カティーサークは19世紀のイギリスの帆船です。中国から英国まで紅茶を運ぶティークリッパーと呼ばれた船。温室の装飾用に優雅で美しいカティーサーク号の木製模型を作ってみました。
カティサーク(Cutty Sark)は19世紀に建造されたイギリスの快速帆船である。中国からイギリスまで紅茶を輸送する「ティークリッパー」として、いかに速く一番茶を届けるかを競った。しかしながら、その建造時期はスエズ運河の完成直後であったため、ティークリッパーとして活躍した期間は短い。カティサークは現存する唯一のティークリッパーとしてロンドン近郊のグリニッジで保存展示されている。
カティーサーク号とは何か?
帆船は冒険とロマンを感じますね。19世紀半ばからは紅茶の輸送も蒸気船へと移り変わったため、このカティーサーク号は帆船衰退期の最後のティークリッパーとなります。温室のソファに座って模型を眺めていると、古き良き大航海時代の船の旅まで想像が広がります。
情報をいただいたお陰で作ることができました
この模型キットを入手したのは今から4年も前のことです。白木のライトフライヤー号を作った時に、同じジェンウッドシリーズにゴールデン・ハインドとカティーサークがあることを知りました。

ところが発売元の発売元の稲美産業はなくなっているらしく、4年前の時点でデッドストックしか存在していなかったのです。当ブログで情報を呼びかけたところ、ご親切にも読者のKさん、Hさんより発売サイトを教えていただき購入することができました。本当にありがとうございました。
【1】キット、道具、材料を用意
箱の中には厚さ5ミリほどの板が4枚と説明書、サンドペーパー、ロープが入っています。他に用意するものは、鉛筆、木工用ボンド、接着剤、カッター、ハサミなどです。詳細はこのページの下をご覧ください。
【2】板からパーツを抜く
木の板にはパーツの形に切り込みが入っています。糸ノコやルーターカッターがなくても手で押すだけでパーツ抜きができます。細かい部分はカッターなど使うと綺麗に抜けます。
【3】バリを削る
パーツにバリ(きれいに土台の板から抜けずに、板のギザギザが残っている状態)がある場合は、付属のサンドペーパーで削っておきます。ルーターのヤスリパーツを持っている方はルーターでバリを取り除くと楽です。
【4】パーツを接着
一度仮組みした後バランスを見てから接着剤(木工用ボンド)で各パーツを接着します。いきなり最初から接着剤を使うと上手く組めない所が出て来ることもありますので、最初にまず全部組み立ててから最終的に接着するのがおすすめです。
【5】パテ埋めとサンダー
ラフに組むだけでも魅力的なモデルですが、丁寧に作りたかったので隙間や欠けた部分をパテのかわりに木の粘土と石粉粘土を混ぜたものをペースト状にして埋めて、サンダーで滑らかにしました。木の模型はプラモデルと比べるとどうしても作りが甘い部分があるので自分で修正するとより完成度が上がります。
【6】歪み取り(1)
木工用ボンドなど水分を多く含む接着剤を使う場合、広範囲に塗ると木が水分を吸って歪む場合があります。組み立てた後にソリが出ないようにマスキングテープなどでぐるぐる巻きにして歪みを防ぎます。
【7】組み立て完成
組み立て終わりました。実際に置く棚に設置してみました。高さも問題なく収まりました。これで終了しても良いのですがもう少し手を加えて、美術品のような仕上がりにしたいと思います。
【8】水性ステインで着色
木製品を着色するのに使う水性ステインです。水性なので着色も楽です。今回はオーク色を選びました。一度塗っては完全に乾かしてから二度塗り。そしてさらに三度塗り。様々な大きさの筆を使うと塗りやすいです。
【9】歪み取り(2)
水性ステインも水分を含んでいますから、塗装後に歪みが出るおそれがあります。マストの部分にマスキングテープで補強をして、歪まないように注意しながら乾燥させました。
【10】糸張り
次は糸張りです。リギングというのだそうです。この模型キットには付属品として茶色の糸がついてきたので、説明書の完成図を見ながら丁寧に接着剤で糸をとめていきました。瞬間接着剤を使うと楽ですね。細いステンレスワイヤーも使って丁寧に張っていきました。
【11】糸張り終了
糸張りが終わりました。かなり根気がいる作業でしたね。頭フル回転で燃えそうでした。でもリギングの作業は立体パズルに挑戦しているような楽しい時間でもありました。
【12】金色のピアスキャッチで装飾
全部茶色というのは少し地味な気がしたので、金色のパーツをロープの終点部分に接着しました。実はこのパーツ、ピアスキャッチなんです。ピアス本体を別の工作に使った余り物。でもこんな風に日の目を見ることができて良かったです。
【13】完成!
完成です! 2017年の07月24日から作り始めて、07月31日に完成。毎日3時間の作業で1週間かかりました。フルスクラッチの工作も面白いですが、こんなキットの工作も気楽に取り組めていいですね。模型工作の楽しさを再認識しました。
LEDソーラーライトと人口観葉植物の装飾
温室の棚も一工夫してみます。LEDのソーラーライトを購入しました。送料込みで1000円でした。棚にヒートンをねじ込んでライトのワイヤーをぐるぐると巻きつけます。ワイヤーを隠すようにしてコウモリランの人工観葉植物をからませます。
温室の棚にしっかりと固定
温室の戸を開けて風が吹き込むこともあると思い、カティーサーク号の土台を針金でしっかり固定しました。突風で飛ばされて落っこちたりしたら大変ですものね。
コウモリランの波をかきわけて大海原へ!
コウモリランを波に見立てて、大海原に向かって出発するカティーサーク号を表現しました。木製模型に水分は禁物だから人工観葉植物にしたのですが、意外に本物っぽくて良い出来のものでしたよ。
幻想の海をゆくカティーサーク号
夜になるとLEDライトが自動点灯します。幻想の海をゆく帆船・カティーサーク号。すべての仕事を終えて、夜に犬たちと一緒に温室のソファでのんびりするのが私の最近の癒やしです。壁の帆船模型を見ると、また海の旅に出たいなあと旅愁が湧いてきます。【蒸気夫人(マダムスチーム)】

関連商品・参考文献
- 白木クラフトの模型
- 鉛筆
- 木工用ボンド
- 瞬間接着剤
- ルーター
- サンドペーパーとサンダー
- カッター
- ハサミ
- 木の粘土
- 石粉粘土
- マスキングテープ
- ステンレスワイヤー
- 木部着色剤(ステイン)
- ニススプレー
- アクリル絵の具
- 塗装用具一式