あなたは買ってもらえた派でしたか?『もう一度見たい!科学と学習』

もう一度見たい! 科学と学習
書店で『もう一度見たい!科学と学習』という雑誌に目が止まりました。特別付録は人体骨格モデルと『5年の科学』の豆本。わくわくしながら紙包みを抱えて家に帰ったのですが……。

2010年に休刊した学研の『科学』

学研の『科学と学習』は、学研教育出版から刊行されていた小学生向けの学習雑誌です。1946年に創刊されて以来60年以上も続いた伝統ある雑誌でしたが、『学習』は2009年の冬、『科学』は2010年3月号をもって休刊(つまりは、廃刊)になってしまいました。

実は一度も読んだことない雑誌

もう一度見たい! 科学と学習
実は私は学研の『科学と学習』を小学生時代、一度も手にしたことがありません。両親はこの雑誌を買ってくれなかったし、私のお小遣いでは学研の『ムー』しか買えなかったからです。だから「わー、懐かしい!」という思い出はありません。

本当は欲しくてしかたなかったのに

もう一度見たい! 科学と学習
でも当時『科学と学習』に全く興味がなかったというとそんなことはなく、むしろ欲しくて、欲しくて仕方なかったモノの一つなのです。とくに『科学』の方。でも小学校の時の私のお小遣いは500円だったので『ムー』でさえ飛び飛びでしか買えませんでした。

クラスのほぼ全員が買ってたってホント?

もう一度見たい! 科学と学習
もう一度見たい! 科学と学習』では茂木健一郎さん、リリー・フランキーさん、瀬名秀明さん、浦沢直樹さんなど著名人のみなさんが『科学と学習』の思い出を語っています。浦沢さんのページには「クラスのほぼ全員が当然のように買い、教科書と同じ感覚だった」と書いてありました。

そっか……他の子はみんな買ってもらってたんですね。うらやましい。あなたは、買ってもらえた派? もらえなかった派ですか?

良い思い出がないのも全部自分のせい

もう一度見たい! 科学と学習
でも結局『科学と学習』の良い思い出がないのは自分のせいなのです。クラスメートがふろくの日光写真で遊んでいるのが羨ましくて仕方なかったのに、「私も一緒にやらせて」と言えない暗い子どもだったからです。私は妙にプライドが高くて「かような真似はワタクシにはできぬ」とすましているような子どもだったし。

今だったらいくらでも買ってあげるのに

もう一度見たい! 科学と学習
私が小学生の時の『科学と学習』の値段は500円。タイムマシンがあったら、昔の私に買ってあげるのにな。「安い安い! 『1年の科学』から『6年の科学』まで、おばちゃんが全部買ってあげるわよ!」と大盤振る舞いするんだけど。

でも私の性格からして「……いえ……いいです……知らない人から……もらえません……」とぼそぼそ言って逃げるのでしょう。

ようやく気持ちが落ち着いたのか

もう一度見たい! 科学と学習
店頭で見た時には甘いような苦いような思いがして、買うのにちょっとためらいがあった『もう一度見たい! 科学と学習』。それでも購入したのは、小学生時代はもう20年も前の話になり、ようやく妬ましいような気持ちが昇華できたからかもしれません。

はたまたまだ昇華しきれてないのか

もう一度見たい! 科学と学習
ひょっとして私が大人になった今でも、ヴンダーカンマーだ、標本だと血道を上げているのは、子どもの頃のルサンチマンが私を突き動かしているからなのでしょうか。

「学研」改め「Gakken」は現在、『大人の科学マガジン』という、大人向けの付録付き科学雑誌を刊行しています。ひょっとしたら『大人の科学』の読者には「小学生の時『科学と学習』を買ってもらえなかった」大人が相当数いるんじゃないでしょうか。

ふろくは……お察しください

もう一度見たい! 科学と学習
当時のふろくのカラー写真の一覧が載っていて面白かったです。でも特別付録の人体骨格モデルは、何と言うか、うーん……。「あれっ?」って感じ。お察しください。

小学生の時遊んだ公園に行ってみると意外に小さかったり、通学路の距離が大人の足ではたいしたことなかったりっていうのと同じですね。「欲しくてしかたなかった」という思いが大きすぎたんですよ、きっと。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

参考文献

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