ヴィクトリア時代の紳士の必需品3つは? 答えは帽子、ステッキ、懐中時計。でも懐中時計は置き場所に困りませんか? そこで100円ショップの材料で懐中時計ラックを作りました。
この時計はきみのお兄さんのもので、お兄さんはお父さんから譲られたんじゃないかな。(略)お兄さんはだらしなくてずぼらな人だった。将来有望だったのに、何度もチャンスをのがして、貧乏したかと思うとときには金まわりがいいこともあったが、結局、酒に溺れて亡くなった。僕にわかるのはこれだけだな。
シャーロック・ホームズと懐中時計
懐中時計を見たホームズにお兄さんのことをズバリと言い当てられて驚くワトソン。『四つの署名』の冒頭の名推理です。懐中時計は現代で言うなら携帯みたいなもの。BBCドラマ『Sherlock』の『ピンク色の研究』で、シャーロックはジョンの携帯の傷で推理をしていましたね。
シャーロック・ホームズと懐中時計
ホームズ自身も懐中時計は愛用しています。『ボヘミアの醜聞』ではアイリーン・アドラーにもらったソブリン金貨を記念として時計鎖につけていました。グラナダのドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』のホームズは、衣装のウェストコート(ベスト)に時計鎖と金貨を身につけていますよ。小道具さん、実に芸が細かいですね。
複数ある懐中時計をどうディスプレイするか
私も懐中時計は3つ持っていて、スチームパンクファッションの時に身につけています。数百円から1万円前後の玩具のような懐中時計ですが、安いだけについ増やしてしまいがちです。これらを美しくディスプレイする方法はないかと思い、こんな懐中時計ラックを作ってみました。
100円ショップは材料の宝庫
これは100円ショップのセリアで購入した木製のミニラック。ただ板を組み立てただけのもので、蝶番が真ん中についています。本来どうやって使うものなのかよく分からないのですが、これを土台に使ってみることにしました。
【1】下地づくりとステイン着色
紙やすりで表面をなめらかにしてから、マホガニー色のステインで着色。乾いたら2度塗りします。
【2】水性ニスを塗る
水性のウレタンニスを塗ります。
【3】パーツを集める
パーツを適当に集めます。使ったのはミニラックから取り外した蝶番、同じ100円ショップで購入した引出しの取っ手、プッシュピン。
【4】パーツを金色に塗装
下地材を吹いてから金色のラッカーで塗装します。
【5】パーツを取り付ける
引出しの取っ手は持ち運びしやすいように上部に2つつけました。ルーターで本体に穴を開けてネジ止めするだけ。
【6】洋灯ネジをつける
懐中時計をひっかける部分は、はてな型の金色の洋灯ネジを使います。ミニラックの内側上部4個所にねじ込んでとりつけます。
【7】プッシュピンの脚をつける
ラックの下部にプッシュピン(画鋲)をつけます。ルーターで穴をあけておいて、接着剤をつけてからプッシュピンを押し込んで固定します。はい、完成! 塗装の乾燥時間を除けば1、2時間でできあがります。簡単なDIYです。
女性の方もぜひ懐中時計を
ところでBBCドラマ『Sherlock:ピンク色の研究』では、シャーロックが推理を誤っているシーンがあります。携帯電話の傷から酒癖の悪い兄がいると推理したシャーロックですが、実はジョンに携帯をくれたのは「兄」ではなく、「姉」のハリー(ハリエット)でした。現代版ならではの洒落が効いたエピソードでしたね。もともと懐中時計は紳士の持ち物ですが、女の私が持っていたって問題はないのです。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- 木製ミニラック(100円ショップセリア)
- アンティークな取っ手2個(100円ショップセリア)
- プッシュピン
- 洋灯
- 木製用ステイン(マホガニー色)
- 水性ニス
- 金色のラッカースプレー
- ルーター
- 刷毛
- 接着剤