プルースト効果という言葉を聞いたことがありますか? ある匂いによって昔の記憶やその時の感情が思い出される現象のことです。男性も女性も香水とレトロな香水瓶を楽しんでみませんか?
記憶が蘇るプルースト効果
フランスの文豪マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』には、紅茶に浸したマドレーヌの味をきっかけに、昔の思い出や幸福感が鮮明に蘇るというシーンがあります。プルースト効果という名前はそこから名付けられました。
『失われた時を求めて』は20世紀最高の文学作品と言われていますが、非常に難解でボリュームのある小説です。最後まで読んだ人よりも、この「プルースト効果」という言葉を知っている人の方が多いかもしれませんね。
ダイレクトに脳に届く香り
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感の中では嗅覚は弱い刺激に感じるかもしれません。しかし視覚情報は見ているものを組織化して解釈するため、脳が感じ取るまでのタイムロスがあります。
匂いの感覚は五感の中でただ一つ、大脳新皮質を経由しないで海馬の臭球という部分を通ってダイレクトに脳に届きます。そのため匂いは記憶と結びつきやすいのです。
ヴィクトリア朝の香水瓶
脳の研究はまだまだこれから。匂いと記憶のメカニズムも今後徐々に解明されていくのでしょうね。スチームパンク時代の19世紀末の女性も香水と香水瓶にうっとりしていたに違いありません。そしてそんな女性の香りをプルースト効果のように懐かしむ英国紳士も多かったことでしょう。
ヒロミチのバルブアトマイザー
これは私のお気に入りの香水瓶です。バルブがついていてクラシカルな雰囲気でしょう? モノクロ映画の女優さんが使っているみたいな、優雅で美しい形です。これは株式会社ヒロミチのバルブアトマイザーLチューブ・アンバー。
女性へのプレゼントにいかが?
ヒロミチのアトマイザーは美しいアンティークテイストのデザインが多く、職人さんの手技でしっかり作られています。また江戸切子など日本の伝統技術が生かされているところもいいですね。眺めているだけでも幸せな気持ちになれる香水瓶ばかり。女性へのプレゼントを迷っている男性諸氏にはぜひオススメです。
美味しそうなオレンジカフェ
私は20代の頃から好きなラ・ファブリークのオレンジカフェを入れています。もう廃盤になってしまったので、あと手元に残っている2本分しかなく、大事に使っています。
トップは爽やかなオレンジ、ミドルでコーヒーの香りが立ち上がってきます。眠る前に寝間着と寝具につけているのですが、ベッドにおやすみ前のおやつが運ばれてきているような、美味しそうで幸せな香りです。
化粧ポーチにパースパフュームボトル
もうひとつヒロミチの香水瓶をご紹介します。バルブアトマイザーはハンドバッグの中に入れて持ち運ぶのには向いていないので、外出先で使いたい時には、こちらのアンティークなパースパフュームボトルが活躍しています。
美しい薔薇の透かし彫り
キャップに棒がついているので、手首などつけたい場所だけに香水を落とします。透かし彫りの金属のカバーがついているので割れることがなく、化粧ポーチの中に入れても大丈夫ですよ。繊細なバラの模様が美しいです。
ケリーカレーシュとランスタンドゲラン
他に使っているのはエルメスのケリーカレーシュとランスタン・ド・ゲランです。旦那様にプレゼントで頂きました。
普段キックボクシングに打ち込んだり、泥まみれで山に登ったり、ウィンチェスターライフルをなでまわしたりしてますから、男臭い私が少しでも女らしくなるようにとの切なる願いがこもっているのでしょう。
今後も少しずつ香水を集めたい
ケリーカレーシュは、気持ちがすっきりするようなオリエンタル系の香り。仕事の前にしゅっと吹きかけて気分を向上させています。ランスタン・ド・ゲランは華やかで女性らしい丸みのある香りです。今後も少しずつアンティークな香水瓶を集めていけたらと思っています。
追記:2014年06月22日
新しい香水瓶が届きました。バルブ付きアトマイザーはクラシックでいいですね。ピンクのボトルにはBond No9のセント・オブ・ピース、ブラウンのボトルにはゲランのランスタン・ド・ゲランが入っています。
追記:2015年04月01日
香水をゲランの夜間飛行 VOL DE NUITに変えました。サン=テグジュペリの小説『夜間飛行』がモデルの香水で、冒険家のイメージです。スチームパンクっぽくてかっこいいなあと思って。でもトワレ。早くパルファムが似合うような年齢になりたいです。
追記:2017年01月06日
新しい香水瓶が届きました。寝室のドレッサーの色に合わせてブルーのレトロなポンプ式です。中身はゲランの夜間飛行 VOL DE NUIT。よる寝る前に一吹きすると良い夢が見られる気がします。【蒸気夫人(マダムスチーム)】