ねる作業を繰り返します。私は5層ほど塗りました。
【8】最下層を着色しておくと良い
なお1層目を塗ったら一度着色しておくと、後で表面を削る時に最下層が分かりやすくなります。特に必要な作業ではありませんが削りすぎを防止するためにジェッソ(黒)を塗っておきました。
【9】表面をサンダーで滑らかにする
粘土を塗り重ねた表面はダマになっていたり、下の和紙の凸凹が浮き出ていたりしています。サンドペーパーで表面をやすってツルツルにします。サンドペーパーは80番→120番→240番ぐらいで大丈夫です。手作業でもできますが、サンダーを使うと早いです。
【10】パーツを接着する
球体に穴をあけて、ホームセンターで購入したプラスチックパーツ(空気口のふた? 名称不明)を接着します。ダイソーで購入した木のボルト・ナットも仮止めしました。新聞紙でできているので簡単に穴を開けたりカットできるのが良いですね。
【11】アクリル絵の具に消石灰を混ぜて塗る
アクリル絵の具の茶色に消石灰を混ぜます。消石灰はホームセンターの園芸用品売り場で手に入ります。消石灰を塗料にまぜるとザラザラしたテクスチャを簡単に作ることができます。サビで酸化した金属のフォーフィニッシュ塗装に便利です。
【12】ウェザリングとサビ塗装
ラッカースプレー(ゴールド)で金属光沢を出して、様々な茶色のアクリル絵の具でウェザリングします。水が漏れやすい部分は青サビ(水色のアクリル絵の具)を塗りました。新聞紙と粘土の球体がどんどん重厚感を増していきます。
【13】レトロなメーターを作る
レトロなメーターをデザインして印刷。アクリル絵の具で古びたように加工して作りました。プラスチックのドームを接着すると昔風の機械になりましたよ。
【14】底にキャスターをつける
最後に底に100円ショップで入手したキャスターをつけました。掃除機をかけるときに、簡単に動かせるようにしたかったからです。主婦の知恵です。
スチームボール・植物育成ポット完成!
完成! 上下にわけて作ったのは、植木鉢を入れるためだったんですね。ウンベラータの鉢がギリギリ入る大きさでした。木のボルト・ナットは接着していないので、ポットの中味を別の人工観葉植物に変えることもできます。
LEDで光らせてみました
この植物育成ポットLEDを仕込んでおいたのでこんなふうに明かりをつけることができるんです。特に光らせる必要はないのですが、カッコイイかなって思って。フロアライトとしても使えますからね。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- 人工観葉植物
- ヨガボール(バランスボール)
- 新聞紙・雑誌
- 木工用ボンド
- ハケ
- ラップ
- ハサミ・カッター
- スタイロフォーム
- 木のネンド(粉)または半生の木の粘土
- 石粉粘土 または紙粘土
- ミキサー
- ジェッソ(黒)
- サンドペーパ サンダー
- プラスチックのパーツ
- アクリル絵の具
- 消石灰
- 印刷用紙
- プラスチックドーム
- キャスター
- LED
- 乾電池