スチームパンクな『海底二万哩』! 潜水ヘルメット花瓶の作り方

潜水ヘルメットの花瓶
ジュール・ヴェルヌの『海底二万哩』に登場する潜水ヘルメットはレトロで素敵ですね。古き良きSFのロマンあふれる潜水ヘルメット花瓶を作りました。水栽培ポットとしてもどうぞ。

私たちの潜水服の上部には銅の襟がついていて、それに金属製の兜をはめるようになっていた。兜には厚いガラス張りの窓が三方についているので、その中で頭をひねりさえすれば、自由に四方を見ることができた。

海底二万リーグ(上) 驚異の旅(ジュール・ヴェルヌ著 村上啓夫訳 グーテンベルグ21 NO.1543)

スチームパンクファンの必読書『海底2万マイル』

主人公の海洋学者・ピエール・アロナックスがネモ船長とともに潜水服とヘルメットを身に着けて海底探検をするシーンはワクワクしますよね。ジュール・ヴェルヌの『海底二万哩』は現代の原子力潜水艦を彷彿とさせるノーチラス号を登場させるなど、19世紀末のSFを代表する名作。スチームパンクファンの必読書です。ディズニー映画の『20.000 Leagues Under the Sea』 (1954)もワクワクしますね。

古典SFの2大巨匠! ジュール・ヴェルヌとH・G・ウェルズの比較
空想科学小説──なんて甘く胸ときめく言葉でしょう。古典SFの2大巨匠・ジュール・ヴェルヌとH・G・ウェルズの作品を比較してみました。二人の作風の違いと現代科学について。
原作タイトルである『Vingt mille lieues sous les mers』をどう訳すかはSFファンの間でもよく話題に上る。『海底二万哩』『海底二万海里』、『海底二万リュー』、『海底二万リーグ』、『海底二万マイル』など。個人的にはレトロな『海底二万哩』が好きだ。

ANTIQUE DIVING HELMETで検索

潜水ヘルメットの花瓶
Googleの画像検索で「antique diving helmet」などと入れて見てください。美しい骨董の潜水ヘルメットがたくさん見られますよ。錆びて年代を感じさせるものも、ピカピカに輝いているものもどれも魅力的ですね。

防水LEDライトで水中の風景も楽しめる

潜水ヘルメットの花瓶
この潜水ヘルメット花瓶に防水のLEDライトを入れてみました。リモコンでこんな風に光らせることもできるんですよ。生花を活ける花瓶にしても良いし、ヒヤシンスなど水栽培のポットとしても使えます。また上から十分な光量のライトで照らせば、水草水槽として楽しむこともできます。

【1】ボール型のガラス鉢に窓を描く

潜水ヘルメットの花瓶
土台となるのはボール型のガラス鉢です。テラリウムや水槽用に販売されていたものを購入しました。三方の窓の位置に油性マジックで下書きをします。

【2】和紙を貼る

潜水ヘルメットの花瓶
窓以外の部分に細かくちぎった和紙を、水溶きの木工用ボンドで貼り付けていきます。これはガラスの補強のためと、次の工程の粘土を定着しやすくするためです。筆に水溶きボンドを含ませて和紙を貼り付けていきます。

【3】窓にソフトボードを貼る

潜水ヘルメットの花瓶
3〜4層ほど和紙を貼り重ねます。3mmのソフトボード(ウレタンボード、ライオンボード)を窓の大きさに丸くカットして縁を作ります。窓の位置に接着剤で貼り付けます。これは次の工程の粘土が流れ出さないようにするためです。

【4】水溶きの粘土を塗る

潜水ヘルメットの花瓶
木の粘土石粉粘土を適量まぜて水を加え、ミキサーでドロドロにします。これを和紙とソフトボードの上に塗ります。厚く塗るとたれてしまうので、薄く塗って乾燥させ、また塗り重ねます。

【5】粘土を塗り重ねる

潜水ヘルメットの花瓶
ソフトボードの境目がぼんやりするぐらい塗り重ねます。私は5回ほど塗り重ねました。表面はボコボコでも大丈夫です。

【6】表面をサンダーで滑らかにする

潜水ヘルメットの花瓶
サンダーで表面を滑らかにします。使用するサンドペーパーは80番→120番→240番といったように徐々に細かいものに変えていきます。サンダーを使うと簡単ですが、手でやすりがけしても良いです。

【7】ソフトボードで窓の縁を作る

潜水ヘルメットの花瓶
凹んでいるところに粘土を詰めてやすりがけをして表面を整えます。3mmのソフトボードを丸くカットして接着し縁を作ります。あらかじめリベットの装飾をする部分に穴をあけておいてから接着すると良いでしょう。

【8】ライトモデリングペーストでテクスチャを作る

潜水ヘルメットの花瓶
アンティークな風合いにするために表面をザラザラとしたテクスチャにします。リキテックスのライトモデリングペーストを筆で適当に塗ります。窓の部分にマスキングをしておきます。

【9】ラッカースプレーで塗装

潜水ヘルメットの花瓶
ゴールドのラッカースプレーで全体を金色にします。

【10】細かい塗装とカシメ接着

潜水ヘルメットの花瓶
赤みがかった金色のアクリル絵の具で窓の縁を塗ります。カシメをリベットに見立てて接着します。

【11】窓に装飾のバーを接着

潜水ヘルメットの花瓶
アルミパイプをまげたものと、ハトメを金色に塗装して窓の部分に接着します。これでかなり潜水ヘルメットっぽくなりました。ただしこれは表面に接着してあるだけなので、このバーで花瓶を持ち上げることはできません。

【12】水栽培用のポットを作る

潜水ヘルメットの花瓶
球根の水栽培用のポットをつくります。シンクの流し用ゴミキャッチを100円ショップで入手しました。これを金色に塗装して底を抜き、ステンレスのワイヤーを貼りました。

サフランの球根なら4〜5個入ります

潜水ヘルメットの花瓶
こうすれば水に浸らせたまま根が真下に伸びることができますし、ゴミキャッチを外して水の交換も簡単です。これはサフランの球根ですが大体4〜5個ぐらい入れることができます。

【13】完成!

潜水ヘルメットの花瓶
完成! 黄金に輝くノーチラス号の潜水ヘルメット型花瓶です!

夜には違った花の風景を楽しめます

潜水ヘルメットの花瓶
なお防水LEDライトはリモコンで色んな色に光らせることができますので、夜に電気を落とした状態でも楽しめます。昼間の花とはまた違った印象になりますね。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

追記:2017年12月28日

この潜水ヘルメット花瓶を温室に置いておいたところ、台風で壊れてしまいました。残念ですがまた別の形で潜水ヘルメットを作ってみたいと思います。

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