フォーフィニッシュによる古びたスチールの塗装です。スチール塗装はスチームパンク・ディーゼルパンク工作によく使う技法です。木製のトレーを使ってキーホルダーラックを作りました。
スチールとは何か?
スチールは鉄と炭素をもとにした合金で鋼(はがね)のことです。厳密に言えば鉄(iron アイアン)と鋼(steel スチール)は別のものですが、一般的に鉄をスチールと呼ぶこともあります。今回は塗装によって木製品を重々しく見せるフォーフィニッシュをやってみましょう。
【1】材料を集める
使う材料はほとんど100円ショップのセリアでそろえました。大きさの違う木のトレー、金具、鏡、転写シールなどです。
【2】鏡をトレーに並べて角棒で固定する
手鏡を3つ使って飾りにします。隙間を埋めるように角棒を接着し鏡を固定します。セリアには角材が売ってなかったので、これだけダイソーで購入しました。
【3】金具をネジ止めする
コーナー金具、三角吊金具、ミニフック、状差し金具をネジ止め・接着します。木のトレーは木工用ボンドで接着し、蝶番(ちょうつがい)金具をステー代わりに固定しました。
【4】組み立て完了
全てのパーツをつけて組み立てが終わりました。
【5】マスキングする
マスキングしました。テープはしっかり上から押さえないと隙間からスプレーの粒子が入り込んでしまいます。上からよくこすって密着させます。
【6】下地・下塗り
下地(ミッチャクロン)を吹いた後、オールドビレッジのバターミルクペイント(ホワイト)を塗ります。これはミルクから作られている天然の顔料です。屋外屋内両方に使えます。マットな色合いになるのでエイジング塗装に便利です。
【7】テクスチャをモデリングペーストで作る
残ったバターミルクペイントにモデリングペーストを足して、塗料の粘度を高めます。モデリングペーストは表面に凸凹がほしい時に使う塗料です。ハケで叩くようにしてテクスチャを作ります。
【8】シルバーに塗装
銀色のラッカー塗料を吹きます。使用したのは染めQのメッキ感覚(シルバー)です。なおスプレー塗装するときには必ずマスクをしましょう(できればゴーグルも)。霧化した塗料吸い込むと危険ですよ。
【9】ウェザリング1
シャビー感を出すために、黒いアクリル絵の具で汚し(ウェザリング)作業をします。この筆はドライブラシ用に使ってるものです。本来は日本画用のようです。毛先がバサバサで固いのでとても使いやすいです。
【10】ウェザリング2
筆で黒色を塗ったら、濡らしたウェス(雑巾)でこすって余分な絵の具を取り除きます。しっかり下地を作っておけば、凹の部分に絵の具が残って自然なウェザリングになりますよ。
【11】シールで装飾
ミラーの部分にセリアの転写シールを貼ります。海のイメージのシールを集めました。「船で長年使われているキーフック」をイメージしました。
【12】背面にベルベットシートを接着
壁に金具が当たらないように、ベルベットシートを貼って保護しました。「シャビースチールのキーホルダーラック」完成です!
工作のコツ
工作に絶対に必要なのが想像力です。何度も頭の中で組み立て・塗装をして、細部まで細かく想像してからとりかかりましょう。そうすれば失敗なく、最短距離でモノづくりができます。行き当たりばったりで作ると失敗することも多いです。
思うままに工作するのも時には楽しいし、失敗も作品の味になったりしますが、シミュレーションなしに作り始めると、予想外の怪我につながることもあります。頭の中で何度も繰り返し作って経験しておけば、身体が自動的に動きますよ。ぜひ空想を楽しんでくださいね。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- 木のトレー
- 鏡
- 転写シール
- 手鏡
- 角棒
- コーナー金具
- 三角吊金具
- ミニフック
- 状差し金具
- 蝶番またはステー金具
- 木工用ボンド
- マスキングテープ
- 下地剤(ミッチャクロン)
- オールドビレッジのバターミルクペイント(ホワイト)
- モデリングペースト
- 染めQのメッキ感覚(シルバー)
- アクリル絵の具(黒)
- ウェス(ボロ布)
- ベルベットシート(茶)
- 工作用具一式
- 塗装用具一式