大事に育てているサボテンの鉢カバーを作りました。同じ形のものを様々なサビ塗装、アンティーク塗装で塗ってみる練習です。いろいろな錆色が9個もそろうと壮観な眺めになりました。
研究?習作?『A Study in Scarlet』
『緋色の研究』の原題は『A Study in Scarlet』。このStudyは「研究」なのか、「習作」なのか、マニアの間でも意見が別れるところです。
「研究」はシャーロック・ホームズシリーズ全編を初めて翻訳した延原謙氏の訳。一方、ホームズが美術用語に言及してstudyを使っているので「習作」とすべきという説もあります。個人的には「習作」がより正確であるものの、「研究」の方が響きがカッコイイなと思っています。
研究であり習作である『錆色の研究』
今回は全く同じ形のものを様々な塗装で塗り分ける練習をしてみました。言わば「研究」であり「習作」。題して「錆(サビ)色の研究」。アンティーク塗装、ダメージ塗装のテクニックを使ってみました。
セリアの木製ボックスが土台
100円ショップセリアで木製のボックスをたくさん買ってきました。このボックス、実際のところ何に使うのかよく分からないのですが、ちょうど3号鉢〜3.5号鉢(直径9〜10センチ)の植木鉢がすっぽり入る大きさだったので、サボテンの植木鉢カバーにすることにしました。
ボール紙、画鋲で装飾
ボール紙を幅1cmでカットしボックスに貼ります。木製の切文字を一面に接着し、リベット打ちのように絨毯用の画鋲の足を切って差し込みました。
植木鉢カバーのベースができました
さてこれで下準備は終わり。このボックスをいろんなサビ塗装、アンティーク塗装で塗り分けてみることにしましょう。
【1】鉄の赤錆
鉄の赤錆色に塗りました。消石灰を混ぜた茶色のアクリル絵の具をベースに、オレンジ色で赤サビを表現。ザラザラとした手触りでリアルになりました。
【2】薄汚れた真鍮色
薄汚れた真鍮色に塗りました。ジェルメディウムをベースに塗ってツヤを出し、ゴールドのラッカースプレーで塗装。オールドヴィレッジのアンティークリキッドで汚しを入れました。
【3】錆びたブリキ色
錆びたブリキ色に塗りました。灰色に青を混ぜてベース塗装。赤茶でサビを、薄めた白色で水垢を表現しました。
【4】青錆の浮いた真鍮色
青錆の浮き出た真鍮色に塗りました。この技法のハウツーは以前ご紹介しましたね。
【5】はげた白ペンキ色
はげた白ペンキ色。ベースに黒を塗っておいてから、水のりをまぜた白を厚めに塗り重ねました。ドライヤーで急激に乾かすと、水のりがひび割れて古びたペンキを表現できます。もうちょっと水のり多めでも良かったかな。
【6】木目に錆びた鉄
木目にサビた鉄色で塗りました。木目との違いがわかりにくいので、もう少し鉄色を暗くするべきでした。
【7】古びた真鍮色2
古びた真鍮色に塗りました。「2」番はアンティークリキッドを使いましたが、「7」版はアクリル絵の具を使って汚しを入れてみました。水彩なので乾きが早く、上手くぼかすことができませんでした。要練習。
【8】鋳物とサビ色
鉄の鋳物と赤サビ色に塗りました。ベースは艶有りのジェルメディウムと黒のラッカースプレー。赤サビはアクリル絵の具の赤とオレンジ。
【9】大理石とスチール
大理石とスチール色に塗りました。モデリングペーストでザラザラしたスチールのテクスチャを作り、シルバーのラッカースプレーで塗装。大理石模様は今回はカッティングシートを使いました。
9種類の植木鉢カバーが完成!
「1」番から「9」番までの植木鉢カバーができました。バラバラの色ですが、全体を集めてみるとそれほど違和感がありません。古びた塗装は色を落ち着かせる効果があるからでしょうね。
もっと練習せねば……
いろいろな塗装をしてみるのはとても勉強になりましたがまだまだ修行が足りません。サボテンのコレクションがどんどん増えてしまうと置き場がなくなってしまうから困るなあ。でもあと6個ぐらいなら作っても大丈夫かしら。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- セリアの木製ボックス
- ボール紙
- 絨毯用の画鋲
- 接着剤
- ラッカースプレー(各色)
- ジェルメディウム
- モデリングペースト
- アクリル絵の具(各色)
- 消石灰
- カッティングシート
- 塗装用具一式
- 工作用具一式