私の子ども時代のこととシャーロック・ホームズの思い出、そして若い方に向けてのメッセージです。サンジェルマン伯爵の時計塔には女性版レディ・ホームズの扮装で参加します。
The game is afoot!
The game is afoot.(獲物が飛び出したぞ!)ホームズ物語の中で最も人気のあるセリフの一つです。『アビィ屋敷』の他に『ウィステリア荘』にも登場しますね。このgameは「獲物」という意味が定説になっていますが、なかなか日本語にしづらいセリフなので翻訳者によって様々に訳されています。
なんてワクワクするセリフでしょう。「ワトソン、さあ一緒に冒険に出発だ!」というホームズの生き生きした様子が目に浮かびます。サンジェルマン伯爵の時計塔に参加する皆さんも同じ気持ちではありませんか? Ladies and gentlemen, the game is afoot!
さあ獲物はどこだ?
これは私の扮装、女性版のシャーロック・ホームズ(ジェレミー・ブレットバージョン)レディ・ホームズです。私はこんな格好で会場をあちこち捜査していますよ。さあ名探偵の諸君、私を見つけ出したら賞品として指輪かバッヂを差し上げようではありませんか。
以下私の子供の時のお話です
この一連の特集記事で『シャーロック・ホームズの冒険』についてあらかた言いたことこは言い尽くしましたので、全然別のこと……私の子ども時代のことを書こうと思います。
子供の時一番心配だったこと
私の子どもの頃の一番の心配は「自分はちゃんと大人になれるんだろうか」ということでした。全く空気が読めず、人からよく笑われました。いつも教室で一人机に座って絵を書くか、本を読むかでした。毎日ぼんやり空想にふけっていました。学校の成績は良かったのですが、友達はまったくいませんでした。
現在の私
今も全然友達がいませんし、普段犬以外は誰とも話さずに暮らしています(旦那様は東京に単身赴任中)。同世代の子育てに頑張っている女性、会社でバリバリ仕事をしている女性を見ると、本当に私はダメ人間だなあと落ち込みます。私はまともな集団生活はできそうにありません。両親にも兄弟にも愛想を尽かされて絶縁状態です。
でもまあ一応税金はちゃんと収めていますし、ボランティアもしていて、なんとか結婚もできました。旦那様は私にとっては保護者のような存在かもしれません。私の現在の職業は、ハドソン夫人のような大家さんです。私はどうにかこうにか大人になれました。
随分回り道をしてしまいました
子どもの時にはネットがありませんでした。私は本当にひとりぼっちで、周りに「あなたらなできるよ」「大丈夫、心配いらないよ」と言ってくれる人は一人もいませんでした。だから相当回り道をして、ここまで来るのにかなり時間がかかってしまいました。
大人になってから
「大人買い」という言葉がありますね。子どもの頃に買えなかったものを大人になってから大枚はたいて買うこと。私のやっていることは「大人遊び」です。現在の私は、子ども時の私が人に話しては笑われていた将来の夢や「大人になったらこんなことしたいなあ」と思っていたことを、大人の財力・知力・体力を駆使して、毎日全力でやっているのです。
毎日馬鹿馬鹿しいことをやっています
今の私は、日本全国のB級・珍スポットを旅して回ったり、遺跡や伝説の地を巡ったり、泥水に浸かって洞窟探検したり、シャーロック・ホームズの家を作ったり、人魚スーツを着て海で泳いだり──くだらないこと、バカバカしいこと、大人げないことばかりやり続けて、たくさんのブログを更新しています。
そうすれば将来が不安で悩んでいる子、周りに理解者が誰もいない人が「なんだこんなバカみたいな人でもちゃんと大人になれるんだ」、「みんなに笑われることを夢見ていてもいいんだ」と安心するかもしれないからです。
きっと世間の常識・良識ある方には笑われているでしょうが、まあそれでも良いのです。
一人ぼっちでもあなたは大丈夫!
だから元気を出せ! くじけるな! 必ず君に賛同してくれる人は現れる。君の夢をかなえるために懸命に努力し、知恵を絞るのだ! 頭に知識を詰め込み、体を鍛えよ! しょんぼりしている時間などない! 大丈夫だ、こんな馬鹿な大人もちゃんと生きている。一人ぼっちでも負けるんじゃないぞ!【蒸気夫人(マダムスチーム)】