ヘッドフォンの置き場所はどうしていますか? インテリアに合うものがほしくなったのですが、市販品に良い物がなかったので、スチームパンクなヘッドフォンスタンドを作ってみました。
ヘッドフォンどこに置いていますか?
あなたはまさか床に直置きなんてしてませんよね? 衛生的にあまりお勧めできませんし、高価なヘッドフォンを蹴飛ばしたりしたら泣くに泣けません。かと言って机の上に置くのも邪魔……。ヘッドフォンの置き場所って困りますよね。
もっといろんなスタンドがあれば良いのに
でもヘッドフォンをかけておくスタンドは、売られているヘッドフォンの数にくらべてはるかに少なくデザインも限られています。バナナハンガーを使っている方もいらっしゃるようですが、どうも私の書斎には合いません。せっかくスチームパンクなヘッドフォンとイヤーマフなんだからと、アンティークな雰囲気のものを作りました。売ってなければ、作ればいいじゃない!
アンティークスタンドをDIY
アンティークなライティングビューロー(パソコン机)に良く似合う、赤いベルベットと真鍮、木のヘッドフォンスタンドです。かけたり外したりも簡単。これでもう置き場所にも悩みません。
レトロかつ機能的
フカフカのクッションが入ったベルベットはヘッドパットを傷つけることもありません。木製のネジをギュッとしめると真鍮棒から滑ることなくクッション部分が固定されます。好きな高さに調節できるのが便利。ところでこれの元になっている素材は何か分かりますか?
実験器具を土台に
正解はこちら。学校の理科室にある漏斗台(ろうとだい)。漏斗はじょうごの形をしていて液体や粉末を口の小さい瓶や管に通すための実験器具です。漏斗台は漏斗を固定するためのもの。右の写真は私の書斎の洗面所です。顔を洗っているときに漏斗台を見てこれだ!とひらめきました。
【1】材料
早速作ってみましょう。漏斗台は東急ハンズで手に入れました。木製の組み立て式です。他に飾り台と真鍮棒を購入しました。
【2】木の支柱を真鍮に変更
スチームパンクっぽさを出すために支柱は同じ直径の真鍮に取り替えることにしました。適当な長さに切って、木製の飾り台に同じ大きさの穴をあけます。飾り台は骨格標本で使ったのと同じもの。
【3】足をつける
元々の漏斗台には足がついていませんでしたがあったほうがカッコいい。東急ハンズをぶらぶらしていて見つけた木製のつまみを取り付けることにしました。単に接着剤でつけただけだと取れやすいので、中に芯を入れます。ドリルで穴を開けて中に釘を入れ接着剤で固定。接着剤をつけた足をハンマーで打ち付けます。これで横側からの力に強くなりました。
【4】真鍮の支柱を接着
飾り台に真鍮棒を通し、土台に接着します。飾り台をつけた理由は真鍮棒だけだと弱いから。棒を垂直に立てるためでもありますが、飾りとしても良い効果を生みました。
【5】塗装(ステイン)
塗装します。今回は木目を活かすために木部着色剤(ステイン)を筆塗りすることにしました。3回ほど塗り重ねると綺麗なこげ茶色になりました。
【6】塗装(ニス)
乾燥させたら木工作用の水性ニスを筆塗りします。ツヤが出ますし、汚れにくくなりますよ。2回ほど塗り重ねました。
【7】組立て
漏斗を乗せる羽の部分も同じように塗装します。すべて乾燥したら組立てます。
【8】クッション作り1
クッション部分を作ります。椅子の模様替えで使ったベルベット生地の余りを使いました。厚みがあって縫いにくいのですが、見た目がゴージャスになるので使用。こんな風に袋状にミシン縫いします。
【9】クッション作り2
漏斗台の羽の部分にタッカー(大きいホチキスみたいなもの)で袋にしたベルベット生地を留めます。中に綿をつめます。羽の形に切ったボール紙に一回り大きめに切ったベルベット生地を接着。綿を入れたベルベット袋にフタをするような形で縫いとめます。
【10】カシメで鋲留め
上部の袋と下部のフタの間に、足の長いゴールドのカシメを接着剤でつけていきます。鋲(びょう)留めしたみたいに見えてアンティーク感が増します。
赤と金の美しい組み合わせ
クッション部分をぐるりとカシメ接着。赤色と金色の組み合わせって美しいですね。
【11】レザークッション1
ついでなので別バージョンのヘッドフォンスタンドも作ってみます。
直径7センチほどの発泡スチロール柱を用意します。下4分の1をカットし、漏斗台の羽にちょうど乗る長さに切断します。椅子の張替えで残っていた椅子用のウレタンクッションを上部に巻いて接着します。
【12】レザークッション2
合皮の布をぐるりと巻きつけて端を縫い縮めます。この布は洋書革装丁で表紙として使った合皮の余りです。ポリエステルで作られているので耐久性があり、革そっくりのテクスチャで見た目も良く気に入っています。なんか余り物ばかり使っていて恐縮ですが、材料を無駄なく使用するエコ工作なのです。
【13】レザークッション31
ボール紙をスチロール+ウレタンの側面の大きさに切り、一回り大きく合皮の布を切ります。手縫いでクッション部分にフタをするように縫いつけます。クッションの下側も同じように作った合皮+ボール紙のフタを接着します。
【14】カシメで鋲留め
千枚通しで等間隔に布に穴をあけます。足の長いカシメに接着剤をつけて穴にさしこんでいきます。赤&金もいいけど、茶&金も相性が良いですね。
【15】細部の仕上げ
木のネジの部分にマイナスのビスをつけてみました。また真鍮棒の上部は切りっぱなしだと味気ないから、直径と同じ大きさのカシメを接着しました。最後に飾りとしてリリアンで作った赤のタッセルをネジのところにかけます。
【16】完成
完成! ベルベットバージョンとレザーバージョンの2種類。制作期間は塗装や接着剤の乾燥時間があったので2日。一番大変だったのはクッションを縫う部分でした。ベルベットも合皮も硬くて縫いにくいんですよね。
スチームパンクヘッドフォンスタンド
漏斗台を選んで良かった点は高さ調節できることです。下に置いたものとヘッドフォンが干渉しないのでごちゃごちゃしません。ネジをしめておけばクッション部分が下がってくることもありません。スチームパンクなインテリアによく調和していますよ。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
追記:2018年02月26日
この記事を書いてから6年後、木目と金模様が美しいスチームパンクなヘッドホンスタンドを作りました。実は塩ビパイプでできているんですよ。充電ケーブル内蔵なのでブルートゥース式のヘッドホンも充電しながら保管できます。
関連商品・参考文献
- 漏斗台
- 真鍮棒
- 飾り台
- 木製つまみ
- 接着剤
- 釘
- 木部着色剤(ステイン・マホガニー)
- 水性ウレタンニス
- ベルベット生地
- 厚紙
- 綿
- タッカー
- カシメ
- 発泡スチロール柱
- 椅子用ウレタンクッション
- 合皮
- マイナスビス
- タッセル
- 工作道具一式
- 裁縫道具一式