『シンプル&ラグジュアリーに暮らす』はベッドルームをまるでホテルの一室のように変えるDIYのテクニックが満載です。ハリウッド女優や女王様のような寝室で眠る幸せをあなたに。
カリスマ販売員・木村里紗子氏のインテリア指南書
『シンプル&ラグジュアリーに暮らす』は、400人以上の指名客を持つ、福岡市のインテリアショップ『マダムワトソン』のカリスマ販売員・木村里紗子氏によるインテリア指南書です。特にフリルとレースあふれるエレガントなベッドルームの写真は見るだけで心ときめきます。
2LDKには2つの寝室!
美しいベッドルームの写真集は他にもたくさん出版されています。ですがこの『シンプル&ラグジュアリーに暮らす』が他のインテリア本と一線を画しているのは、どの写真も木村さん個人の手作りのベッドルームであるということ。彼女が暮らす2LDKにはなんと寝室が2つもあるのです!
ハリウッドスターが眠るような寝室
映画に出てくるような真っ白なベッドルーム、天蓋付きのモダンなベッドルーム、ヴィクトリア朝をイメージしたレトロなベッドルーム、ビンクのフリルでいっぱいのロマンチックなベッドルーム──他にもまるでハリウッドスターが眠るような美しい寝室・寝具全てが、木村氏の個人所有のものなのです。
自分の力で寝室改造
こう書くと「きっと木村さんはお金持ちなんでしょう?」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。ですが彼女は単なる(失礼ですがすみません)インテリアショップの販売員さんなのです。彼女はリビングを自分で寝室に改造し、ベッドカバーやピローケースに手作りで刺繍をし、コツコツと理想のベッドルームを作り上げたのです。彼女はこう言います。
優雅なリゾートホテルに泊まり、エステでも受けて、それまでの疲れを洗い流し、セレブ気分を味わえたとしても、一週間程度。ところがその1回分の旅費で”ミラノの最新リゾートホテル風の寝室”か”パリ郊外の古城ホテル風”の寝室が一つ、自分のものになるのです。(中略)
30足の靴と10個のバッグと4個の時計を持っていても、誰もびっくりしないでしょう。けれど、その持ち物のうちの半分はなくてもいいようなものだったら、その金額で、セミダブルベッド1台とハイクオリティな寝具を一式とベッドリネンを夏冬各1セットと、1窓分のカーテンが揃った、2つ目の寝室が作れるでしょう
思い込みを打ち砕く
がーんと頭を殴られたような衝撃を受けました。旅行1回分の投資で、毎日高級ホテルの部屋で眠れるなんて! それまで私は、ホテルのスイーツルームのような寝室で眠れるのは、大金持ちか映画スターだけだと思い込んでいました。たまの旅行で味わえる喜びを毎日享受できるなんて素晴らしいではありませんか!
最も長時間過ごす場所に投資する
長時間外で働く社会人にとって「自宅は眠るところ」です。なら最も長くすごす寝室になぜお金をかけないのでしょうか? 家を建てる時、応接間やリビングに資金を投入する人はたくさんいるでしょう。でも寝室はそれらに比べて二の次三の次になってはいないでしょうか。毎日元気に活動するためには、最も長く過ごし疲れを癒すベッドルームこそ力を入れてつくり上げるべきだと確信しました。
批判はごもっとも……だけど
「これは一人暮らしだからできること、子どもなど家族暮らしには無理」「海外旅行さえ昨今はぜいたく品」「寝具の洗濯だけで大変な労力、現実的ではない」という批判があるのは十分承知です。しかしながら全て本書の真似をしなくても、ほんのちょこっと日々の暮らしに一工夫してみるだけでも幸せな気持ちになれるはずです。
自己啓発書としても良書
本書は自宅のインテリアについて一種のパラダイム転換を引き起こす、素晴らしい自己啓発書だとも言えます。私は木村里紗子さんを心の師匠として勝手に私淑しています。「自分はこう生きたいんだ、こんな暮らしをしたいんだ」という夢を、知恵と努力で実現した方です。
あなたの大切な場所はどこ?
男性にとってはややフェミニンすぎるので敬遠されるかもしれません。でもこう考えてみてください。あなたが長時間過ごし、そこにいると心が癒され、アイデアが湧いたり仕事が進んだりする場所──そここそ一番労力とお金をかけてつくり上げるべき場所なのです。
人によっては書斎だったり、キッチンだったり、ガレージだったり、子供部屋だったり、パソコン机周りだったりするかもしれませんね。空間作りのヒントとしても役立つと思います。本当に贅沢な暮らしとは何か、自分にとって何が大切なのかを気づかせてくれる本でした。
しばらく寝室改造の記事を書きます
私は永久保存版として『シンプル&ラグジュアリーに暮らす』にクラシカルな装丁をほどこしました。眠る前にパラパラとめくったりしてますよ。では次回からしばらく寝室改造にお付き合いくださいませ。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
