スチームパンカーを名乗る人なら一つは持っているであろうアイテム・トップハット。でもイベントに持っていく時はかさばって困りますよね。そこでワンタッチで折り畳めるトップハット(オペラハット)を作ってみました。
その後、トップハットは、クラウン部内側にヒンジ付のフレームを使い折りたたむことができるようなものができた。これはオペラハット(opera hat)やギブス(Gibbus)ともよばれた。オペラハットやギブスはトップハットと同義にも、また、高さのある男性用のフォーマルな帽子に対しても使われる。1920年代にはハイハット(high hat)とも呼ばれていた。
【動画】折りたたみ式ハットを動画でどうぞ
百聞は一見にしかず。まずは私のツイッターの動画をご覧になってください。
こんなの作ってみました。 pic.twitter.com/DnJWDPflRV
— マダム・スチーム / 蒸気夫人(五十嵐麻理) (@IgarashiMari) May 29, 2019
このように、折りたたむのも広げるのも一瞬で行えます。特に広げるときにはパンッ!と音がなるので気持ち良いんですよね。たくさんの方から高評価をいただきました。ありがとうございます!
外観はクラシカルスチームパンク
イベントに参加する時は小さくしてかばんの中に入れることができます。シルエットは上に向かって弧を描いたレトロスタイル。昔のトップハットはビーバーの毛皮を使っていたため、それに模した艶のある人工毛皮を使いました。シンプルでありつつ、スチームパンクらしさを出すために4mmのカシメをリベットのように打っています。
19世紀に登場した折りたたみ式ハット
実はこの折りたたみ式のトップハットは私の発明品ではありません。19世紀はじめごろに開発されたオペラハット(opera hat)、ギブス(Gibbus)と呼ばれる帽子を参考に作りました。中のフレームにバネが入っているので簡単にたたむことができます。オペラを見るときにたたんで観劇できるから便利なんですね。
ごくまれに海外のオークションでみかけることもありますが、昔のものなのでスプリングが錆びついたり切れていたりしてうまく作動しないものが多いようです。新品のものはオーダーメイド出ない限り市販はされてない気がします。
ギミックは秘密です
売ってないなら自分で作ればいいじゃなーい? ということで自分で作ってみました。ただし内部構造は蒸気社の企業秘密なので見せられるところだけ写真を載せます。どうしてもギミックが知りたいという方はネット上にレントゲン写真を掲載しているサイトもありますのでご自分で探してみてくださいね。
376gはちょっと重すぎる……
さてこの折りたたみ式のトップハット、重さがなんと376gもあります。普通のトップハットの重さは200g前後ですので150g以上も重いのです。トップハットは実用品でオブジェではありませんから、長時間かぶっていると頭が痛くなるようなものはよくありません。
改良型のグレートップハット
そこで2つ目のハットを作ってみました。今度は朝のスーツ・モーニングに合わせるための折りたたみ式トップハット(グレー版)です。フレームの材料、表の生地、裏布、リボンなどできるところはすべて改良してみました。さあ、重さを測ってみましょう。
これ以上削れない286g
左がごく普通のフェルトのトップハット203g。右が2作目のバネ式トップハット。286gで前のより100gほど削ることが出来ました。でもこれ以上削るのは難しそう。表生地をシルクやサテンに変えればあと数グラムは軽くすることができそうですが、まあこれなら許容の範囲内でしょう。
これからも時々トップハットを作ります
ところであなたはトップハットをいくつ持っていますか? 私は一つ作ったら昔作ったものを一つ処分するようにしているので今所有しているのは4つ。これで私の作ったトップハットは8個になりました。(2019年05月20日、2019年06月02日制作)
【蒸気夫人(マダムスチーム)】


追記
昔の映画を見ていると、たまに折りたたみ式トップハットを登場人物がかぶっていることがあります。私の記憶が確かならば、映画『プロデューサーズ(The Producers)』(2005)にも劇場でパッとオペラハットを広げるシーンがありました(もしほかの映画と混同していたらごめんなさい)。
ちなみにこの『プロデューサーズ(The Producers)』には劇中劇として『Springtime for Hitler and Germany(ヒットラーとドイツの春)」というとんでもなくヤバいミュージカルが登場します。映画版、ミュージカル版どちらにも出てきますよ。よくこんなの公開できたなー。アメリカすごい。ドイツならどうやることやら。
関連商品・参考文献
- 表生地
- 裏地
- 工作・手芸道具一式