私が背負っている翼付き飛行機械の作り方をご紹介します。スチームパンクアビエイタースタイル用ですが、関節つきの動く翼は天使の羽や悪魔の翼などいろんなコスプレに応用できます。
いくつか改良してみました
この翼の作り方は、レイチェル(rachel)さんの方法を参考にしました。まずはレイチェルさんによる記事「Articulated Wing Framework(Instructables)」をご覧ください。とても丁寧に解説されているので、あえて私のレポを載せる必要はないのですが、いくつか改良した点もありますので以下に書きたいと思います。
大きさを3分の2に
まずは大きさです。レイチェルさんの翼は広げると3メートル近くになります。大きくて迫力があるのですが、コスプレ会場や仮装パレードでは大きすぎて取り回しが難しくなるため、私は3分の2の寸法で作りました。
こちらのページに詳しい寸法が書いてありますので、見てみてください。大きな骨組みは、骨X、骨Y、骨Zの3本、そして棒状の細い骨が2本です。レイチェルさんと同じ寸法で作る方はそのままの長さで。私が作った3分の2の寸法は以下の通りです。
【1】骨格作り
レイチェルさんはバルサで骨を作っていますが、私は灰ボールという厚紙で作りました。これは厚紙を2枚貼りあわせた丈夫なもので、加工がしやすかったからです。
【2】表面にカッティングシート
骨の形は、穴の寸法さえ合っていればOKなので蝙蝠の羽のような曲線型に設計しました。カットした後、ツヤありの黒のカッティングシートを表面に貼りました。
【3】穴あけ・ハトメ打ち
設計図通りに穴を10ミリのポンチであけます。穴には同じ大きさのハトメを打ちます。隠れてしまう部分ですが、シルバーでなくゴールドの真鍮色を選びました。
【4】細い骨作り
細い方の骨には直径10ミリの木の丸棒を使いました。この骨の長さは、どのくらい翼を広げるか、どのくらい翼を上向きにするかによって違ってきますので、長めに切っておいて後で調整します。中心に直径10ミリの洋灯をねじ込み、表面にカッティングシートを巻きつけます。
【5】歯車のモチーフ
スチームパンクっぽくするために歯車のモチーフをつけました。イラストレータで作成した直径10センチの歯車を印刷し、金色の工作用紙にスプレーのりで貼りつけます、カッターで切り出します。中央には同じく10ミリのポンチで穴をあけ、ハトメを打ちます。
【6】仮留め・羽の型紙作り
ボルトとナットで各パーツを仮留めし、細い骨の長さを調整します。骨の形が決まったら、下に紙を敷いて、布の翼の形を決め、型紙を作ります。新聞紙に薄く蝙蝠っぽい羽が描かれているのが分かりますでしょうか。
【7】布の羽作り
この型紙通りに布を切ります。今回はベージュのコットンを使いました。左右両方を切りだします。縁をアイロンで三つ折りにしてミシンで縫い、上の部分は20ミリのバイアステープ(黒)を縫いつけます。
【8】ハトメ打ち・翼の骨
バイアステープを縫いつけた部分に、ポンチで穴をあけてハトメを打ちます。このハトメは骨に留めるためなので、骨の穴の位置に合わせます。また飾りにもしますので、等間隔に美しくハトメを打ちます。布をピンと張るため直径5ミリの竹ひごをつけます。竹ひごがちょうど収まるように細長いテープ状に布を切って縫いつけます。そこに竹ひごを挿し込みます。
【9】マシン部分作り
マシン部分です。ここは夢を壊してしまうのであんまり詳しく書かない方がいいですね。蒸気圧計、冷却ホース、蒸気の噴出管を工作で作りました。ビス留めはカシメを利用しました。金属が重そうに見えますが、実は見た目よりもずいぶん軽いです。
【10】土台作り
背中に背負う部分の基礎は100円ショップで購入したワイヤーラックと合皮のベルトです。レイチェルさんは、登山などに使うアルミの背負子を基礎にしていましたね。コスプレイヤーの方々はイベントで長時間背負うことになるので、なるべく軽いものを選んでください。
【11】ライト部分
ネットで買った1個300円のヘッドライトを使いました。針金でワイヤーラックの上部にくくりつけるだけです。横のボタンを押すと、明るさの調節もできる優れものです。
【12】肩ベルト部分
肩に背負う部分です。自分の体の大きさに合わせてカットし、ワイヤーラックに巻きつけ、ボルト留めします。見た目もゴツくてスチームパンクっぽくなりました。マシン部分も一緒にワイヤー、ベルトで固定します。
【13】骨・翼組み立て
骨組みを布の翼とともに組み立てます。この時何度か背負ってみて、翼の広がり具合を調節します。
【14】関節部分のボルト・ナット
ボルトとナットをしっかりと留めてしまうと、関節部分が動かなくなってしまいます。そこで関節が動くようにある程度間隔をあけてナットを締めます。しかし、ワッシャーも挟まず、しっかりナットも最後まで締めずでは、歩いている間にナットが緩んで落っこちて、関節がバラバラになってしまうでしょう
【15】ナットを接着剤で固定
そこでナットがそれ以上緩まないように上からホットボンドで接着しました。背負う肩ベルトのボルト・ナットはワッシャーを入れてしっかり締めきってしまうのですが、関節部分はこんなふうに、間の骨がスルスル動くようにします。
【16】必要な人はクッション作り
背中に当たる部分です。ランドセルみたいに背負います。ナットはワイヤーネットの向こう側に引っ込んでいるので背中には当たりません。ただ長時間背負う場合は、薄く綿を入れたクッションを作って、ワイヤーネットにくくりつけると良いでしょうね。
【17】ハンドル作り
これは一番上にある関節部分。レイチェルさんはひじに紐をつけて手の動きと連動させていましたが、私はハンドルを手で持って翼を開閉することにしました。このハンドルも、細めのベルトをカットし、ボルト&ナット留めしてあります。この方法だと、普段は翼を閉じておいて自分の好きな時に広げられます。
【18】翼が自然に閉まる仕組み
手を離せば自然に翼がパッと閉まるようにしたかったので、ハンドル部分にゴム紐をつけました。髪を結ぶゴムです。歩いている時に翼が広がってしまうことも防ぐので一石二鳥。ビジュアル重視の方は必要ないかもです。こんな感じで閉まりますよ↓。
【18】完成!スチームパンクアビエイター
飛行機械、完成です! ほとんどの材料は100円ショップやホームセンター、大型文具店でそろいます。お金はそこそこ、時間は結構かかりました。我ながら会心の出来でしたよ。レイチェルさん、ありがとう!【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- 灰ボール
- カッティングシート
- ハトメ
- 丸棒
- 洋灯
- 金色の工作用紙
- スプレーのり
- ボルト・ナット
- 羽用の布(コットン)
- バイアステープ
- 竹ひご
- ワイヤーラック
- ベルト
- ヘッドライト
- ゴム紐
- 工作道具一式
- 裁縫道具一式