アンティークなミシン台と愛用のクラシカルミシン、そしてミシンの歴史について。掃除道具一式・アイロンなどが置いてある家事室を、機能的かつレトロ風味に改造することにしました。
家事のための部屋を快適に
私の家は特殊な構造をしている上に、二人だけで暮らしているので、家事がかなりの重労働です。アイロンがけもクリーニング店を使わず自分でしているし、ミシンの縫い物も結構あります。そこで少しでも家事を楽しくやれるようにと、家事室を居心地良く感じる空間に改造することにしました。
ミシンのテーブルを入手
古道具店で足踏みミシンをリメイクしたテーブルを入手しました。昭和30年~40年頃のものかと思います。ブラザー工業株式会社(BROTHER)製です。今ブラザーと言うと、プリンターをイメージする人の方が多いでしょうが、実はブラザーは家庭用・工業用のミシンのシェアで世界トップクラスなんですよ。
レトロなミシンをテーブルに改造
この写真は私が鳥取県倉吉市の鳥取二十世紀梨記念館で撮影したもの。レトロですね。本来はテーブルの上に縫製のメカ部分が乗っているんですが、私が買ったものは取り外してあり、足の部分とテーブル板のみとなっています。

ミシンの動きをGIFアニメで
ミシンがどんなふうに布を縫うのかをGIFアニメで御覧ください。手で縫う場合、途中で糸が切れるとスルスルと抜けてしまいますが、ミシン縫製だと糸が上下でしっかり組み合わさっていて、簡単に縫い目が解けません。手縫いよりも服を丈夫に作ることができますね。
世界初のミシンとミシンの歴史
世界最初のミシンは1755年、イギリスのワイゼンソールによって発明されました。フランスのバルトレミー・ティモニエが1830年にミシンの特許を取り、まもなく世界各国でミシンの量産が始まりました。最初のミシンは手回し式で、その後足踏み式へと移りました。
ヴィクトリア時代と日本初のミシン
お針子さんが手縫いをしていた時代は洋服は高価でしたが、ヴィクトリア時代の1860年代には一般にもミシンが普及し、衣料品は高品質でリーズナブルに。ちなみに日本で最初にミシンを使った人物は天璋院篤姫なんですよ。2008年のNHK大河ドラマ『篤姫』でもミシンを縫うシーンがありました。
テーブルの天板に少し手を加える
このミシンテーブルは上に厚くペンキが塗られていました。板とペンキのザラリとした風合いもレトロでいいのですが、針仕事では布を扱うのでつるりとした天板の方が仕事しやすい。そこでダイノックシート(カッティングシート)を貼りました。
カッティングシートを貼る
テーブルのカーブ部分はドライヤーを当てながら丁寧に伸ばします。これまでいろんな種類のカッティングシートを使ってみましたが、やっぱり3Mのダイノックシートが一番美しく耐久性にも優れていると思います。
完成!
完成です。カッティングシートを貼るだけのほんのちょっとしたDIYでしたが、これで作業もしやすく部屋のイメージに合ったミシン台となりました。
私のミシンの思い出
現在の愛機は蛇の目ミシン工業株式会社製PACIENTEです。下のミシン台はブラザーなのでニコイチですね。ミシンの1代目はブラザーでした。一人暮らしをして初めて買った家電はミシン。小学生の時から縫い物をしていたので自分のミシンを持ったとき嬉しくて嬉しくて。今回の引越しを機に、1代目には引退してもらいました。今までお疲れ様でした。
二代目のジャノメPACIENTE
ジャノメPACIENTEは全体がブラックで、文字・飾りはゴールド。ルックスも美しいですが、機能も申し分なし。水平釜で自動糸通し、ボタンホール、ロックミシン、まつりがけまでできますよ。
ジャノメPACIENTE
アンティークミシンのブルーバードとこれとさんざん迷ったのですが、機能性が高いジャノメPACIENTEを購入しました。だけどPACIENTE、スペイン語だと「我慢強い」とか「患者」とか言う意味です。あまりミシンの名前にふさわしくないような……。他の国の言葉では良い意味なのでしょうか?
足踏みの歯車機構を動画で
PACIENTEは電動足踏みなのでペダルがあります。これをブラザーの足踏み部分に固定して使っています。ブラザーの足踏みはちゃんと足でこぐことができるんですよ。キコキコ歯車が回転してますよね。回るだけで特に何の役にも立っていませんが、メカニカルな動きが可愛いのです。
椅子は重厚なブラックアイアン
椅子も重厚なアイアンにしました。革を鋲留めしてあってレトロ。椅子の高さを調節できるようになっているので便利です。縫い物とアイロンがけに使ってます。
裁縫箱もラタンのソーイングボックスに変更
以前は釣り道具などを入れるプラスチックケースを裁縫道具箱に使ってましたが、ラタンのソーイングボックスに変更しました。ミシン台の右側にアイアンの棚を置き、各棚のラタンボックスには手芸材料や、工作材料、工具などが入っています。
ヴィクトリアンではないけど
ヴィクトリアンというよりも、むしろアーリーアメリカンやカントリー風になってますが、これはこれで好きなテイストです。家事室の裁縫・工作エリアはこれで完成しました。
追記:2014年11月
この記事を書いてから4年後、2014年現在はリビングの一角にミシンとミシン台を置いています。ミシンは一度故障してしまいましたが、修理に出して回復。今も私のスチームパンク工作&手芸に欠かせないマシンです。
追記:2016年10月
さらにこの記事を書いてから6年後。2016年に庭の温室を作った時にミシンテーブルでタイルの流し台を作りました。また観葉植物の鉢置き台にもなっています。レンガの壁に黒いミシン台の足が映えますね。(タイルの流し台は作善堂 楽天市場支店で購入)
我が家を転々と移動するミシン台
温室はたくさんの植物に囲まれて癒しの空間となりました。アイアンはインダストリアルデザインと良く合います。たぶんここがミシン台の終の棲家となりそうです。今後も流し台として末永く愛用したいと思います。【蒸気夫人(マダムスチーム)】