多肉植物の入った電球スタンドは重々しい鉄製? 実は塩ビ管でできていてリモコンで様々な色に光らせることができるんですよ。スチームパンク&インダストリアルなランプを作ってみました。
無骨ながら味わい深く、機能美に彩られたアイテムは、ソリッドな素材感、コンピュータでは生み出せないフォルムなど、けして飽きることないシンプルなデザインながら、しっかりと存在を主張してくれることが再確認されはじめた。
流行のインダストリアルデザイン
最近インダストリアルスタイルが流行っていますね。錆びたパイプや、鉄のギアなどレトロでマッチョなデザインは、ブルックリンスタイルのインテリアの流行と相まって主に男性の間で人気です。でも女性だってインダストリアルスタイルに憧れる方も多いでしょう。私もその一人です。
空想のスチームパンクな植物育成マシン
今回は塩ビ管と厚紙、ネイルシールなどを使った土台のスタンドに、電球型の花瓶を乗せて、LEDライトで光らせてみました。七色の光で成長させる、空想のスチームパンク多肉育成マシンです。
LEDで照らされた植物は幻想的
この多肉植物はとてもよく出来ているのですが人工の造花多肉なんです。本物でもできないことはないですが、この環境では長く生きられなくて可愛そうですものね。人工とは言え、ぼんやりと下から照らされた植物は幻想的で癒やされます。
【1】塩ビパーツを揃える
スタンドの材料は塩ビ管です。ホームセンターなどで一つ数十円ぐらいで売っています。安く、軽く、加工しやすいので、スチームパンク工作の材料に重宝します。パズル感覚で形を作ることができるのも楽しいですね。
【2】パイプをカットする
つなぎのためのパイプや、パーツをカットするにはこのパイプカッターが便利です。ハサミやペンチのような形をしたものもありますが、このタイプの方が力がいらず、また平行にカットすることができるのでおすすめです。
【動画】パイプカッターの使い方
パイプカッターの使い方を動画でどうぞ。ネジを回してパイプを締めて、くるくる回すだけ。超簡単。塩ビだけでなく、様々な材質のパイプを切ることができます。
【3】塩ビパーツを組み立てる
塩ビパーツを塩ビ専用の接着剤で組み立てます。この時、各パーツを少し離して、つなぎのパイプを見せた方が凸凹が目立ってインダストリアルなイメージを強調できますよ。
【4】シールでリベット装飾
100円ショップで売っている半球状のシールを接着剤で貼っていきます。各パーツのつなぎめに、リベット打ちしているようにつけました。ちょっと多すぎるかな──ぐらいの方が塗装をした時に映えます。
【5】カップ部分を厚紙で作る
電球を乗せるカップ部分は、厚紙を丸めて作りました。カップ部分は螺旋を描くように45度ずつ回転させて接着しました。土台を大きめにしたのでぐらつくこと無くしっかりと立ち上がっています。
【6】下地と第一塗装(赤茶色)
いよいよ塗装です。下地材(ミッチャクロンなど)をしっかり塗ります。消石灰と赤茶色のアクリル絵の具をまぜて全体を塗ります。消石灰を混ぜるとザラザラした、サビのようなテクスチャが得られます。
【7】黒で汚しを入れる
黒のアクリル絵の具で汚しを入れます。大きめの硬いハケを使ってドライブラシで入れました。絵の具をつけすぎたところは、ウェス(いらない布)でこすりとります。
【8】オレンジで赤サビ表現
オレンジと白のアクリル絵の具を混ぜて、赤サビがつきそうな部分に塗ります。硬めの小さなブラシで、継ぎ目部分やリベットの周りなどに丁寧に入れていきます。
【9】水垢表現(白)
白のアクリル絵の具を水で薄く溶き、水がつきそうな部分に水垢っぽく塗ります。しゃびしゃびにした塗料を塗って、素早くウェスで擦り取るとリアルになります。
【10】LEDライトを入れる
リモコン式のLEDライトを入れました。電池式で12種類の色に光らせることができるものです。中国通販で輸入して送料込みで一つあたり100円ほどでした。安すぎる!
【11】多肉植物を電球花瓶にレイアウトする
側面に穴があいた電球型花瓶を購入しました。これも同じく中国通販。送料込みで一つ100円ほど。下からのライトを透過させるために、透明なガラス砂を土台にします。人工の多肉植物を適度な大きさにカットして、電球花瓶の中に配置します。
【12】多肉植物を水溶きボンドで固定
木工用ボンドを水で溶いたものをスポイトで吸って、ガラス砂の表面に垂らします。しっかりと染みていることを確認してそのまま放置して硬化させます。
【13】接着してもしなくてもOK
もし頻繁に花瓶の植物を入れ替えたい場合はボンドで固定する必要はなく、そのままスタンドに置けば完成。私は固定させた方が掃除の時楽かなと思って接着することにしました。
【14】多肉ランプ完成!
完成しました! ぼんやり光って綺麗。
色を変えると雰囲気も違ったものに
前述の通りLEDライトは12種類の色に光らせることができます。一番好きなのは青緑色。マッド・サイエンティストの理科室みたいな雰囲気なんですよね。動画をツイッターに上げましたので、こちらもどうぞ。それぞれの電球を別の色にすることも可能です。
スチームパンク植物ランプの動画だよ。 pic.twitter.com/8qzZA0MHdZ
— 五十嵐 麻理 Mari Igarashi (@IgarashiMari) 16 August 2016
本物の植物を電球花瓶に入れて
これは穴が上に開いているタイプの電球花瓶。最近は100円ショップでも見かけるようになりましたね。本物の電球に穴をあけて作ることもできるのですが、花瓶として作られたものよりはガラスが弱いので割れやすい気がします。
水にキラキラ反射して美しい
水を入れた花瓶を置いてみました。こちらの方がガラス砂で遮られることがないので明るく感じます。水がキラキラと輝いて美しいです。
塩ビ工作の可能性が広がる
塩ビを使って3年前にトイレのウォールシェルフを作りましたが、他にも自由な発想でいろんなガジェットを作ることができそうですね。ホームセンターに行くのが楽しみになりました。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

関連書籍
- 塩ビパイプ、パーツ
- パイプカッター
- 塩ビパイプ専用接着剤
- 半球状のシール
- 厚紙
- アクリル絵の具(赤茶、黒、白、オレンジなど)
- 下地材(ミッチャクロン)
- LEDライト
- 電球型花瓶
- ガラス砂
- 人工多肉植物
- 木工用ボンド
- スポイト
- 塗装用具一式
- 工作用具一式