いつも不満に思っていること。それは女性用の服のポケットが往々にして、物を入れることができない「飾りポケット」であること。これでは懐中時計が入らない! そこで改造してみました。
ベストなのにポケットがない!
このツイードのベスト。パッと見ポケットが3つついているように見えます。ちょうど同じツイードのパンツも持っていたので通販で購入してみたのですが、届いてみるとこのポケットは単なる飾りで、実は物が入れられないものでした。がっかり……。
ポケットのように見えるけど単なる飾り
女性ものの服はポケットっぽくデザインされていても、実際は実用性のない飾りポケットが多いのです。シルエットを重視するためでしょうか。でもヴィクトリアンファッションには懐中時計が欠かせません。なのにこれではアルバートチェーンのおしゃれができないではないですか!

【1】リッパーでポケットの糸を切る
仕方ないので自分で改造します。売ってなければ自分で作ればいいじゃないの精神です。まずはリッパーで飾りポケット部分の糸を丁寧に切っていきます。
糸を切った後のポケット部分
すべての糸を取り除きました。こんなふうにパックリとポケットの口があきました。ツイードなんて生地が厚いのだし、ポケットぐらいつけてもそう表に響かないでしょうに。ポケットがないのはコストを下げるためかしらね。
【2】型紙を作る
トレーシングペーパーで下の生地を透かしながら型紙を作ります。懐中時計がちょうど入る大きさにしました。自分で使うベストなので型紙も適当で大丈夫です。
【3】布を切る
型紙に縫い代をつけて生地を切ります。腰の両ポケット、胸ポケット分です。なお洋裁学的に正しいポケットを作りたい方は『誌上・パターン塾 Vol.1トップ編』に様々な種類のポケットの型紙の作り方が書いてありますのでご参考まで。
【4】ミシンで縫う
ミシンで縫います。ここではわかりやすい糸の色で縫っています。
【5】アイロンで割る
縫い代をアイロンで割ります。縫い代分の余分な布はハサミで切ります。
【6】まち針で留める
縫ったポケットをまち針でポケットの内側に留めます。
【7】手縫いで縫う
ミシンで縫うことはできないので手縫いで縫い止めていきます。本来ポケットは服を作る初期の段階で縫うものなのですが、今回は後付でポケットを作ったためこのような方法を取りました。
【8】完成!
完成! これでチーフや懐中時計などを入れることができますね。2時間ほどのミニ手芸でした。
チーフやアルバートチェーンのおしゃれも
最初からポケットをつけてくれていれば良いのに……そう思うことは度々ですが、ポケットを縫うのはそれほど難しいことではないのでこうやって改造しています。チーフやアルバートチェーンのコーディネートが楽しめるようになりましたよ。【蒸気夫人(マダムスチーム)】
関連商品・参考文献
- 洋服の色にあった生地
- 洋裁道具一式
- トレーシングペーパー