私がかぶっているのはナイトキャップ(nightcap)。就寝前に飲むお酒もナイトキャップと言いますが、この記事では、夜寝るときにかぶるための帽子について解説いたします。
男性も女性も眠る時はナイトキャップ
ヴィクトリア朝を舞台にした映画ではこの帽子を頭にのせて眠る人がよく出てきますね。この絵では『クリスマスキャロル』のスクルージのように、当時は女性だけでなく男性もかぶっていました。ナイトキャップは髪の乱れを防ぐためのものです。寝返りをうっても長い髪が顔に触れないし、冬は暖かく夏は首もとや額の汗を吸ってくれます。
赤ずきんちゃんの絵本でおなじみ
あなたが最初にナイトキャップをご覧になったのは、たぶん赤ずきんちゃんの絵本かもしれませんね。おばあさんに化けたオオカミがかぶっていたのもこのナイトキャップ。古臭いと思われがちですが、なかなか実用的な帽子なのでもっと普及するといいのになと思っています。
今回もやっぱり自作
「まっ白でフリルとレースがたっぷりあるナイトキャップ(できれば夏用と冬用)」をさんざん探したのですが、見つからなかったので今回も自分で縫いました。売ってなければ作れば良いのです。出来上がりはこんな感じ。オオカミがかぶってたナイトキャップそのものでしょう?
USAKOの制作工房様ありがとう
大変ありがたいことに、ナイトキャップの型紙を無料で公開してくださっているサイトがあります。コスプレ衣装の型紙販売ショップUSAKOの制作工房の、無料で使えるナイトキャップの型紙です。
様々な洋服、コスプレ衣装、人形の衣装の型紙が掲載されています(有料と無料のものがあります)。作り方も丁寧に解説されている素晴らしいサイトです。
【1】生地を用意する
では早速作ってみましょう! 冬用のナイトキャップの布はネルを使いました。ネルは綿織物を起毛したもので、肌触りが柔らかく暖かい布地です。
【2】しるし付けとカット
ダウンロードした型紙の通りにネル生地を切り抜いて、チャコペンでしるし付けをします。布の切断はローラーカッター(ロータリーカッター)、しるし付けは水で消えるタイプのチャコペンが便利です。
【3】縁にレースをつける
縁にレースをつけます。普通の布だとほつれ止めをしなくてはなりませんが、ネルなのでそのままレースを縫い付けることにしました。レースをまち針で丁寧にとめてゆきます。
【4】ゴム通しのレースをつける
ゴムを通すためのレースをつけます。型紙のしるしの通り、ゴム付け位置にまち針でレースをとめていきます。
【5】まち針打ち
まち針でなくしつけ糸で縫っても良いのですが、面倒なのでそのまま縫うことにしました。下の花のレースと、上のレースの間をゴムが通ることになります。
【6】縁のレースを縫う
縁のレースを縫います。
【7】押さえミシン(ステッチ)
縫い代を裏に折り返してアイロンがけをし、端から2ミリのところに押さえミシン(ステッチ)をかけます。押さえミシンをするとレースが浮きません。
【8】ゴム通しのレースを縫う
ゴムを通すレースは、全部縫ってしまわずにゴム通しのために3センチほど縫わずにあけておきます。レースを全て縫い終わりました。
【9】ゴムを通す
3センチほど抜い残した隙間からゴム紐を通します。ゴム通し用のプラスチック針が便利ですが、なければ安全ピンやヘヤピンで代用できます。
【10】ゴムの端を縫って完成
ゴムの端がすっぽ抜けないように指で抑えておくか、洗濯バサミ・安全ピンをつけておきます。ちょうどよい長さでゴムを切って、結ぶかミシンで縫います。ゴムを整えて完成です! 制作時間は3時間ほどでした。
夏用も作ってみた
ついでに夏用のナイトキャップも作ってみました。使った布地は楊柳(ようりゅう)。シボのある綿織物で、綿クレープ、ちぢみとも言います。手触りがサラサラしていて、速乾性・吸水性に優れているので夏の肌着などに向いています。
首の部分に紐をつけても良い
これは夏用ナイトキャップをかぶったところ。私は寝相が良い方ですが、寝相の悪い方だと朝起きた時にナイトキャップがベッドの下に転がっていた……なんてことがあるかも。心配な方は首のところに紐をつけてみると良いかもしれませんね。
寝室作りは日々の継続が大切
ベッドルームは作ったら終わりということではなく、日頃の掃除、寝具の洗濯、グッズのメンテナンスなど、継続が最も大切なことだと思います。またベッド周りのグッズが増えたら追記記事を書くかもしれません。ではおやすみなさい。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
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- 裁縫道具一式